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「がんじがらめの愛」5章-13

 母が出て行ってから安楽椅子に座り込み考え込んだ。 
 今の自分は片桐の事しか考えられないが、両親がお見合いを想定している事は想像に難くない。先方に気に入られでもしたら、相当に厄介な事になる。礼を失する事なく、嫌われるしかないが相当難しい。それでもそうする他に道は無かった。
 ただ、一つの救いが有るとすれば、柳原伯爵邸を訪問する事を許した父母の態度だ。
 現在、廃嫡が決定されていたならば、父母は断るだろう。家格が違う家柄からの縁談は断るのは難しい上に、嫡男である自分に柳原伯爵は御令嬢とやらのお話――あくまでも父母の誤解でなかったらだが――を持って来た筈だ。廃嫡した華族男子にご令嬢を嫁がせるような奇特な華族はそうは居ないだろう。しかも柳原伯爵は特別な御家柄だ。
 自分の事は謹慎させて様子見と言ったところだろうか。
 片桐への愛が得られるならば、別に華族の称号は欲しくは無かったが、今の状況ではまだ、屋敷に居る他は無い。高校は今から休み続けても単位は充分取って有る上、欠席日数も足りているので卒業は出来る。問題はその後だ。
 廃嫡されても、生活をするにはやはり大学を出ていた方が望ましい。片桐がどういう選択をするのかは分からないが、彼も廃嫡覚悟の様だ。そうなれば矢張り帝大を出て丸の内の企業に就職をしなければ、生活出来ないだろう。帝大に入ってからは自分が苦学生となって働く分には構わないが、それまでは住む場所が無い。高校を卒業するまでは、この屋敷に留まる他は無かった。
 しかし、柳原伯爵の令嬢とお見合いをしてしまうのも考え物だった。一回で気に入られてしまったら両親は是非ともこの話を強引に進めようとするだろうし、今以上の抵抗が必要だ。
 気に入られない様にしなければ…と。
 片桐の笑顔が見たいと痛切に思った。あの笑顔があれば自分は何でも出来るだろう。片桐と引き離された時に彼が見せたあのような瞳は、二度と見たくはない。出来るなら自分の傍で笑っていて欲しかった、永遠に。彼には悄然とした態度は似合わないし、させたくない。
 そのためには、今自分が出来る事を一つずつ片付けて行く事だと自分に言い聞かせた。
 彼は今、何を考えているのだろうか。そして、自分との未来を考えて居てくれるのだろうかと思った。
 潔い彼の事だ。自責の念に駆られては居ないかと案じられた。自分を責めて神経衰弱に罹る前に、問題を解決しなければと切実に思った。
 シズさんには片桐邸と三條邸に行って貰っている。彼女の持ち帰って来る筈の手紙を早く読みたかった。
 絢子様は果たして動いて下さるのだろうか。そればかりが案じられる。最も影響力の有るお方と言えば、内親王でいらっしゃるあの方なのだから。



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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

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素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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