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がんじがらめの愛6-5

「だから、自分で食べられると…」
「しかし、一番滋養の有る牛肉は手を付けてなかった」
 痛い所を突かれたかれたように片桐は黙り込む。
 自分の分の夕食を終えて、片桐の分を見るとそれなりには食べている様だった。
 ――あまり大量の食物を胃に入れるのも良くない――
 そう判断し、自分の椅子を立ち、片桐の横に座った。彼ももう食事をする気にはなれないらしい。
 それよりも、食事中、ずっと気に掛かっていた事がある。
「お前、いつからだ、その手の震え」
 箸やフォークを持つ時以外ずっと両手の指が震えて居た。それも、緊張で手が震えるという程度のものでは無い。
「ああ、これか…あの晩からだ」
 そう言って、片桐はキリスト教徒の祈りの形に自分の両手を組み合わせた。そうすると少しはましにはなったが、指全部が小刻みに震えて居る。
 ――あの晩…というと屋敷から追い出された日からか――
 自分の両手を片桐の両手に重ねる。片桐が自分の肩に頭を凭せかけてきた。
 二人してじっとしていると、徐々に片桐の手の震えは治まって来た。
「ほら、もう大丈夫だ。これからは…」
 顔を覗き込むと、青い顔に脂汗が滴っている。
「大丈夫か」
「そう尋ねると、多分貧血だ。医師が言っていた。食物を大量に食べたらこうなると」
 片桐の寝室は知っているので予め扉を開け、電灯を着けて内部の様子を見た。女中の手で綺麗に寝台が片付けられて居た。
 抱き上げて寝室まで運ぶ。扉を開けたままにしておいたのはそのせいだ。自分1人では片桐を横抱きにしたまま、扉は開けることが出来ない。
 華子嬢の厳命でもあったのだろうか片桐の部屋には使用人が来ない。それは有り難いことだった。抱き上げると、以前学校で抱き上げた事を思い出す。それよりも軽くなっている事に、今更ながら自責の念に駆られる。
 ベッドに片桐を下ろすと、勢い余って自分もベッドに倒れこんだ。片桐の顔色を良く見ようと顔を近づけた。すると、片桐は瞳を閉じて、右手を唇に当てた。この動作が何を求めているか充分過ぎる程知っている。
 彼の唇を恭しく吸い上げてから、唇の合わせ目から舌を忍び込ませる。彼も同じく舌を絡ませて来る。歯列をなぞり、上顎を愛撫してから名残惜しげに唇を離した。
 改めて彼の顔を見ると、青い顔をしていたが脂汗は治まっていた。片桐は部屋着とはいえ、平民階級から見れば外出着に相当するものを身に着けている。
 ベルトが一番身体を締め付けるだろうと外した。そして、再び片桐の顔を覗き込んだ。
 やつれていないか確かめるために。
 すると、片桐は、首を持ち上げ耳元で囁いてくれた。
「しないのか」
 彼の瞳が物問いたげに揺れていた。


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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