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がんじがらめの愛 最終章ー4

 帰路は知らず知らずの内に足取りが遅くなる。母が鮎川公爵の諭しをもし聞いてくれなかったら…などと考えてしまう。
 鮎川公爵の夜会に招待されなければ、この世界では肩身が狭くなるというのは常識らしいので、説得に納得する振りはするだろうが、自分や片桐家に対して風当たりが強く成る事も予想されるので自然に吐息が零れる。
 自分や片桐は一月程で日本を離れるから良いようなものの、片桐家の御両親は日本に留まる。母が他人には悟られずに意地悪をするかも知れないと思うと憂鬱になる。
 門まで来ると、明かりが落とされていた。御客様が帰り、主人夫婦が休んでいるという意味だ。
 門番に門を開けて貰い、玄関まで歩く。今日叱咤されるか、それとも明日か…と暗い気分になる。
 玄関の扉を開けてくれたのは若い女中ではなく、マサだった。彼女には恨みがあるのでついつい素っ気無くしてしまう。
「御帰りなさいませ。晃彦様。奥様が御自室でお待ちでいらっしゃいます」
 彼女は無表情にそう言った。母がどんな様子でいるか聞きたかったが、彼女とは余計な口を利く気には成れない。今聞いておかなくても、直ぐに分かることでも有るので尚更だった。
 頷きだけで返事をすると、彼女は母の部屋に先導した。部屋着に着替えている時間も無いという事かと苦笑が漏れる。
 母の部屋に入ると、部屋着の母は苛苛した様子で自分を出迎えた。マサも当然、入室しようとする。
「母上、今から大事なお話があるので、マサを下がらせて下さい」
 決然と言い切ると、母は呆気に取られた顔はしたものの、視線でマサを下がらせた。
「随分遅いご帰宅ですわね、晃彦さん。学校に行ってから、片桐邸にいらっしゃったのでしょうね」
 その口調に違和感を覚える。激怒しているかと思っていたが、疲れ切った声だった。
「陛下や絢子様の前では取り乱しました。それは謝りますわ。そして、突然の留学話…その時は頭の中が混乱して『片桐伯爵家の全てが憎い』と思いましたのよ。晃彦さんは、今まで非の打ち所の無い自慢の息子でした。それがよりにもよって、片桐伯爵のご子息と道ならぬ恋をしているとお伺いして…きっと精神が一時的に錯乱してしまったでしょうね。
全ては片桐家の御子息のせいだと思う事で精神の均衡を取り戻そうとしていたのかも知れません。喩えは悪いですが、花嫁御寮に嫉妬する姑根性と同じではないかと思うようになりました。
 以前は、何でもわたくし達の申し上げる事もお聞きになって、その上加藤家の嫡子として非の打ち所の無い晃彦さんでしたのに、片桐家の令息との事ではわたくしどもの申し上げる事はお聞きにならず、あまつさえ、私達に反抗されるではありませんか。それできっと頭に血が上ったのでございましょうね。片桐家への中傷をしたのも私の大切な晃彦さんを取ってしまう片桐家の子息が妬ましかったのだと、本日、鮎川公爵に諭されて思いました」
 母の独白を遮る事無く聞いていた。このまま、話が変わらなければ自分にも片桐にも良い方向に行きそうな気がした。
「ですから、留学をなさい。皇后陛下の仰せになった通り、英吉利で学んで立派な加藤家の当主となられるように頑張っていらっしゃい。
 わたくしはもう、片桐夫人にも嫌がらせは致しません。本日、片桐家の皆様のご立派な振る舞いには心の底から感服いたしました。わたくしは心の底から自分の事が恥ずかしくなりましたのよ」
 母のしみじみとした述懐に、母にも葛藤が有った事を知って少しは理解出来る気がした。
 それよりも、留守中の片桐家への風当たりが無くなる事を心の底から安堵した。
「申し訳ありません。我が家には愛着を持っております。ただ、それよりも片桐君への想いが上回って仕舞った事はお詫びしますが、この想いだけは手放す事は考えられません。その点をご理解戴きたく思います」
 そう言って頭を下げた。心の底からの感謝の気持ちだった。
 母は嘘を付いておられないと表情から分かった。これで両家の確執は取り除かれるだろう。
 




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そろそろ終わりが見えて来ましたので(予定より延びました><…が、私の場合いつもそうです…)最終章は伏線回収した上で、きっちりと終らせたいと思いますが、トリ頭の管理人は伏線忘れてることも充分考えられるので、「この伏線はどうなっているんじゃ~!?」とご不審の方は、内緒コメでご指摘下されば幸いです。







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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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