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がんじがらめの愛 最終章ー22

 乾杯の為に立ち上がると、余計に集まって呉れた人達の様子が分かる。皆、正装をして自分達の留学を寿いでくれる様な笑顔だった。
 絢子様と鮎川公爵は着席する席が有るが、他は皆席が無く、立食でのスタイルの様だった。
 華子嬢と柳原嬢が仲良く同じ位置に居る事は確かめた。会釈を送る。柳原嬢はその会釈に気付いた様で、こちらにはにかんだ笑顔を返して呉れた。彼女は夏らしい花火の模様が描かれた紗の振袖たった。彼女は片桐にご執心なので、肘で突いて片桐の注意を促した。
 彼もその合図を分かったのだろう。彼女に笑いかけて居た。彼女は頬を幾分上気させ、片桐の笑顔に応えた。
 絢子様の御出席は、招待状を出したものの、期待はしていなかったので嬉しかった。
 自分達が主賓と言えども、絢子様や鮎川公爵にはこちらから挨拶しなければ失礼に当たる方達だ。勿論絢子様の方がご身分は上なので、片桐にそっと告げた。
「絢子様と鮎川公爵にご挨拶に行くぞ」
「ああ、オレそうすべきだと思って居た。行こうか」
 二人して立ち上がり、絢子様の席に向かった。彼女の今日のお召し物は紅色の洋装だった。和装もお似合いになる美貌でいらっしゃるが、洋装はかの方の魅力を余すところなく引き出している。控えめに開いた洋装にルビーとダイアモンドの首飾りが印象的だった。
「御招待戴いて有り難う」
 そう仰って意味有り気に微笑みになる。その笑顔が気になったが、片桐も同じだったらしい。
「ご出席戴きまして有り難う御座います。何か顔にでも付いていますか」
 遠まわしに探りを入れている。
「いいえ、片桐様のお顔の事では御座いませんわ。実はわたくし……」
 言葉を切って顔を近づける様にと扇子を優雅に動かしに成り合図をなさった。
 二人して、顔を近づける。
「わたくしの紹介の人が参りましたでしょう。その時にこう申し付けて置きましたの。『御二人が別々の船室をどうしてもお望みなら知らせる様に』と。御二人の関係に割り込める隙があるのでは無いかと、よもやそんな事は有るまいとは思いましたが…矢張り同室なのですね。御二人の関係には割り込めない事が充分に分かりましたのよ。
ちなみに、二人部屋しか空いて居ないと言うのも方便ですわ」
悪戯っぽくお笑いに成った。
だから、あの時男は書類に何かを書き込んでいたのだとようやく合点する。
「ご要望に沿えず申し訳有りません。でも私は彼と生きていく積りで居りますから」
 片桐が真摯な口調で断言してくれた。
「ええ、それは分かって居りますわ。それにまだ公には成って居りませんが、わたくしも縁付く事に成りましたのよ。お相手は良く存じている御方で先先代の帝の親王様です。新たな宮家を創設して、わたくしと釣り合う御縁にするべく、廻りの者が動いて居りますわ。今の世情を考えると幸せな事ですわ。植民地に嫁がされる事も覚悟して居りましたから」
 華やかな笑顔を向けられる。
「それは、御目出度いことで御座います。どうかお幸せに御成りに成ることを海の向こうから祈って居ります」
 片桐がそう言うと綾子様はふと親身な微笑を浮かべ、
「貴方達も大変な時代に留学成されるのですから、世界の事を良く学んで、…わたくしのような立場の人間がこのような事を申してしまうのは気が引けますが、御二人が末永くお暮らしに成る事を考えてくださいませね」
 しみじみとした口調で仰った。
「有り難う御座います」
 二人して頭を下げた。
 それを潮に、鮎川公爵の下に近付く。
「この度はご出席忝く思っております」
 そう声を掛けると、公爵は磊落な笑みを浮かべた。
「いやいや、いつもは年が同じ位の集まりしか出席する機会が無いのでワシは満足しておるよ。若い人間…特に若い令嬢を多数拝見する機縁となってワシも若返った気がする。新鮮で目新しく思って居る。この様な集まりに招待して呉れた事を光栄に思う」
 公爵は楽しそうに仰った。
 自分達の席に帰る時も、友人達が祝福の言葉を掛けて呉れる。
 三條がやって来て、人目に付かない所に誘った。
「こんな感じの送別会で良かったか。支配人に聞くと、ジャズの演奏も出来るとの事だったが、絢子様から出席するという御意向を伺って、クラシックにしてもらったのだが」
「派手過ぎるかと思っていたのだが、皆楽しそうなのでこれで良かったと考えて居る。片桐もそうだろう」
 視線を彼に向けると彼も頷いて居た。
「ここは丁度死角に成って居る。暫くは二人きりで休んで居るといい」
 そう言って慌しく立ち去った。主催者として色々な用事があるのだろうと思い、見送った。
「こんなに人数が集まるとは思って居なかった…お前は疲れて居ないか」
「オレは大丈夫だ…と思う…」
 笑顔で返される。そっと周囲を見回すと、死角に成って居るせいもあり自分達に注意を払っている人間は居ない様だった。
 一瞬、掠めるだけの接吻をした。彼も周囲を見渡し、口付けを深めた。
 彼の目蓋がほんのりと紅に染まっていた。目蓋の上気は、人混みに当てられた様にも見えるのでそうそうは気づかれない筈だ。
「そろそろ席に戻ろう」
 片桐は我に返ったように頷いた。

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今日は、不覚にも目覚めたら御飯食べたらまた眠くなる…の繰り返しで…殆ど寝てました。楽しみに訪問してくださったかた、スミマセン。
でも、まだ眠いので、訪問は明日にいたしますね。スミマセンです!!


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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