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「がんじがらめの愛」5章-23

 柳原嬢も流麗な文字で手紙を書いて下さっていた。
――片桐様の事で即刻宮城へ家令を走らせました。この様な事を書くのは憚られますが、皇后陛下に申し上げるお役目には、俗に申します小姑の絢子様の方が適任かと思いました。絢子様と皇后陛下はお親しいと伺っておりますし。ですから本日、絢子様に「加藤様がお会いになりたがっていらっしゃる」とお伝えしましたところ、「今日にでも招待状を出す」とのお言葉で御座いました。ある程度の事はご存知でいらっしゃいますのでこのように早いご招待になったのだと拝察致します。――
 明日なら都合が良い。明後日は片桐に逢いに行くのだから。
 確かに皇后陛下に内々に申し上げるのは絢子様の方が適任だろう。天皇陛下御生母でいらっしゃる柳原様は、万事がおっとりとした方でそれ程の勢力はお持ちで無いと仄聞している。今上陛下ご生母である方のお手を煩わせるのも畏れ多い。しかし絢子様は自由闊達でいらっしゃる。その上、自分達の関係までもご存知だ。その御方がこれ程早くお動きになられるとは予想外だったが、畏れ多い事ではあるが都合は良い。
 皇后陛下は出自こそ公家華族だが、御一新前は丈夫に御育てするとの名目で豪農の元に預けられていらっしゃったせいか、人の気持ちをくみ取る事の出来る素晴らしい方だと誰からか聞いた事が有る。
 そんな事を考えていると、マサの声が扉の外から響いた。慌てて手紙を仕舞い、入室を促した。入って来たのはマサではなく母だった。
 興奮した様子で少し頬が上気している。紅い唇が興奮のせいか少し震えている。
「ただ今、宮城から御使者がいらっしゃいました。絢子様から晃彦様にとのご招待状だそうです。勿論参内されますわよね」
 意外そうな顔を取り繕って言った。
「ご招待状ですか…絢子様とは確かに面識はありますが、招待される理由が分かりません。それに宮城では内内の晩餐会が近い内に催される筈です。何時、参れば宜しいのでしょうか」
「それが、明日という事なのですわ。確かに明後日は宮城の晩餐会ですが、畏れ多くも絢子様のようなご身分の方はそれ程準備が大変では御座いませんのよ。理由は分かりかねますが…ただ、名誉な事ですのでよもや晃彦様もお断りにはならないでしょうね」
 母の眉が釣り上がった。
「はい、では参ります。理由はご存知でいらっしゃいますか」
「いいえ、こう申しては何ですが、高貴な方の気まぐれではないかと畏れ多くも拝察します。でも、我が家にも名誉な事には間違いは御座いません」
 母は着る物の指図をすると、父上もお喜びでいらっしゃいますとの言葉を残して慌しく部屋を出て行った。
 母も宮城での晩餐会の用意で忙しいのだろう。その上、息子までが御皇族の招待を受けたので興奮状態のようだった。これなら明後日、自分が屋敷を抜け出す計画を立てている事には気付かないだろう。
 片桐と自分の為に絢子様がどれだけお力をお貸しくださるかが心配だった。ただ、悪い方には向かって居ない事だけは確かだ。



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素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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