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「がんじがらめの愛」4章-9

 昼休みの鐘が鳴った。ノックの音がしたので静かに彼の傍を離れて扉を開ける。三條が様子を見に来てくれていた。
 扉の外で小声で話す事にした。
「片桐君の具合はどうだ」
「ああ、睡眠不足と過労のようだな。しかし、今日は医師が居ないのは何故だ」
「僕も気になって教官室に寄って聞いてみたら、今日は欠勤だそうだ。だからお前が看病するという事で担任には話しをつけておいた。お前、昼御飯はどうするのだ」
「彼が起きてから、どこかで食べようと思う」
「寝ているのか」
「ああ、ぐっすりとな」
「そうか…ならば、滋養満点の料理でも食べに行けよ。これは貸しだ。いつか返せよ」
 革の財布を取り出し、かなりの額の紙幣を渡してくれた。
「いいのか。しかし、これだけの金額を良く持ち歩けるな」
「僕の親友のくせに把握していないな…。御祖父様や御祖母様が潤沢な小遣いを呉れるのでいつもこれ位の金額は持ち歩いているぞ。もちろん、自室にはもっと沢山の紙幣は隠してあるから遠慮無く使えよ。返せる時に返して呉れれば良い」
「心から感謝する。有難う」
「いや、それには及ばないが、華子嬢の件は片桐君に良く言って貰えれば有り難い」
 交換条件を出す事で気を軽くする配慮が感じられた。
「分かった。それは伝える。彼の体調が良ければ、お前の事も売り込んでおくから」
「ああ、お大事にと伝えてくれ。どうせ、今日は授業に出る気は無いのだろう」
「多分…な。片桐が望めば出席するが。」
「では、お前達の鞄は後で持って来よう」
 三條は立ち去った。紙幣を自分の財布に仕舞い、音を立てずに彼の傍に近寄った。
 片桐は無防備な寝顔を見せている。
 目を閉じれば印象もかなり変わるものだなと改めて思った。彼の大きな瞳が印象的なので、そちらばかり気を取られて居たが目を閉じると優しげな雰囲気に変わる。
 五月なので寒いことはないだろうが、掛け布団を直してやり、髪の毛を梳いていた、起こさないようにそっと。
 彼との一瞬一瞬が愛しかった。ずっとこのままでも良いと思った。
 身体を繋げる快感も捨てがたかったが、こうして穏やかに流れる時間に二人きりで居るのも幸せだと感じていた。
 外界からは隔絶された場所で二人きりで居る…そういう時間が図らずも持てた事は僥倖だと思った。気分が悪くなった彼には悪いと思うが。
 髪を梳きながらじっと彼の顔を見ていた。
 次の休み時間、三條は約束通り、二人分の鞄を持って来た。
「まだ、目覚めないのか」 
 眉間に皺を寄せて聞いた。

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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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