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がんじがらめの愛 最終章ー17

 その日からは目の回るような忙しさだった。旅券の発行や健康診断などは優先的にして貰える事には成ったが、それでもどうしても時間が掛かってしまう。荷物も膨大な量に上る。勉学に必要な物、そして向こうの社交界で必要な洋服の数々…、倫敦には有名な紳士服の店が有ると聞いていたが、大学に通いながらその店での一からの採寸は時間的に余裕が無い。片桐と話し合って日本で誂える事にした。送別会の事は三條に任せて後は閑却して過ごし、出席だけしようと思って居た。

 その後のホテル宿泊はとても楽しみだったが。
 
 自分の両親は「皇后陛下御声掛の英吉利留学」の噂が社交界に喧伝される様に成ってからは、今までの態度を一変させた。多分、社交界でも羨望の眼差しや賞賛に酔ってしまっているのではないかと思われる。片桐と逢う事も黙認状態ではあったが、認めてくれていた。片桐が自分の屋敷に来る事は無かったが。
 その片桐が電話を掛けて来た。
 マサが無表情な顔で取り次いだ。内心ではどう思って居るのかは分からないが。
「シズさんの件で話しが有るので、今日そちらにお邪魔しても構わないか」
 例の御見合いの話だと予想した。
「ああ、構わない。ただ、本当に来て呉れるのか…」
 片桐が最後にこの屋敷に来た時は二人の仲が露見してかなりの精神的打撃を受けた日だ。その日の事を思い出すのでは無いかと危惧した。実際、その後の彼は精神的にも追い詰められていたのだから。当時の事を思い返すと守れなかった自分に忸怩たるものを覚える。
「ああ、もう大丈夫だ。それにこういう話はシズさんと直接したい。晃彦も聞きたいと思って」
 彼の声は明るかった。シズさんの縁談が上手く運んでいるのだと直感した。
「そうか、ではシズさんに案内して貰うように玄関に待機させて置くので門番にそう伝えて呉れ。待ちわびて居るから」
「ああ、オレも晃彦に逢いたい」
 吐息に似た声で彼は言って電話を切った。
 毎日が忙しいが、充実感と幸福感を持った忙しさの為、そんなに苦痛では無かった。片桐と無理やり引き離された時の苦痛に比べればこの様な物は苦痛には感じられない程だ。
 シズさんを呼んで、片桐が来る事を伝えた。彼女は慎ましげな微笑を浮かべ、片桐の好意に感謝する旨を言ってから、彼が来た時の為に玄関先に向かった。彼女の事だから門番にも片桐が来た時には丁重に扱う様に指示をするだろうと思った。
 準備に追われて少し疲れた体を安楽椅子に沈める。暫く目を瞑っていようと思っていたらうたた寝をして仕舞ったらしい。シズさんの声に我に返った。
「片桐様のお見えで御座います。こちらにお通しして宜しいでしょうか」
 この部屋は、二人の仲が露見した部屋だ。その部屋に通して良い物かと躊躇した。
「片桐は何と言って居る」
「今は、重要なお客様をお待たせする待合室でお待ちになっていらっしゃいます。応接室よりも晃彦様のお部屋をお望みです」
 この言葉に、彼もあの悪夢の出来事が完全に過去の物に成ったのだろうかと思う。
「では、その様にしてくれないか」
「承りました。ではご案内を」
 そう彼女は言って部屋を出て行った。直ぐに片桐がシズさんと共に部屋に入って来た。
「晃彦、久しぶりの様に思える」
 彼の笑顔は何の屈託も無く、見ているこちらも幸せにして呉れる笑顔だった。シズさんが、遠慮がちに口を挟む。
「お茶のご用意を致して参ります。片桐様には申し訳御座いませんが、当家の厨房が一部壊れて居りまして、お茶の用意も時間が掛かってしまいます。15分程度でお運び出来ると存じますが」
 そんな話は聞いて居ない。シズさんがなるべく二人きりにしたいと思ったからこんな嘘を言ってくれるのだろうと思った。つまりは15分程度、シズさんがこの部屋には来ないと言う事だろう。シズさんが下がってから、彼の元に近付いて細い胴を抱き締めた。そして彼の唇を奪った。そっと目を開けて彼を見ると安堵と恍惚の表情を浮かべて居る。
「逢いたかった」
 唇を少し離して囁くと、彼も首に手を回し耳元で囁いた。
「オレも…だ」
 唇を挟み込む様に口付けたら、彼の方から唇を弛めた。次第に接吻が深く成って行く。吐息や舌で思いを伝える様に…。
 片桐は首に巻きつけた手を離し、外出用のシャツの釦を第三釦まで外した。
 以前から彼の鎖骨の上には自分が吸った後が花の様に咲いている。その紅の色が薄くなるのを彼は嫌って居る様だった。
 その紅に誘われる様にして鎖骨の上を強く吸引する。片桐は満足そうだった。
 その時、シズさんの遠慮がちの扉が叩く音がした。
 片桐は急いで釦を留めた。
 



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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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