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がんじがらめの愛 最終章ー9

 綺麗な表情も見て置きたかったが、それ以上の表情も見たくなる。

 恍惚とした顔や、忘我の境地に浸って居る顔など、片桐の表情が自然と脳裏に描き出される。
 しかし、今はその時で無いと判断して、常夜灯に映し出された彼の顔を凝視していた。
 視線を感じたのか、片桐はほんのりと表情を弛めて、こちらを見つめて来る。その表情は、かつて教室の窓から自分を見ていた彼の表情よりももっと奥まった気持ちを感じさせた。
 彼は、今日の件でかなり肩の荷が下りた様だった。その上、父上の御容態も憂慮すべき物では無いとの事、更には彼の念願だった英吉利に留学が決まった事に因るものだろうか。
 二人して寄り添って居ると、片桐はぽつんと言った。
「色々有ったが、晃彦と…無理だと予想していたにも関わらず…こういう関係に成れた上に、念願だった英吉利にまで晃彦と行けるなどというのは本当に夢の様だ」
 そう言って、彼はこめかみに接吻をしてくれた。華奢な指先で頭を掴んで。
 自分の髪の毛に彼の指が触れているという、ただそれだけの事が至上の幸せに感じて仕舞う。
 目を開けてみれば、彼の顔がすぐ近くに有る。その瞳を覗き込んだ。嬉しそうだったが、眠そうな表情も浮かべている。
 断腸の思いで、この幸せな時間を終らせる事を決意した。
 そっと彼の指を掴み、指先に口付けをしてから、敢えて事務的な声で言った。
「招待客の名簿を貰って帰る事にする。名残りは尽きないが…こうして居ると朝までずっと一緒に居たくなる」
 片桐も夢から覚めた様な顔をして、残念そうに頷いた。
「これからはもっと逢える様になるのだから、今日はこの辺で…オレも疲れた」
 笑顔は作ったが、明らかに無理に笑っている様な感じだった。
 自分だってもっと片桐とは一緒に居たい。しかし、屋敷を抜け出してきた手前おのずと限度が有る。
「眠れるのか」
 一番気に成って居た事を聞く。
「ああ、今日の出来事は目まぐるしかった上に、憧れだった倫敦に行ける、それも晃彦と二人で…。お陰様で先程から実は睡魔が襲ってきそうだった」
「そうか、それは良かった。名簿を取りに部屋に行って良いか。直ぐに退散する」
 きっぱり言うと、片桐は頷いて立ち上がった。
「いや、表門を開けておくように指示するから、晃彦は此処で待って居て欲しい。直ぐ戻るから」
 そう言って彼は俊敏な動作で東屋を立ち去った。
 今日見た、彼の吸引力の有る笑顔は、当分…いや一生かも知れない…脳裏に焼き付いて離れないだろう。彼の笑顔を思い返して居ると存外時間が経ったらしい。
 彼が足早に戻って来た。
「これが名簿だ。門まで送る」
 本来なら部屋着の彼がその様な事をするのはマナァ違反なのだが、今は一瞬でも良いので一緒に居たかった。
 義務感でも有る様な歩き方をする片桐の腕を掴んで引き戻す。そして、お休みの口付けを交わした。と言っても軽いものだったが。
「こういう事をされると、余計離れがたくなるから、部屋には入れたく無かった」
 そう呟く片桐の顔が妙にあどけなく見えた。彼は以前よりももっと多彩な表情を見せて呉れる様になったのが喜ばしい。








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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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