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「気分は、下克上」第二章―5

    

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 芸術家が精魂を込めて描いたような形の良い眉を顰めて更に言い募る。
「私がこの大学に来た目的は、君のような医師が1人でも減れば良いと考えたからだ。
 医療過誤が問題視されていることは私も知っている。ミスをするのが人間だが、ミスにどういう対応が出来るかを考え、全てのミスを防ぐための努力を惜しまないでいる。
 それが医師としてではなく、人間としてのあり方ではないか。ミスが恐いから手術数を減らすというのは本末転倒だ」
「しかし、厚生労働省でも第三者委員会を設置する方向で医療過誤の問題を重く見ています。人手不足が原因で医師も看護士も疲れきっているのがこの病院の実状です。失礼ですが先生こそ、現場を御覧になったことがないのでそういったご発言が出来るのではないでしょうか」
 僻地の大学病院どころか、無医村に飛ばされてもいいという覚悟で言ってしまった。飲みに行った時の看護婦長の疲れ切った姿が脳裏に浮かぶ。
「この医局は私が任された。今や国立病院も独立医療法人となって経営難に陥っている時代だ。象牙の塔でぬくぬくと自分だけの怠惰な生活を送っている者は必要ない。私の意見に盾突くのなら、私以上の実力を持ってからにしたまえ」
 低く滑らかな声だが、烈火の憤りをはらんでいるのが分かった。
 なおも言い返そうと思った時、黒木准教授が話し始めた。
「確かに田中君の意見も聞くべきところはある。香川先生の意気込みも皆、良く分かっただろう。先生は、この病院の発展を御高配になった上の発言だ。これからの手術については、もう患者が到着していることもあり当面はこのスタッフで乗り切るしかない。皆、声を掛け合ってミスのないように、当面の手術を乗り切るより他はない」
 そう言いながら、しきりに祐樹に目配せを送ってくる。「謝れ」というニュアンスだった。が、いくら形の良い唇を持っていても、あの高慢な口調は許せない。黒木准教授の視線を敢えて無視して聞いてみた。
「私も手術に加わった方がいいのでしょうか。怠慢な人間ですが」
――その必要はない、そう命令されると予想していた。香川教授は自尊心の高い人間だ。 彼の地位からするとゴミのような存在の自分があれだけの暴言を吐いた。そうなって当然だと覚悟を決めた――
「・・・もちろんだ。その根性を鍛え直してやる」
 冷ややかな瞳で意外なことを言われた。
 少し拍子抜けがした。
「では、長岡先生のご挨拶を」
 黒木先生が場の雰囲気を変えようと腐心しているのが分かった。
「長岡です。香川先生の術技に惚れこんで、日本への帰国を決心しました。助手にならざるを得なかったのは、手術の時の発言力が助手レベルで欲しかっただけですわ。それ以外は新参者ですので、皆さん宜しくご指導下さい」
 妙齢の美人が謙虚な挨拶をしたので少なくとも男性陣は好感を持って受け入れるような雰囲気が漂った。山本センセの顔を見たかったが、先ほどの香川教授の凍りつくような視線が脳裏に蘇り、そんな心の余裕はなかった。
「では、解散。今日の手術は着任早々ということもあり、午後から始める。本日の手術スタッフは電話で可及的速やかに連絡する。」
 そう言って着任の挨拶はお開きになった。
 香川教授をちらっと見ると、表情を和らげ――そうすると、別人のような優しげな顔になる――長岡先生と話していた。
 長岡先生を見る目は優しい。もしかして・・・と思われる態度だった。
 廊下に出ると、皆が肩を叩いてくれる。感謝の意を込めたものだということは笑顔で分かる。ただ、祐樹の身を案じているような心配げな様子をしている先生達も多かったが。
  

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このお話は、
















から始まっています。興味の有る方、読んで戴ければ嬉しいです




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 前回、誤字脱字の件を書いたところ、「見つけられなくてスミマセン」といったコメントが寄せられました!!とんでもない、私のミスなので、謝られると却って恐縮してしまいます。
 あと、「ここはこうした方が」というご意見、有り難うございます~!真摯に受け止め、自分なりに考えてみたいと思います。
 今、通勤電車の中で読む本は「チーム・バチスタの栄光」です←遅いって・・・。通勤電車の中くらいでしか読書出来ない我が身がちょっと悲しいですが、小説書いているのも楽しいので、仕方ないですね。この小説も大学病院が舞台で、しかも心臓手術(病気は違いますが)なのでとっても参考になります~!

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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