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がんじがらめの愛 最終章ー18

 声を掛けて五分も経った頃だろうか、シズさんが静かに部屋に入って来る。勿論この様に主人を待たせる事を使用人はしない。シズさんは部屋で行われて居る事、それが具体的には分からなかったに違いないが、その現場に踏み込む無礼さを慮っての事に違いない。
 片桐は紅色の頬を冷ます為かシズさんから顔を背けて言った。
「晃彦、洗面台を借りたいのだが」
 快諾すると、静かにさり気無くシズさんと顔を合わせない様にと洗面台に消えた。
 シズさんは無表情ながらも、幽かに微笑を浮かべてお茶とお菓子の用意をして居る。
 片桐が前髪に水分を滴らせて戻って来た。顔を洗って来たに違いない。
 そんな様子を微笑ましく思って見て居ると、シズさんは自分の顔を見て微笑を深めた。
 片桐は、顔を洗って気を引き締めたのだろうか、いつもの表情に戻って居た。
「シズさんの経歴を先方に見せた。まずはシズさんの筆跡が達者な事、次に他人に仕える仕事をして居る事で先方は気に入って呉れた様だ。
『開業師なので時間の余裕が無く、御返事が遅れた事をお許し下さい。今のお仕事は、高貴な方にお仕えしてらっしゃいますが、もし、私と沿って下さるならば、付き合う相手は貧乏人ばかりになります。実際、家計は苦しいですし。それでも宜しければ一度会って下さいませんか。
勝手に決めて申し訳有りませんが、銀座のカフェ・インペリアルで明後日お会いしたいのですが』
との事だった。先方も忙しい身の上なので、もし急患が運ばれて来たら、シズさんは待ちぼうけになって仕舞う。だからカフェ・インペリアルはゆっくりと座って居ればいいので最適だと思う…シズさんはそれで良いかを確かめに来た」

 カフェ・インペリアルは銀座の有名な店だ。下手に座敷を取ると、もし先方が急に患者の容態が急変したり、急患が運ばれて来たりした場合、座敷でぽつんと待って居なくてはならない。その点、カフェなら1人でも時間は潰せるし、急患で手が離せない場合にも、店に電話を掛けると取り次いで貰えるだろう。それにカフェ・インペリアルはブラジル珈琲と洋菓子を食べさせて呉れる店だ。雨後の竹の子の様に出来た女給との出会いを楽しむいかがわしい場所では無い。
 相手の心遣いに好感を覚えた。
 シズさんも同様だった様で、頬を僅かに上気させて言った。
「私はその日は…お休みの日ではないのですが…」
「いや、構わない。休みを貰える様にマサにでも言って置く」
 マサは片桐の件では無表情だったが、自分が次期家長と成る事が正式に決まってから態度が微妙に変化した。自分の命令には黙って従う様に成っている。
 しかし、自分には片桐の件での遺恨が有るのでそうそう用事は頼まなかったが。
「で、何時だとの指定なのだ」
「三時には伺えると言って来た。」
「では、シズさん、もし、相手がどうしても嫌なら遠慮無く断って呉れ」
 力付けるように言うと、片桐もきっぱりと頷いて彼女に言った。
「シズさんには随分世話に成った。恩返しの積りで世話をしている。シズさんが幸福になって呉れる事だけを願っているので、嫌だと思った時には遠慮無くオレに行って欲しい」
 片桐も真剣な声で言う。
「分かりました。水曜日に会いに参ります」
 今の世の中では、一回の御見合いで婚約する例が多いと聞いて居る。先方は心配りの出来そうな男性なので是非とも纏まって欲しいと思った。
 きっと、片桐も同じ気持ちで居るに違いない。
「片桐、荷物は纏まったか?」
「ああ、もう少しだ…。晃彦は」
「こちらはまだまだだ」
「では、送別会には出席出来そうか」
「ああ、三條がどんな趣向を考えているかは分からないが、今度逢う時は送別会になるかも知れない」
 そう言うと、片桐は残念そうに目を伏せた。睫毛の長い事がはっきりと分かる。ただ、片桐も同じ準備で多忙なので、こちらの都合は分かって呉れた様だった。
 準備して居る最中は時間の流れが異様に早く感じた。片桐とは会っては居たが、それも短時間だった。
 送別会も楽しみだったが、その後の時間がもっと待ち遠しかった。




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☆仕事は山場を越えました~!!(TT)
ちょこちょこっとした仕事は入っているのですが、「このスケジュールだと…死ぬかも・・・」と思っていたのは(色々失敗もやらかしましたが)無事終りました!!

これからは、もう少しブログに時間が割けるので、リコメとか(でも小説の下のリコメ…、皆様がリアルタイムで入れてくださっているので><今しても無駄かなぁと思いますが、でもリコメ頑張ります。

この物語ももう数話で終わりです。お付き合いくださった方に感謝を込めて!!有り難う御座います~~!!


PS さっきのイキナリ電源切れて画面がオレンジになったのは一体何だったのか…壊れる前兆じゃないといいのですが><







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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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