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「がんじがらめの愛」5章-7

 以前は「静」さんと呼んで居たが、心の底から自分の味方に成って呉れそうなので、「シズ」さんと格上げする事にした。発音を親しげなものに変えた。
 シズさんが部屋に来るのを一日千秋の思いで待った。今朝の様子を見ると彼女は自分付きの役目から離されて居ない様だ。向こうから協力を申し出て呉れた事といい、片桐からも恩義を受けているシズさんは自分達の味方だと判断した。何しろ、廃嫡になる可能性の有る長男に此処まで良くしてくれるのは、下心が有っての事とは思えない。
 両親やマサが彼女を遠ざけない理由…それは噂話をしない人間だから安心しているのか――確かに、同性愛の長男が居るのは家の恥辱だろう――もしくは、片桐と逢って居る時に彼女が叫んだ言葉、「自分は寝ている」というのを彼女の心の底から信じ込んで居た為だと判断したのかもしれない。
 使用人が部屋の掃除をするのは午前中だ。きっと彼女も自分の部屋に現れる。彼女1人なら良いのだが…と思っていると、願いが通じたのか、または使用人を遠ざけて置くのが目的か、自室に現れたのはシズさん1人だった。
 礼儀正しく一礼して入って来た彼女に感謝の笑みを浮かべた。
「本当に有り難く忝く思う。掃除はマサが気付かないように手抜きで頼む。それよりも重大な願いを聞いて欲しいのだが」
 彼女は優しく微笑んだ。
「晃彦様と片桐様のお為でしたら、何でも致します。気軽にお申し付け下さい」
「有り難う。では、この封筒の上書きを頼む。そして、この手紙も同時にポストに投函して欲しいのだが、外出の機会は有るだろうか」
「外出の機会…わたくしのお仕事には買い物も含まれていますので、ございます。ただ、郵便は時間がかかりますし、郵便事故も有ると仄聞しております。私が責任を持って宛先のお屋敷に届けますわ」
 自分では郵便を使った事が無いので知らなかった。手紙は使用人が運んでいたのだから。
 しかし、シズさんに運んで貰う方が確実だし、早い。
「もし時間が許すならば、返事も貰って来て欲しい」
「はい、それは大丈夫かと思います。買い物も奥様が愛用なさっている化粧品を購入する為に百貨店に参る事もございますし」
 片桐家の華子嬢への手紙は男の字だと使用人が不審に思うかも知れないので、シズさんに上書きを頼んだ。
 一刻でも早く片桐の様子が知りたい。そして助けたい。その一心だった。
「ただ、実は廃嫡の危機なので、もしかしたらシズさんにこの恩を返せないかも知れないのだが」
 もし、自分への協力が露見すれば彼女も屋敷を追い出されかねない。それも気掛かりだった。
「ご心配には及びません。私1人の身の立て方は、このお屋敷でも充分教えられましたし、万が一解雇されても、他のお屋敷に参ります」
 シズさんの言葉を聞いて、万が一の場合には三條家にでも紹介すれば良いと思った。







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Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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