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「がんじがらめの愛」4章-17

 片桐の両腕が背中に回される。振り向くと、彼の端正な顔が近付き彼の方から接吻してきた。
 勢いがあったので歯が当って痛かったが、薄暗い中で見る彼の顔は儚い表情を浮かべていた。唇を重ねた後、優しく舌で唇をなぞっていると、彼の唇が緩む。迎えられた様な気がして、舌で上顎を愛撫する。片桐はうっとりとされるがままに任せて居る。
 背中に回された両手の力が強くなった。
 たどたどしく彼の舌も自分の舌に絡めて来る。
 唇だけで交わす愛の確認――それに酔いしれた。つかの間の逢瀬だと分かって居るので、唇で愛を交わす。
 刹那の時間しかないので接吻は勢い重厚になった。
 鞄を放り出して、彼の細い肩を抱き締めた。運動神経には恵まれて居る彼だが、骨組みは華奢だ。肉付きも薄い。抱き締めると彼の熱い身体と、細い骨が愛しさを掻き立てる。清潔なシャボンの香りが立ち昇った。
 名残惜しげに唇が離れると、接吻の激しさを物語るかの様に銀色の液体が二人を繋ぐ。
 片桐は真剣な口調で呟いた。
「今日は有り難う。今まで幸せだった。晃彦とこうなった事は後悔しない」
 どういう意味だ…と聞き返す時間もなく、彼は鞄を持って走り去った。
 明日三條の屋敷で聞こうと思い、木立を後にして自分の屋敷に戻った。
 屋敷の空気が何となくおかしい。女中達は別に普通に働いているが、マサなどの上級使用人や父母の様子に違和感を覚えた。
 晩餐会の準備に追われているのかと思ったが、そんな雰囲気でも無い。
 何か有ったのかと聞きかけたが、三人とも自分が話しかける雰囲気では無かった。
 思考を切り替えて、三條の屋敷に電話した。
「片桐君の容態はどうだ?」
「ああ、だいぶ元気になった様だ。で、俺が看病で授業をサボった件は級友達にはどう説明している」
「救護室に誰も居なかったので、『たまたま』運んだお前が看病する羽目になったと説明してある。別に誰も不審には思わなかったようだ」
「そうか…彼は睡眠不足が祟った様だ。もし構わなければ、お前の屋敷の客用寝室で放課後仮眠を取らせてやってくれないか」
「ああ、それは全く構わない。うちでは僕の婚約者になる華子嬢の兄上だから歓迎されるだろう。明日からか」
「ああ、頼む。俺も付き沿う積もりだ」
「分かった。では放課後に客用寝室を用意させておく」
 電話を切って一仕事終えた様な気がした。通常の事をして、その晩は早く寝台に入った。
 しかし、父母とマサの態度が気になった。露見したのだろうかとの心配がわく。心に落ちた一滴の墨を抱え眠りに落ちた。


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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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