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「がんじがらめの愛」4章-6

 片桐はいつも通りの様に見えたが、顔色が少し優れない。眠れなかったのだろうか…。彼は一瞬こちらに視線を流し、自分と三條が居る方へ近付いて来た。
 朝の挨拶をしてから昨日の電話の礼を言っている。
「華子の事は君に任せるので。どうか幸せにしてやって欲しい」
「僕もその積もりだ。ところで、お父上のご容態はどうなのだ」
 眉間に皺を寄せた片桐は答えた。
「軽い脳卒中らしい。言葉は少し聞き取りにくいが話す事は出来る。当分は安静にして様子を見るようにとのお医者様の診立てだ。その間は家長代理をする事になってしまった」
 三條は外人の様に肩をすくめた。
「まあ、嫡男だから仕方ないな…身体には気を付けるのだぞ。なあ、加藤」
 いきなり話を振られて驚いたが、これも彼と話しをしたいという自分に気遣っての事だろう。
「ああ、来年は卒業だし、出席日数も足りているし、成績も問題ないだろう。学校は休んだらどうだ」
 彼の身体を慮っての言葉だった。
「そうも言ってはいられない。学生の本分は勉学だから。登校はする積もりだ。心配してくれて済まない」
 そう言って自分の席に着いた。
 一週間の間、片桐は毎日登校して来ていたが、顔色は優れなくなるばかりだった。三條から華子嬢に送る手紙に同封して貰った英文での手紙。それにも、「学校は休んだらどうだ」と散々書いたが、返事は「学校でしかお前に会えない、だからお前の顔を見る為に登校している」と書かれてしまっては、嬉しさ反面、心配は募った。英語の家庭教師に託した手紙も同様の事が書いて有った。英語のレッスンは続けているらしい。
 先生に聞くと、青ざめた顔をしながらもレッスンは集中しているそうだ。
 家長代理としての顔と学生としての勉学を両立している様子が痛ましい。
 この一週間、彼は登校すると、三條の席に直行する。勿論自分も三條の席近くに立っていたので、自分に報告する為にも三條の席に来るのだろう。その反面黒田との接触は減っていた。休み時間は自分の席でぼんやりしている事が多くなった。相当無理をしているのではないかととても心配していた。逢瀬は無くなったが、残念に思う反面、仕方の無い事だと諦めるしかないと言うことも頭では理解している。理解はしているが、二人きりで会う機会が無い事が無念だった。
 十日後、いつものように登校して来た片桐は三條の席にやって来た。挨拶しようとして、彼の身体がぐらりと傾ぐ。咄嗟に支えたが、彼の顔は青ざめて苦しそうだった。繊細な顔が色を失って汗に濡れている。早めに登校した級友達も心配そうに寄ってきた。
「三條、救護室に運ぶ方がいいだろう」
「ああ、この時間だとまだ開いていないだろうから、僕は教官室に行って鍵を貰って来る。お前は片桐君を救護室まで運ぶと良い」
 三條が慌しく出て行ったのを見て、彼の身体を抱き上げた。

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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