スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「がんじがらめの愛」5章-11

 二人にお礼と依頼の手紙を書いた後、ベランダへと出た。片桐が登ってきた木を眺めながら、片桐の苦悩をどうにかして紛らわせたいものだと思う。自分が行動出来なくなる事がこんなに辛いとは思ってもみなかった。
 自分の部屋にも片桐は入ったが、それ以後の展開を思い出してしまうので、片桐の事を想うのはベランダの方が相応しいと思った。行儀悪く肘を付きながら片桐の屋敷の方向をずっと眺めていた。
 自分の想いが少しでも彼に届く様に、少しでも彼の苦悩が晴れる様にと祈る気持ちだった。
 朝が来て、無理やり朝食を摂った。その後、シズさんが掃除に来るのをひたすらに待った。
 彼女が一礼して入って来たのを見て、矢継ぎ早に質問する。
 掃除をテキパキとこなしながら彼女は答えた。
「まず、片桐邸に参りました。丁度、華子様は学校から帰られたところでした。私の手紙をご覧になると、自室にお招きに下さり、お茶とお菓子を用意させると、電話室に赴かれました。その後、加藤様に宜しくと私の目の前で御手紙をお書きになられました。御親友に相談の電話をするので、『少しは安心してお待ちください。そしてこの方が持参される御手紙は私が受け取る事に致しますので直筆で大丈夫ですわ』と晃彦様にお伝え下さいとの事でございます。
 その後三條邸に参りましたが、三條様は華子様からのご連絡を受けていらしたのでしょうか」 
 そこで彼女は少し腑に落ちない顔をした。
「ああ、あのお二人は内々の婚約者だ」
 シズさんが知らなくても無理はない。まだ知っている人間の方が少ないだろう。
「左様でございましたか。ですからあんなにも早くご連絡出来たのですね。片桐様に良く似た可憐な令嬢で御座いますね。お人形様のようなお二人で御座いました。
 そして、用意された手紙を渡して下さった上に、心づけまで戴きました。戴いて宜しいのでしょうか」
 流石は三條だ。女中にもお金を渡すなど、咄嗟に出来る事では無い。と、同時に自分は何もしていない事に気付く。「すまない。シズさんにはこれ程親身になって貰っているのに、気が回らなくて」
 そう言ってお金を保存している鍵の掛かった引き出しに手をかける。
「その様なお気遣いは無用で御座います。私はただご恩返しをさせて戴いているだけで御座いますから」
「気持ちだけでも受け取って欲しい」
 そう言って、彼女の心の負担にならない金額を考えた。それを夕食時に皿の下に忍ばせようと思った。
「はい、では、気持ちだけ有り難く承ります。三條様もお心当たりがお有りのようでした。『あまり心配するな』と伝えてくださいとの事で」
「有り難う。今日も外出出来るだろうか」
「はい、実は叔母が病気になったので、夕方、見舞いに行くお許しをマサさんから戴きました」
「重ね重ねすまないが、今日も文使いを頼む」
「承知いたしました」
 彼女が掃除を終えると手紙を渡す。彼女は丁重に受け取った。
 ――片桐の精神状態が気掛かりでならない――




ブログランキングに参加させて戴いています。宜しければクリックお待ちしております~!とってもとっても励みになります!!!コメントも熱烈歓迎中です!!!
 ポチっとお願い致します!!!

スポンサーサイト

テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメント

非公開コメント

プロフィール

こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

FC2ブログランキング
ランキングに参加させて戴いております。ご訪問の際ポチっと。とっても喜びます!!

FC2Blog Ranking

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。