スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

がんじがらめの愛7-20

 女中が先導し、二人して廊下を歩く。マナァ通りだと客人である自分が先に歩くのだが、片桐の近くに居たい一心で並んで歩いた。本当は案じているに違いない片桐の手を握り締めたかったが、使用人の目も有るのでそれは出来ない。
 以前案内された片桐伯爵の私室ではなく、主人用の応接室に通された。
 冷たい飲み物と季節感の有る御菓子が用意されている。片桐伯爵は流石にお疲れになっていらっしゃる様子だった。夫人も顔色が優れない。
 案じていた通り、自分達が退出申し上げた後に何か有ったらしい。
 着席を許されるまで、二人して立ったまま視線を交わす。色恋沙汰には鈍感な片桐だが、こういう事には敏い。しかし、今の状況なら誰でもそう思うだろうとは思う…彼の顔も強張って居た。
 着席が許されると、並んで座った。開口一番、片桐が申し上げた。
「あの後、何か有りましたか」
 そっと彼の様子を窺うと指が震えて居る。良くない兆候だと思った。
「疲れたので、母上から聞きなさい」
 そう仰って、本当に疲れた様子で目を閉じられた。重病人にはさぞかし辛い一日だっただろうと拝察してしまう。
 片桐の母上は宮城にいらしたが、ご自分からは発言をなさらなかった。片桐の性格はこの御母堂に由来するのだろう。

「では、申し上げにくい事を申し上げますね。御二人が出て行かれた後、陛下と絢子様は御予定が御有りになられるので席を外されました。その後は…加藤様には申し上げにくい事ですが、加藤伯爵夫人が私達の愚息のせいでこのような事態に成ったと一方的に仰られて。我が家にも抗議の書簡を遣わしたのに、弁明の手紙を出さないのはどういう事かと御立腹のようでしたが…。我が家にはそのような書簡は届いておりませんし…正直何と申し上げて良いものかと二人して加藤伯爵夫人の立て板に水の抗議をお聞きするしか有りませんでした」
 抗議の手紙…それは自分がシズさんに頼んで、片桐家に届かないようにしたものだろう。それに母の自分勝手な性格は良く分かっている。陛下に盾突くことはよもや無いだろうが、社交界の席などで、片桐夫人に嫌がらせをしかねない。
「私の不徳の致すところです。確かに片桐君には特別な気持ちを持って居ます。しかし、懸想したのは私からで、彼は其れに応えてくれただけです」
 もう、こうなれば差し障りの無い話はしておくべきだろうと思った。
「それは主人から聞いて居ります。こう申しては失礼ですが、愚息が精神的に不安定に成る位、加藤様の事を気にかけて居たのは存じております。愚息は加藤様無しでは生きていく事が出来ないのでしたら、二人の仲を認めるしか方法はございません。
 どうか、愚息の事を頼みます」
 そう仰り、椅子から立ち上がり西洋式のお辞儀をなさった。
 矢張り、自分の家族が問題だと…そう思った。手紙のことを失念していたのが悔やまれるが、陛下の御仲裁があれば、父母も引き下がるのではないかという読みがあったので手紙を隠した。しかし、それは逆効果だった様だ。
「とにかく屋敷に戻り、父母と話してみます」
 決意を込めて言うと、片桐は儚げな微笑を浮かべた顔で自分を見つめていた。指が小刻みに動いていた。





_____________


 日本ブログ村に登録しております。応援しても良いと思われる方、お手数ですが、下記画像をクリックして30秒程お待ち下さい。。何か、ヤフーブログは、ポイントが入るのが他のブログよりも遅いので…。我が儘を申しますが、何卒よしなにお願い致します。


_________________



なお、この小説(もどき)は下記リンクから始まっています。長いですが、読んでやろう!という方、管理人は大喜び致します。お暇な時で仕方のない時にでも是非!!
 読み逃げOK、ブログ村クリック大歓迎でございます。
しかし、小説の感想コメ(私のブログは何故か感想コメが内緒で入ります(笑い))も物凄く嬉しいので、リコメを長くお待ち戴くことにはなりますが、感想コメも熱烈受付中です。











★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★







 リアル生活、いよいよ忙しくなってきておりますぅ、毎日更新を目指しますが、力尽きるかもです。特に再来週が地獄の勤務です><
仕事、考えてた以上に多忙です><






今度、全日オフになるのはお盆明け(←遠い目)
少し、更新の方をお休みするかもしれませんが、どうかご了承くださいませ…
















スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

FC2ブログランキング
ランキングに参加させて戴いております。ご訪問の際ポチっと。とっても喜びます!!

FC2Blog Ranking

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。