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「がんじがらめの愛」4章-5

 明日は何時もよりも早く登校しようと早めに寝台に入った。
 片桐が登校して来る様にと祈る気持ちになった。それでなくては連絡の取り様が無い。
 三條経由での連絡では無く、彼自身の気持ちを和らげて上げたかった。連絡方法は、電話だと屋敷の人間に悟られる危険性が高い。手紙も、万が一使用人の目に触れたら屋敷内で流布されるかもしれない。そうならないようにする為には…、使用人には分からない方法で書くべきだ。
 彼も自分も幸いな事に英語には長けている。自分の屋敷内で英語を読める人間はそうそう居ない。片桐家でも、年代的に御両親は英語教育を受けているとは考えにくい。華子嬢は読めるかも知れないが、彼女に読まれても問題は無さそうだ。しかも彼女は他人の手紙を読む様な下品な真似はしないだろう。
 三條が華子嬢に出す手紙に同封して貰う方法も有る。それに…幸いな事に英語の家庭教師を頼んでいる先生は彼も自分も同一人物だ。手紙を渡して貰える様に頼めば、文使いくらいは問題が無さそうだ。
 翌日、何時もより早く登校した。片桐はまだ来ていない。それはそうだろう、家の中が慌しいのに学校に早く来られる筈は無い。片桐の机を祈るように撫でてから、三條が登校して来るのを待った。彼が片桐に声を掛けない筈は無い。自分はいみじくも彼の親友だ。
 一緒に居ても全くおかしなことは無い。彼の肉声を聞く為に三條と一緒に居た方が良い。それに三條なら何か知っている事も出来たかも知れない。夜間だからと自分への電話を遠慮していた可能性も有る。
 教室内に級友達が続々と入って来た。その中に三條の姿も有った。
「あれから、何か連絡は有ったのか」
 逸る気持ちで聞いてみた。
「ああ、一応な。登校はするそうだ。やっとの事で電話が通じたのは夜も更けていたので」
「お悪いのか」
「いや、そこまでは・・・。静養すればいいとの事だ」
 周囲を気遣って主語を省いた表現になる。それで充分通じた。三條も心配そうだった。
「僕は華子嬢との縁談を公表する事にした」
「今の時点で良いのか」<
 父親が倒れた時に吉事とはいえ、本決まりになっていない事を公表すると、両家に傷が付く。
「ああ、先方も乗り気の話だから、何も問題は無い」
 憂いの中でも嬉しそうに三條は言った。
「…そうか、それは目出度い事だ。こんな時に不謹慎だが、おめでとう。婚約か」
「ああ、彼女の卒業を待って式を挙げる事にしようと目論んでいる」
「お前はまだ、大学生だろう…彼女の卒業時には」
「それはそうだが…。彼女の美貌だ。油断は出来ない」
「成る程な…早い方が良いと言う事か」
 確かに社交界に――といっても、今のところは三條家の園遊会だけだが――出入りすれば、あの可憐な容姿に申し分の無い性格だ。競争者も出て来るだろう。
「そうだ。即断即決が僕のポリシーだ」
 三條の本気さが潔いと思った。
 その時、扉が開き呑気にざわめいていた教室の雰囲気が一転した。片桐家の不幸は級友たちも皆知って居る。片桐がやっと登校して来た。



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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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