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がんじがらめの愛6-17

 主人の趣味だろうか、日本間に案内された。案内してきた女中は一礼して引き下がった。
 障子の前に正座した片桐に倣い、自分も正座する。
「父上、参りました」
 片桐が硬い声で言った。
「入れ」と言う声は、少しは呂律が回って居なかったが、十分意味は取れる言葉だった。
 片桐は作法通りに障子を開けている。その指がまた震えて居た。
 主人の病間なので布団が敷いてあるのかと思っていたが、布団は無く畳に正座した端整な男性が居た。どこと無く片桐に似ているが、もっと芯の強そうな感じの父上だった。
「初めてお目通り致します。片桐君の友人で加藤晃彦と申します」
 礼を失することの無いように、障子を開いても入らず、室外から挨拶をした。日本間だと分かって居れば、扇子も持って来たのにと思いながら。
「御存知だとは思うが、今は病気のせいで口が回らない。それだけは許して欲しい。部屋に入って障子を閉めてくれ」
 挨拶を鷹揚に聞くと、片桐伯爵は自分の事を説明した後に、視線を片桐の方に向けて指図した。
 許しを得て室内に入り、言葉を続ける
「存じ上げて居ります。病床に伏していらっしゃる最中に前触れなしの訪問をお許し下さい」
 正座をして頭を下げながら申し上げた。座布団は敷いて有ったが、それには座らなかった。それが和室での作法だ。
「我が愚息と学友だそうだな。ただ、そちらの家と我が家では過去の確執が有った事は存じているはず」
 自分に当てられる視線はあくまでも厳しかった。もとより覚悟の上だったが。
 伯爵の口調は明瞭では無かったが充分聞き取れるものだった。
「それにも関わらず、我が家を訪問するとはいかなるお気持ちからか」
 覚悟を決めて申し上げる。
「実は、片桐君とはそういった確執を超えて、惹かれてしまいました。勿論悩みましたが、全てを覚悟の上で、私がその気持ちを彼に話したところ、私の強引さのせいで彼も私の気持ちに応えてくれました。彼に非は無く、全てが私の責任です」
 頭を下げて居るのため、片桐伯爵がどの様な表情を浮かべているのかは分からなかった。
 自分の言葉を遮って片桐が言った。
「いえ、私が勝手に加藤君に懸想していたのです。彼に非は有りません」
 隣に正座している片桐の手を見ると震えていなかった。余程覚悟を決めているのだろうか。
「…つまり、二人は道ならぬ恋をして居るということか」
 数分間の沈黙の後、伯爵は口を開いた。
「はい、その通りです。しかし、片桐君に非は有りません。
 ただ、先日二人で逢って居たところを我が家の両親に気付かれたのです。数日中に抗議の書簡が届く筈ですので、その前に申し開きをしたく思い、押して参上致しました」
 心を込めて申し上げた。伯爵も目の力は強かった。多分自分も同じような目をしているだろうと思った。思っている事は正反対だろうが。

「父上、加藤君はこう言って居ますが、罪は私にこそ有ります。廃嫡は覚悟の上です」
 片桐は静謐とでも表現されるような口調で断言した。彼の静かな覚悟が伝わって来る。
 伯爵は暫く黙り込んだ。
 自分の心臓の音がやけに大きく聞こえた。





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 現在、リアル生活で多忙を極めていますので、リコメが滞っていることをお許しくださいませ。
 もう少しで、時間に余裕が出来るようになりますので…その時(7月に入ってからになりますが)一気にリコメさせて頂きます。応援や感想コメは大変嬉しいのですが、本当に仕事が忙しく、体調も優れないので、リコメが遅れることをご理解戴ければと思います。
 小説ももしかしたら、体調と仕事を考えてお休みするかも知れない状況になって、アワアワしています。楽しみにして下さっている読者様がいらっしゃる以上は、出来るだけ毎日更新を心がけたいと思っていますが、不可能な場合も有り得る可能性は否定出来ないところが辛いです…
なるべく毎日更新を心がけますので、どうか宜しくお願い致します。

しかし!今度はパソコンの調子が悪く、エラーメッセージが起動時やワードで作業中に出るようになりました(TT)なにやらハードディスクに問題がある…と英語で書いてあるみたいです。
イキナリ壊れることも予想されますので、←とことん、ついてないですぅ。今は、書き溜めた小説をヤフーのメールに移している最中です。もし、このパソコンが壊れたら、ネット生活に多大な影響が出るので…またまた困ったことになりました…。



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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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