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がんじがらめの愛6-4

 彼の心持ち小さな応接室で向かい合って食事を取った。 
 夕食用に用意された物は華子嬢の気遣いからか二人分だった。自分が夕食を摂らずに屋敷を抜け出すだろう事への配慮だろう。彼女の相手に対する細やかな気遣いは賞賛に値する。
 彼女を妻に出来る三條は果報者だと思った。本来ならば、内内とは言え婚約者なのだから三條と共に宮城での晩餐会に出席しても何ら差し支えが無かった筈だ。この行事は大変名誉な事なので喜ぶ人間の方がこの世界には多い。それにも関わらず、彼女は兄が心配だからと屋敷に残って呉れた。しかも、自分は表に出ず――きっと何か不測の事態でも起これば彼女は母親代理を務めて呉れるのだろう――片桐の母は、看病担当の使用人や出入りの医師が行うとは言え、病床に付いている筈なのだから、言わば片桐と同じ様に、この屋敷を守っているのだろう。
 片桐と華子嬢は似ているが、片桐の方が意外と精神に脆いところが有る。――そうでなければ、片桐にこんな感情を抱かなかったかもしれないが――
 玉蜀黍のソップやオムレットやステーキ…そして片桐に配慮したのか、お粥や出し巻き卵などが並んでいた
 和食と洋食の混じった香りが部屋中に立ちこめる。
 片桐は、箸を取り出し巻き卵を切ったものの、口に運ぶ事は無かった。
(やはり深刻だ)
 内心溜息を吐いた。
 自分の分の出し巻き卵を箸で切って、彼の口元に持って行く。
 真っ先に箸を付けるくらいなので嫌いなものではないはずだ。
 尤も自分達には嫌いな物を作らせないような躾はされてはいるが。
 片桐は反射的に口を開き、差し出された物を口の中に入れた。
「良く噛んで食べろ」
 食べている最中に言葉を発してはいけないのがマナァだ。片桐は頷き、ゆっくりと咀嚼してから白皙の顔を少し紅くして抗議した。
「こんな扱いを受けたのは初めてだ。食事くらい自分で食べられる」
 やっと、本来の彼らしさがほんの少し戻って来た様で嬉しかった。
「そうか。ならば自分で食べてくれ。俺はお前に口移しでも食べて貰いたいと思って居る」
 強がっても、今まで食物を受け付けて居なかった片桐は、やはり箸やスプーンが止まる。その度ごとに、自分の箸やスプーンで食物を彼の口に運んだ。
 一番滋養になるものは…と乏しい知識で考えたが、ステーキだろう。しかし、片桐はずっと食事をしていないと聞いている。そんな人間にステーキを食べさせて良いものなのだろうかと考えた。片桐の胃の負担に成らなければ良いと判断し、自分が咀嚼した牛肉を口腔に入れて、片桐に近付いた。
 怪訝そうに顔を上げる片桐の唇を開かせ、肉を舌で押し込んだ。
 片桐は心持ち頬を上気させ、牛肉を飲み込んだ。
喉の動きが艶かしい。その動きに見入っていると、どんな口調で話したらいいのか分からないと言いたいげな抗議の言葉が聞こえた。







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この小説は設定上、やんごとなき方が多数出て参りますが、誹謗・中傷の意図は全くなく、あくまでもフィクションであることをご了承下されば、大変有り難いです。



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この小説(←なのか?)、途中でブロットを変更したり、分量を少なくしたりした結果、本当は5章で終る筈だったのが、6章まで行ってしまいました。こうなったからには、開き直って当初のブロットの「決」までゆっくりと書く積もりです。お付き合い下さればとても嬉しいです。
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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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