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「がんじがらめの愛」4章-11

「大丈夫か。ふらふらしないか]
「大丈夫」
 彼の「大丈夫」は当てにならない事は良く知っている。上体を支えながら彼のベルトを渡してやった。シャツをズボンの中にきちんと収めた片桐の男性にしては細い腰にベルトが回される。
 留め金を締めようとしている指をやんわりと退け、留め金を止め、学生服を着せ掛ける。ボタンを下から嵌めて行き、首筋まで到達した時にふと気になって聞いて見る。
「苦しくは無いのか」
「ああ、ゆっくり眠ったからもう大丈夫だ」
 それでも顔色を覗ってしまう。確かにいつもの顔色に近い色には戻って居る。きちんとボタンを留めてから立たせた。
「歩けるか」
「晃彦は過保護だな」
 くすぐったげに苦笑した片桐は、普通に歩いてみせた。
 その様子に安堵する。どうやら今日のところは回復したらしい。体力も普通以上に有る彼だから回復力も普通以上の様だ。しかし、心労はこれからも重なって行くだろう。自分が助ける事が出来ないのがもどかしい。
 先にたって歩き、二人して校門を出た。
「晃彦、教官に断らなくても良いのか」
「ああ、すでに申し上げて有るから大丈夫だ」
「手回しが良いな。この鞄は」
 ちなみに片桐の鞄は自分が持っている。その鞄と自分を交互に見詰めている。
「それは三條が気を利かせて持って来てくれた」
 片桐は微苦笑して言った。
「彼には借りばかり増えてしまう」
「そうか…三條は華子嬢に売り込んで欲しいと言っていたぞ。下心が有るので余計な心配はせずとも良いだろう」
「華子には勿体ない相手だな。家格も性格も…しかし、彼と華子が結婚すれば華子は幸せになれるだろう」
 淡々と言葉を紡ぐ片桐につい言ってしまった。
「兄として、華子嬢が嫁入りするのは寂しくはないのか」
 自分には妹が居ないので良くは分からないが、華子嬢を可愛がっている片桐の事だ。寂しいと思うのが普通の反応の様な気がした。
「正直、寂しいが…、華子の幸せを考えるとこれ以上の良縁は無いと思える。それに婚約は早くても、実際の嫁入りは三條君が大学を卒業してからという事で、まだまだ時間は有るからな」
「ところで、何処に向かって歩いているのだ」
 片桐がふと我に返ったように辺りを見回して言った。いつもの通学路とは違う事に気付いた様だった。
「今日、屋敷に帰らねばならない時間は」
「今日は、8時から屋敷に人が来る予定だからそれまでは大丈夫だ」
「それは幸いだ、一緒に食事をして帰らないか」





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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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