スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「純愛と妄執に揺れる心」第二章-3

 自分の机に座って本を読んでいるフリをしながら平野さんと平島のヤツの様子を窺った。
 平島は粘っこい視線を平野さんの胸に注いでいる。何だか、その視線には純一の理解を超えたヘンな光が浮かんでいる。
 平野さんは、耳元で囁かれている言葉を嫌々聞いているようだった。時々、純一の方に視線を当てる。「助けて欲しい」と切羽詰った必死さが痛々しい。平野さんは「ひまわり園」の入居者だ。それに直哉兄さんが平島のヤツのお兄さん――今は「少年院」に入っていると直哉兄さんが言っていた――に蹴られた時には体育館に案内してくれた恩人でもある。
 それに直哉兄さんも「ひまわり園」の仲間はさり気なく庇ってあげるように言っていた。
 平島のヤツは、平野さんの肩を押して教室から出て行った。そっと跡を付ける。
 小学校の周辺は小さな家、それも木造で屋根が傾いたりしていつ建てられたのかも定かでない家や、小さな町工場――何を作っているのか純一には想像も出来なかったが――がごちゃごちゃと立ち並んでいる。それに工場も閉鎖されてそのまま放置されている建物も多い。
 そんな廃屋になった工場もどこかしら入り口はある。というよりも、不良の溜まり場としてこっそりと入り口を作っているようだ。
 その中の一つに平野さんと平島のヤツが入って行った。気づかれないように中を覗きこむ。
 すると、平島のヤツの先輩の中学生だろう、小学生とは思えない体の大きなヤツや、取り巻きに違いない小学校で見た顔が数人、機械や工具が散らばった工場の中に居た。
 平野さんはソイツらに質素なブラウスを引き裂かれている。胸もブラをたくし上げられ露にされている。青い果実のような痛々しい胸だった。平島のヤツが平野さんの両胸を乱暴に揉んでいる。
「施設のヤツは、親に殴られないだけマシだろう?他人のお情けで生きてきているんだ。 なら、お情けを身体で返すのがスジってもんだろう?女は良いよな…一回やったら病み付きになるってよ…これが・・・サ」
 平島が確信を持った口調で平野さんに言っているが、平野さんはとても辛そうな顔をしていた。
 目つきが明らかにおかしい平島の兄貴分はヘラヘラと笑っている。直哉兄さんが以前教えてくれたシ○ナーか何かをしているような顔だった。その他にも、冷静な顔でビデオを回している多分中学生も居た。
 平野さんの白いスカートが捲り上げられた。施設で与えられている服は、篤志家が寄付してくれるものか、養護施設への国や東京都から与えられたものだ。
 スカートは多分篤志家が与えたものだろう。ちょっとお洒落なものだったが、下着は純一が着けているような実用一点張りのものだった。
「色気のないパンツだよな…レースでひらひらしている綺麗なパンツとか、もっと色気の有るヤツを穿いて来いよ…それに、胸だってビデオとは違うんだな…ビデオのお姉さんは尖っているのに…お前のは、胸のてっぺんが平べったいんだな…まあ、色は綺麗だが」
 平野さんは虚ろな表情を錆び付いた機械の方向に向けている。
「ナマダシするぜ?それとも二本のモノで可愛がられたいか?シオフキってのも見てみたいよな?みんな?」
 多分、○ンナーで頭がぶっ飛んでいるヤツが可笑しくて堪らないといった様子で大笑いしている。
 廃屋となった工場は広くて、中で何が行われても純一のように意図的に覗いている人間でもなければ誰も気づかないだろう。
「おい、ビデオは回っているが、そんな胸や全く色気のない下着だと高く買っては貰えないぞ」
 凶悪だが冷静な顔でビデオを持った中学生の不良が言った。
「おかしいよな?俺達がこっそり観たビデオだと、お姉さんが楽しそうにコレをしているのに…」
 心の底から不思議そうに平島のヤツが言った。
「まぁ、この子は初めてなんだろう…。初めてでそんな芸当はムリだ。仕方ない…無理やり何人かで突っ込むというのも…結構そそるヤツもいるから。初めての女の子にナマダシを無理やりいっぱいすればイイ。それに手で俺達のモノを嫌々奉仕させるのも…」
 平野さんが乱暴されるのは時間の問題だと純一は判断した。めまぐるしく考えをまとめる。学校に戻って藤田先生か、上島先生を呼ぶか、警察に届けるかだと、公衆電話で110番にかけるとお金がなくても繋がると直哉兄さんに聞いたことがある。
 そっとその場を離れようとした時に、背後から乱暴な手つきで肩を強く掴まれた。
 驚いて首をねじって掴んだヤツの顔を見た。確か、昔直哉兄さんがお腹を蹴られた時に居た平島の兄の仲間だった。
「おいおい、皆、頭に血が上っているのか?養護施設の仲間がこっそり見ているぜ。どうせ、誰かにチクる積もりだろう?そうなれば、俺達もヤバい。兄貴にもどやされる」
 純一はもがいたが、肩を掴まれた手の力はとても強い。
「そうですね…すみません。注意不足でした。兄貴に折檻されると半殺しかも…。
 おい、平野、お前はコイツに惚れてるんだろ?王子様が助けに来てくれたぜ?といっても、何も出来ない王子様のようだが」
 胸をいじりながら平島のヤツが冷酷な口調で言う。「兄貴」とは平島の実の兄さんではないだろう。直哉兄さんはソイツが少年院に入っていると言っていた。聞きかじりの知識ではあったが、極道関係では子分は年上のチンピラを「兄貴」と呼ぶそうだ。
 平野さんは廃屋に連れて行かれた純一を見ると頬を赤くしたがすぐさま目を逸らす。
「お、胸が尖ってきたじゃないか?王子様出現でちょっとはその気になったのか?」
 凶悪な笑みを浮かべた平島のヤツは頭の回転がいつもより滑らかなようだ。
「コイツががチクらないようにするにはどうすればいいか…だな」
 舌なめずりをして純一と平野さんを交互に見る。
 純一は、直哉兄さんがこっそりとこういう状況に陥った「ひまわり園」の女の子達を救ってきたというのに、自分は救えなかったことに目の前が真っ暗になる。純一がもっと注意深く立ち回っていればこんな最悪の事態には陥らなかっただろう。
「面白いことを考えたっす。聞いて貰っていいっすか?」
 平島のヤツが、粘りつく目を純一と平野さんに向けた後で、純一の肩を逃げられないように強く拘束している先輩におもねるような口調で言った。
 
スポンサーサイト

テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

コメント

非公開コメント

プロフィール

こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

FC2ブログランキング
ランキングに参加させて戴いております。ご訪問の際ポチっと。とっても喜びます!!

FC2Blog Ranking

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。