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「がんじがらめの愛」5章-8

「シズさん、今日はこの部屋の掃除の次にする仕事は何だろうか」
 予想していた様に、1人で掃除に現れた彼女に一刻も早く手紙を届けて貰いたくて聞いてみた。
 彼女は心得た表情をして静かに口を開いた。
「奥様のお使いで外出する事に致します」
「それならこの手紙の上書きをお願いしたい。母上はそれ程部屋の状態に神経質な人ではないから、部屋の掃除が適当でも気にしないだろう。マサには入室を許可しないでおくから」
 未婚の女性である華子嬢に男の筆跡で手紙を書くと勝手に処分されてしまう可能性も有る。三條の名前を借りる事も考えたが、彼は華子嬢と手紙のやり取りをしていると以前聞いた事があったので、筆跡が違うと怪しまれるだろう。
 何しろ郵便物は使用人の目に触れる。片桐家の現在の様子は分からないが、矢張りこの場合は「親展」にして女の名前と文字で書く方が確実に彼女の手に渡るだろう。
 一番早くすべき事は華子嬢を仲介して絢子様に連絡を取る事だ。 
 三條と華子嬢がどの程度の会っているかは分からないが、内輪とは言え婚約者同士という間柄なので、電話だけでも連絡を取っている可能性は高い。そちらからも状況は掴める筈だ。
 三條と華子嬢の縁談だが、自分と片桐の仲が社交界で噂になったと仮定しても破談になる可能性は低いと判断した。 三條は自分と違って三條家内部でかなりの発言力を持って居る。自分と片桐との関係を知って彼女に求婚したのだから、本人の意思は固い筈だ。二人の気持ちが変わらないのであれば、三條の御両親もむげには反対出来ないくらいの力を三條は持って居る。
 自分と片桐の醜関係が社交界全体に広がれば三條の御両親は反対をする可能性は有るが、彼はそれを跳ね返すことは可能だろう。
 ただ、この問題は自分の家だけでなく、片桐の家もおおっぴらに社交界には言いふらさないのではないかと予想はつく。
 そんな事を考えて居る間にシズさんは綺麗な女文字で華子嬢への手紙の上書きをしてくれた。彼女の苗字も由緒の有る士族の名前だ。学習院女子部に在籍していても不自然では無い苗字なのが有り難い。
「もし、直接御返事が戴けない場合は、わたくし宛に御手紙を配達して下さるようにお願いしてみても宜しいでしょうか」
 シズさんは真剣な顔をしている。
「厚意は有難いが…大丈夫だろうか。父上母上やマサもし露見した場合、シズさんに迷惑が掛かる」
「その点はお気になさらないで下さいませ。せめてもの恩返しですから。それに上手く誤魔化せますわ。私も手紙が来ないわけでもありませんし」
 手紙を袱紗に包んで丁寧に帯に挟み、一礼して彼女は部屋を出て行った。




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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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