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「がんじがらめの愛」5章-9

 片桐に手紙を書く事も考えたが、彼があの様な覚悟を決めた書簡を自分の家に寄越したという事は、彼なりの決意が有ったに違いない。
 こちらで出来るだけ動いてみて、ある程度の目途が付いた時点で報告する方が彼の負担にはならないのではないかと考えた。
 彼も今は懊悩しているに違いない。お父上の容態の事も懸念される。これ以上の負担を掛けさせるわけにはいかない。 自分が今の心情を綴った手紙を書く事で、一層の負担になる様な気がしてならない。
 片桐家の様子が知りたかった。また、父上が片桐家に抗議すると言っていた点も大変危惧される。本当に父上は手紙をしたためるのだろうか。
 今朝の母上の様子から考えると両親の怒りは深そうだ。書く可能性は高い。そうなれば、片桐の病気の父上もお怒りになるだろうし、御母上もご立腹なさるだろう。
 彼も廃嫡の危機に晒される。片桐の父上の御容態がお悪い上に、息子の不適切な行動を御知りになれば、容態の悪化も懸念される。片桐も心痛が増える上に親族からの指弾に耐えなければならない。
 要は、父上が片桐家への手紙を書かなければいいのだが…と思った。
 シズさんが外出したからだろうか、マサが昼食を持ってやって来た。どうやら余り使用人を近付かせない様に厳重に命令されているらしく、珍しく彼女1人だった。
 部屋の掃除が行き届いていない事を知られるのは良くないと考え、扉の外で昼食を受け取った。
「父上や母上は御立腹だろうか」
 立ったまま、マサを見下ろして探りを入れてみる。
「それはそれはお怒りで御座いますよ。マサも晃彦様があのような人間と親密にお付き合いなさるお気持ちは全く理解出来かねます」
 マサの気持ちなど関係ない。そうは思ったが口には出さなかった。
「父上は片桐家に抗議の書簡を出されると聞いた。それは直ぐにお書きになるだろうか」
 返事は期待していなかったが、マサは得意そうな顔をして伝えてくれた。
「畏れ多くも陛下の御容態が回復なさったので、この間のお詫びを兼ねて内輪だけの晩餐会が宮城で催されます。その御招待状を戴く栄誉に恵まれました。ですから、当分はその準備にかかりきりに成られると思いますわ」
 心底、安堵した。数日間は時間が稼げる。自分は謹慎している振りをして、信頼出来る人間だけで事態を改善するしかない。
「そうか、有り難う。下がってくれ」
 命令口調で言った。マサには優しくする気には到底成れない。
 宮城での非公式の晩餐会ともなると、何を着ていくべきかなど、出席者の間で相談する事も多い。特に女性の場合には皇后陛下のお召し物の色を調べ、重ならない様にするなど色々な気配りが必要だと以前三條だったかに聞いた事がある。そちらの方で父母は当分の間忙殺されるに違いない。
 華子嬢が行動して呉れて、絢子様が動いて下されば良いがと切に願った。絢子様がどの程度まで御協力下さるのか、それも不安だったが。





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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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