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がんじがらめの愛 蜜月編ー16

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 オブライエンが選んだテェブルは四人掛けの席だった。食前酒を選ぶに当って、彼はメニューを見ずに言った。
「片桐君と同じ物を」
 これくらいの事で大人気ないと思ってもむっとしてしまう。
「僕も同じ物を」
 片桐は不思議そうな顔をしていたが、メニューを見て、給仕に告げる。
「キールをお願いします」
 特等室のダイニングで出されるのは仏蘭西料理のみだったので、前菜から全て決めなくてはならない。そこでもオブライエンは全て片桐と同じ料理を頼んだ。勿論自分も同じ様にしたが、疑惑は益々膨らんで行く。
 給仕が食前酒を恭しく運んで来ると、片桐は彼に話しかけた。
「僕達が見つけた迷子は無事に親御さんと会えましたか」
「わたくしどもでは分かりかねますので、警備室に問い合わせ致します」
「宜しくお願いします」
 給仕が下がった後、片桐は半ば心配そうに話しかけて来た。
「無事に親御さんと会えればいいな」
「そうだな。しかし、親御さんは必死に探しているのだから恐らくは大丈夫だろう」
 安心させる様に笑いかけた。
 オブライエンは、二人の会話を興味深そうに聞いていた。
「何の話だい」
 英語で片桐に話しかけた。
 片桐も英語で今日の経緯を話している。話して居る人の目を見て話すのが礼儀だが、矢張り彼の目には、何か違った輝きが有ったのが不愉快だった。
 黙って、主菜を食べていると、先ほどの給仕の他に警備員の制服を着た船員がテェブルに近付いて来た。二人とも困惑した表情をして居る。
「お食事中申し訳有りませんが、お話しても宜しいでしょうか」
 何か有ったのだろうか。そう思っていると片桐も同じ事を思ったらしい。
「構いません」
 その返事を待って、警備員が立ったまま話す。
「実は、乗客名簿を全て調べたのですが…ハヤシ様は数名いらっしゃいました。しかし、お子様連れのハヤシ様はいらっしゃいませんでした。念の為、ハヤシ様全てにお話をお伺い致しましたが、矢張りお子様はお連れになってないようです」
 片桐の顔が曇る。警備員は腰を折って、心から恐縮したかの様な顔をした。
「誠に不躾で勝手なお願いなのですが…、警備員室に連れて行った時も大層お泣きになっておりまして…。数少ない女性に相手をするように頼んだのですが…ずっと泣き続けなのです。泣き声の合間に、『手を繋いで呉れた方に会いたい』とそれはもう悲しげに泣いています。唐突なお願いで、誠に申し訳有りませんが、一度警備員室にお出で下さる訳には…」
 特等船客に向かって、船からの一方的な申し出としてはとても失礼に当る。しかし、芸備係の懇願するような表情と声が彼らの苦心を物語って居る。
 しかし、片桐の事だ。出向いて行くに決まっている。そう思って居ると、片桐は意外な申し入れをした。
「今も泣いているのですか。それなら、この食堂に連れて来て貰う事は出来ないでしょうか」
「有り難い御言葉感謝致します。船長と相談をして、片桐様の御意向に沿うように致します」
 深深と一礼すると、警備係は下がって行った。
「多分、あの子は食べてないだろうから、子供用の食事を用意させた方が良いな」
 特等の客であり、皇室からも口添えの有った片桐の言葉だ。船長は許可するに決まっている。
「そうだな。子供用の食事を用意させよう」
 給仕を呼び、子供用の食事を用意させている間もオブライエンは片桐に熱心に話しかけていた。話題は日本の文化の事や歴史の事だった。片桐も答えていたが、自分の事が気になるのだろう。
「その話は彼の方が詳しい」
 そう言って、オブライエンの話をこちらに振ろうとするのだが、オブライエンは片桐にだけ話しかける。矢張りこれはオブライエンに下心が有るとしか考えられない。
 片桐はミスズの件も有るのか眉間にしわを寄せ浮かない顔をして居る。
「船室はどこ」
 そんな片桐の表情に頓着せずに話しかけている。片桐は律儀にも番号を教えたが付け加えるのを忘れなかった。
「晃彦と同室だ」
 その刹那オブライエンの表情に落胆の色が走ったのを確かに見た。
 その時、給仕係がミスズの手を引いてテェブルにやって来た。涙と鼻水は、流石に特等客室のダイニングに行くために綺麗に拭われている。
 片桐の姿を認めた彼女は足取りも軽やかに近付いて来る。喜色満面の顔をして。席が一つ空いているのも都合が良かった。そこに彼女を座らせる。
 オブライエンがおざなりの挨拶をし、英語で片桐に話しかけていた。
「女性が好きなのか」
 きわどい言葉にも片桐はそつの無い返事をしている。それから、また自分とミスズを無視した会話が成されていたが、ミスズは片桐と会えたのが嬉しそうだった。
 そんな三人を眺めて居ると奇妙な事に気付いた。片桐とオブライエンが英語で話していて、オブライエンが冗談を言うとミスズもクスリと笑うのだ。日本人の殆どが英語を解せ無いというのに…。そこにミスズの為の料理が運ばれて来た。
 片桐が給仕に言った。
「お箸をお願い出来ますか」
「畏まりました」
その会話が終らない内に、ミスズは余程お腹が空いていたのだろう、ナイフとフォークを行儀良く使って食事を始めた。勿論、食べる前は手を合わせて「いただきます」と言っていたが。
「片桐、ミスズちゃんの件だが、考えが有る。俺の推測に間違いが無ければ、直ぐに親御さんは見つかる」
 片桐は驚いた様に顔を見詰めた。



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「蜜月編」二つの謎を用意しました~!一つは内緒様(苦笑)達が拘って下さっている、例のモノ。もう一つがミスズちゃんです。これは加藤君が解答に辿りついた模様ですが、皆様はどうお考えですか?
ミスズちゃんの謎は明日解けます。
それまでに(ちゃんと前回と今回で伏線張っていますので)思いついた方、内緒コメ(苦笑)で考えを下されば嬉しいです。

 さて、もう「蜜月編」も終わりに近づいてきました。24話で終らせる「つもり」です!
 読んで下さって有り難う御座います。



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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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