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「がんじがらめの愛」4章-2

「彼の父上の容態がどうなのか一刻も早く知りたいものだ」
 焦燥を滲ませた声で言うと三條も考え深そうな顔をした。放課後までは到底待てそうに無い。
「僕が適当な理由をつけて、屋敷に電話させて貰う。そして、執事に、片桐家に向かわせるように指示する」
 そう言って、三條は中庭から足早に立ち去って行った。
 彼は教官達の受けも良いのでその位の事は出来るだろう。自分も可能だが…自分の家の人間が片桐家に見舞いに行く事は、有り得ない。この際は三條に任せるしか無さそうだ。
 片桐の今朝の様子からして、父上の容態はあまり良くない事が察せられる。彼の事が心配だった。
 それに、彼の心痛を取り除くすべが自分には無い。
 学校でも話す機会は無い上に、秘密の逢瀬も出来ないとなると慰める手段が思いつかない。
 一刻も早く状況を掴みたいが、三條家経由でしかその手段は無かった。片桐家御用達の医師など知らないし、仮に知っていても医師は口が堅いので状況を聞くことは無理だろう。
 一日千秋の思いで放課後を待った。三條の迎えの車に乗り込み、三條邸に向かった。
 三條邸から自宅に電話をかけ、遅くなる旨を告げた。このところ、片桐と逢っていたのでいつも帰りは遅かったが、家では特に問題視されていない様だった。
 三條家の執事が帰って来た。
「御苦労だった、片桐伯のご容態は」
「その事で御座いますが、脳卒中との診立てです。ただ、軽度のものらしく安静が必要とか。お話も辛うじては出来る程度でいらっしゃる由を承って参りました」
 その言葉に安堵の吐息が漏れた。
「有難い。それで華子嬢からの御手紙などは…」
「はい。こちらで御座います」
 そう言って初老の執事は三條に分厚い手紙をうやうやしく差し出した。
「ご苦労。下がってくれ」
 そう命じて三條は人払いをし、二人だけになる。おもむろに封を切った。中には更に封筒が二つ有った。
「こちらはお前宛だ。」
 そう言って封筒を差し出した。
 片桐の綺麗で几帳面な字が目に入る。ペーパーナイフを差し出してくれた三條に礼を言い、丁寧に封を開ける。
<心配を掛けてとても済まない。父上の容態については三條家の執事にも説明した通りだ。命には別状がないとの診立てだが、暫くは安静にしておく必要があるらしい。だから、当分は家長の役目は俺が果たさないとならなくなった。学校は今まで通り登校するが、お前と逢う時間が取れそうも無い。残念に思う。>
 抜粋すればこのような内容だった。
 事情が事情だけに仕方の無い事だとは思うが、逢えないのはとても苦しいだろうと思った。ただ、彼の父上の容態が重篤でない事だけが救いだったが。




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素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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