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「がんじがらめの愛」5章-2

 部屋で待っている間、今まで片桐が居た処に移動し、彼の面影と残り香と体温を偲ぶ。別れ際に見せた一瞬の眼差しが脳裏を離れない。
 潔さと決意を秘めた眼差しだった。恐らく彼は、遅かれ早かれこうなる事を予測していたのでは無いかと思われた。 彼は自分よりもきっと物事を悲観する性格だろう。逢えなく成る日が来る事を覚悟していた。だから自分と会う時は必死に瞳を開けて、自分との交情を記憶しようとしていたに違いない。
 その潔さを見習いたいと思った。今までは両親に嘘を吐いて逢って来たが、これからは片桐を守る為だけに嘘を吐き、他の事は全て真実を告げようと決意した。片桐の恋情が久遠に自分だけの向けられる物に成るので有れば、自分は廃嫡だろうが勘当だろうが構わないと。
 暫くしてマサが声を掛けて来た。
「旦那様と奥様が御呼びで御座います。旦那様の応接室にお出でになるようにと」
 扉を開けると彼女は普段と変わらない表情をしている。睨んでも彼女の表情は変わらない。忌忌しい思いを押し隠して返事をした。
 応接室に入ると、両親は厳重な人払いをした。マサすらも退出させる。
 父母は安楽椅子に座っていたが、自分には座るようにとの指示が出なかったので立ったままだ。
 父は葉巻をせわしなく吸い、長いまま水晶の灰皿に押し付けて消し、また新しい葉巻に火を点けていた。母は厳しい表情をしている。
 おもむろに父が口を開いた。
「片桐家の子息とはどういう関係なのだ」
「……」
 当たり障りの無い事を言う積もりは無かった。
「マサの報告通りなのか」
 父は苛立ちを声と表情で表現している。 
「…いえ、確かに今日の片桐君の行動はマサの報告通りですが、誘惑したのは私の方です」
 母は唇を動かしたが、唖然として声にはならないようだった。
「つまり、片桐の子息とお前とは不適切な関係に有る。そう判断しても構わないと言う積もりか」
 点けたばかりの葉巻を水晶の灰皿に渾身の力を込めてもみ消して父は低い声で言った。
「はい、そうです。しかし、私が彼を誘った事からそういう関係に成りました。非は私に有ります。彼は私の誘いに乗って呉れただけで…私の熱意にほだされたのだと推測します」
 母の金切り声と父の怒りに満ちた声が同時に響いた。
「晃彦さんは、片桐の息子に誑かされているだけですわ。彼は貴方を使って我が家に復讐をしたいだけに決まっていますわ。晃彦さんにはそれがお分かりにならないのですわ」
「加藤家嫡男として宿敵の家の人間と不適切な関係を…しかも、晃彦から持ちかけたなど言語道断だ。自覚に欠ける。しかし、これの言う様にお前は騙されたのだ。さり気なく手練手管を使って…な」
 二人の言葉で理解した。一方的に片桐を悪者にして、次期当主である自分の体面を守る積もりなのだろう。それだけは絶対にさせまい。片桐を全力で守ってみせる。



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テーマ : 自作BL連載小説
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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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