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「がんじがらめの愛」4章-20

 三條邸の客用寝室も例に漏れず、寝台から浴室まで全て揃っている。三條が予め指示していたに違いない、バス・ロウブまで置いてあった。心遣いには感謝したが、面映さも覚えた。
 片桐の様子は逆光になって居て窺えない。
「今日は一時間しか居る事が出来ないようだな。この後に何が有るのだ」
「父上の見舞いの為に元家臣達が上京して来る予定が有るので、その労いをしなければならない」
 少し疲れた声で返答が有った。
「何人位だ」
「今日は五人だ。しかし一時よりは減った」
「……そうか。お前の家も家臣達に慕われているのだな」
「ああ、鉄道でも色々な種類があるので時間差は有る。それに家業の都合なども時間差は生じるのは仕方の無い事だから…ただ、帝都に住んでいる親戚筋は終わったからもう少しだ。四民平等の時代にもわざわざ見舞いに来て呉れる者たちを無碍には出来ないから」
 片桐の言葉を聞きながらカーテンを閉めていった。
「そうだな…俺がお前でもそうするだろう。ただ、身体の事をもう少し考えろ。家長代理と学業の両立は難しいだろう…」
 だが、学校で倒れた彼の体調は大変心配だ。
「引き受けた時は此れ程疲れると思って居なかった…」
 吐息交じりに片桐は言った。彼が愚痴めいた事を言うのは初めての事だった。
「この位の明るさで眠られるか」
「どうだろうか…。昨日の様に晃彦が目を覆って呉れればもっと…」
「分かった。制服は着替えるのか」
 片桐の華奢な首筋を締め付けている釦を外しながら聞いた。
「着替えて寝てしまったら、昨日の様に寝てしまう…だから上着だけで、良い」
 彼の言う通りにして、ついでにベルトを外す。
 彼を寝台に横たわらせて、左手で目を覆い、右手で髪を梳いた。
「昨日、お前が気にしていたご婦人の件を聞いてもいいか」
 髪を梳かれる事が良いのか、口調が穏やかになった片桐が語り出した。
「伊豆栄に入って行った時に、ご婦人が晃彦の顔を見て微笑んだ。その時晃彦はオレの方を見ていたので気付かなかった。そして次にオレの顔を彼女は見た。すると、一瞬考えるような顔をしてから、顔が真っ青に成った。そして晃彦とオレの顔を交互に見ていたが、オレの顔を見る時は仇の顔を見る様な感じだった。多分、晃彦の家の縁者だろ…う」
 そう言い終ると、引きずり込まれる様に片桐は眠った。
 俺の家の縁者…。眉間に皺が寄る。
 唇を軽く啄ばんで、左手を重ねた。彼の手は水晶の如く冷たかった。





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テーマ : 自作BL連載小説
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Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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