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「がんじがらめの愛」3章-8

 園遊会のお開きの時刻となった。絢子様様が後退出なさるのを、三條の御両親と嫡男である三條、そして、三條家と親しい付き合いをして居る自分の両親と一緒に車宿りまで見送った。ここからでは三條邸の建物が全て見える。豪華なアールーヌゥボーな屋敷だった。
 絢子様は去り間際に、扇で口元を隠したまま小さな声で仰った。
「片桐様を大切になさって下さいませね。謂われなき批難も御座いますから」
「ええ、そのつもりです」
 其の言葉に頷くと、自分に御背を向けられた。西陣織の豪華な振袖と、ふくら雀に締められた帯が優雅だった。
 主賓が退出なさったのを機に、園遊会の空気もどこか緩んでくる。片桐と華子嬢も退出の挨拶をしに来た。片桐も三條夫妻に非の打ち所の無い挨拶をしている。その様子を見ていた。自分が口を挟む筋合いは全く無いので、その姿を眺める。黒い絹の燕尾服は禁欲的ではあるが、それ故に欲情をそそられる。自分よりは幾分華奢な身体。そして、燕尾服という名前の由来となった、腰のラインを際立たせる服。腰も幾分は細いが、女性の様に丸い事は無い。長方形の形をしている。それがどうしようも無く劣情をそそられる。
 もちろん、顔や身体だけに惹かれたのでは無いのだが、視覚的にも充分な魅力を持っている。
 彼の全てが欲しい。
 そう思った。
「三條様、今日は楽しゅう御座いましたわ」
「私もです。また是非ともいらして下さい」
 ピンクの薔薇の頬をして、華子嬢が三條に挨拶している。三條も礼儀正しく挨拶を返しているが、いつもの彼の言葉とは幾分違った。熱意が感じられるのだ。片桐と華子嬢は片桐家の家紋付きのフォードに乗って帰宅する。片桐はちらっと自分に視線を流したまま。
<もしや>
 と三條の様子を見るにつけ思う。殆どの招待客が帰ってしまうのを見届け、三條の私室に行った。
「華子嬢、可憐だっただろう」
 水を向けてみる。
「ああ、あの片桐君の妹君なのだから、相当の美人だとは予想していたが、性格も天真爛漫で思慮深い。理想的な令嬢だ。僕は、華子嬢に好意を持った。彼女は僕が興味を持った中でも一番美しい。彼女には婚約者が居るのだろうか」
 滅多に見せない真剣な表情で聞いて来た。
「いや、そこまで立ち入った事がないから、確かめた訳ではないが、多分いらっしゃらないと思う。詳しい事は明日片桐に聞いておく」
 よろしく頼むという様に頭を下げた三條だが、ふと気づいた顔をする。
「確かめるとは…お前学校で片桐君と話していないだろう」
「ああ。だが、明日の放課後逢う約束は交わした。その時にでも聞いてみる」
「ランデヴーか。漏れない様に気をつけるのだぞ」
「ああ、用心に越したことが無いから外で逢うことにした」
「そうか、お前も頑張れよ。絢子様も応援されている様ではないか」
「そうだな。この恋は一生に一度だと思っている。だから出来るだけ長く続けたい」
「続けたければ、用心することだな」
 用心はしている。用心の内容までは話すことが出来なかったが、親友は有り難いものだと思った。
 明日の放課後が待ち遠しかった。



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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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