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がんじがらめの愛 蜜月編ー17

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「晃彦、本当か。ならば教えて呉れ」
 片桐が顔を輝かせて言った。
「ミスズ、君は…」
 言いかけて、今自分が何処に居るか気付いた。そしてオブライエンの興味津々の顔つきも。片桐だけなら告げても問題は無いだろうが、オブライエンがどういう思想の人物か分からない。英吉利人の前で言うのは憚られた。特等の給仕の耳目も有る。彼らも英語が話せる選良の筈だ。
 自分が気付いて居る事を片桐が気付いて居ないのを利用して、片桐の謎のヒントも欲しい。色々考えを巡らして、此処では言わない方が得策だと判断した。
「ミスズ、食事の途中だろう。後で俺達の部屋に来ないか。良い物を見せて上げる」
「晃彦、その様な悠長な事…」
 言いかけた片桐を視線で制した。かつて無い動作に片桐は黙り込む。察しの良い彼の事だ、何か有ると思ったのだろう。
「良い物って」
 ミスズがあどけない口調で言った。
「きっと君も見たら喜ぶと思う」
 片桐はオブライエンとの会話を止め、優雅かつ素早く食事を片付けようとしていた。ミスズの手掛かりを知りたいのだろう。デザートと食後の珈琲は断って居た。自分も勿論それに倣う。ミスズの素性について自信は有ったが、完璧な確証は無い。
 ミスズの食事は子供用という事も有り、早く終った。テェブルにオブライエンが1人取り残される。
 片桐は日本式にお辞儀をして、別れようとしていた。オブライエンは、食事を一旦止めて立ち上がり帽子を胸に当てた。片桐には甘い瞳を、そして自分には片桐には気付かれない様にして挑発的な眼差しを送って来た。もう今更驚かない。険の有る目で彼を見た。
 片桐は早く船室に戻りたがっているようだが、しっかりと手を繋いだミスズの歩調に合わせているので、歩みはゆっくりだ。ミスズは右手で片桐の手を握り、左手を握って来た。特等のプロムナァドなので、三人が手を繋いでも他人の迷惑にはならない。ミスズを仲介して片桐と手を繋いでいる錯覚に陥る。
「晃彦…もういいだろう、教えて呉れても」
 片桐は焦れた口調だった。
「それでは交換に天狗のお面のヒントをくれ」
 交換条件を思い出したらしい。少し言葉の間が空く。
「晃彦の質問に答えるくらいなら」
 諦めたように肩を竦めて言った。
「オブライエンは片桐の考えたような使い方をするだろうか」
「彼は、日本文化に造詣が深い。だから多分しないだろう。ただ、今日もしお面を部屋に飾っていて、酔っていたならするかも知れないな。彼はキリスト教信者だろうから」
 やはり良く分からない。オブライエンの「今日」今日に関係あるのかと考えた。頭の働きを良くする為に髪をかき回したい気分だった。ついでに片桐の幾分細い髪に手を触れたい欲求が芽生えた。
 自分達の船室に着き鍵を開ける。ミスズは、「綺麗なお部屋」と片桐の手を握ったまま言っている。
 留守をしていた間に清掃係が入ったらしい。キチンと整えられていた。
 金庫の鍵を開け、横浜港出港の時に母から預かった宝石の入った袋を取り出した。
「お前ももし良ければミスズに母上から預かった宝石を見せてやって欲しい」
「それは構わないが、それが何か」
「ミスズの素性を知る良い機会だぞ」
 片桐も宝石を全て出した。卓の上を二等分に分け、片桐家の宝石と混ざらない様にして、宝石を全て見せた。ダイアモンド・ルビー・オパアル・翡翠・エメラルド・サファイアなどが光を弾いて、その一角だけが別世界の様だった。
「君のお母様が持って居る宝石で一番多いのはどれ」
 そうミスズに聞くと、光の渦に見入っていた彼女は、迷わずに翡翠を選んだ。
 予想通りだった。
「君は日本で育ったシ…」
と言いかけて英語に切り替えた。「シナ」には蔑称の響きが有る。
「君は日本で育った中国人だろう」
 彼女は矢張り英語も分かるらしく、頷いた。
「名前を書いて呉れないか」
 そう言って紙とペンを渡すと、「林美鈴」と書いた。その後宝石をうっとりと眺めていた。やはり幼くても女性なのだなと思った。
 片桐が目を丸くして居る。
「何故分かった」
「まずは、年齢を聞いた時に、少し言いよどんだ。つい、中国の数字『シ』と言いかけたのだろう。それと、四歳で英語が分かる日本人は殆ど居ない。きっと、清国以来乱れて居る国から家族と共に脱出して日本で教育を受けたのだろう。何処に行っても困らない様に中国語と英語と日本語を学んでいたに違いない。親御さんは、貿易商か何かだろうが・・・恐らくは二等船客の中に『林』という中国人夫妻が居る筈だ」
 片桐は思慮深そうに言った。
「だから英吉利人のオブライエンの前では言わなかったのか」
「そうだ。英吉利は自分達の租界に『犬と中国人断り』の看板を掲げている。わが国の人間も日清戦争以降見下げている人が多い。だから二人だけの秘密にしたかった。船員名簿も警備係が調べただろうが…見下している中国人は後回しだったと俺は思う。ついでに言えば翡翠は中国では最も尊重される」
「そういえば、英語の家庭教師に聞いた事が有る。語学の天才は、呼びかけられた言語で反射的に答えてしまうと…。彼女もそうだったのか」
「多分そうだろう。彼女はお前が見ててやってくれ。俺は警備室に行って来る」
 彼女が明らかに片桐に懐いているので、そうする事が正しいと思った。




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 最後まで読んで下さり有り難うございます。

 天狗のお面の伏線はちゃんと数箇所に入れました。やはり片桐君の身体がかかった(苦笑)な謎だけに、ミスズちゃんの予想の倍以上ですね。でも正解者は未だいらっしゃいません。今日の伏線で分かるかもと…。

 ミスズちゃんの伏線は分かりにくかったのか当選者(?)はナシでした。



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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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