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「気分は、下克上。」第二章―21



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 心臓バイパス術ともなると、執刀医はもちろんのこと、助手や看護士までが精神的にも体力的にも極限まで消耗する。
 一番消耗するのは言うまでもなく執刀医だが。香川教授の天才的と言うより神の領域にまで近付いている医師でもそれは同じだろう。何しろ、一つ狂えば全てが狂うのだから。
 それを一日一件から二件こなすのは容易ではないハズだ。
 それでも切迫している患者が居る限りは手術をしたいという医師の心意気は素晴らしいと思うが。
 祐樹の担当である小倉さんも切迫している1人だが、大学病院も従来のように殿様商売では立ち行かないことは祐樹ですら知っていた。医療は専門職ではあるが、基本はサービス業だ。
 商売の鉄則…儲かる顧客を優先させる。
 しかし、香川教授は特診患者よりも一般患者の手術を優先させることにしたらしい。これは香川教授を招聘した齋藤医学部長の意向を無視したことになる。香川教授は性格的に祐樹とは相容れないものがあるが医師としては尊敬出来る人物だと思った。
 大学病院の出世は医学部長や、病院長の覚えがめでたくなることで実現される。
 この辺りは一般企業――といっても祐樹は勤務したことがないが――と似ているだろう。
 香川教授の個室に重い足取りで向かいながら現実を直視したくなくてそんなことを考えていた。
 重厚な木の扉をノックする。
 香川教授がこの部屋の主となってからは二度目の訪問だ。
「田中研修医です。お呼びにより伺いました」
 外から声をかけると、一度目と同じようにしばらく時間が経ってから入室の許可が室内から聞こえてきた。
 叱責を覚悟でノックをしたので、実際にはそんなに待っていないかもしれないが。
 嫌な時間が予想されている時は時間が長く感じられるものだ。
「失礼します」 
 深深と頭を下げ、香川教授の目を見た。切れ長の澄んだ瞳に一瞬気持ちの揺らぎを感じた。が、直ぐに冷たい光を宿す綺麗な瞳。
――もしも「グレイス」で会っていたなら、今までの主義は捨ててこちらから誘ってしまうだろうに――
 呑気なことを考えていたのはつかの間のことだった。
「患者、しかも『たった』1人の担当患者しか居ないのに、紙のカルテの記載ミスはどういうことか説明してくれ給え」
――「たった」という箇所にアクセントを置いて冷笑交じりに聞いてくるのは、祐樹のミスがあったとはいえ、その前提の救急外来の激務に追われていたせいだ。香川教授の直接の影響ではないが、間接的には関係している。――
「申し訳ありません。電子カルテの方はきちんと書いたのですが」
 もう一度頭を下げる。厳しい叱責を覚悟していたが、香川教授の返答は予想外だった。
「そうらしいな。田中君が書いた電子カルテと紙のカルテを比較照合した結果、小倉さんの手術を早めるべきだと長岡先生とも話し合った。そこでだ、5日後に手術を行うことにした。その手術に第一助手として入って欲しい。
 もちろんその前に徹底的に指導するが」
 第一助手、それは医局長やベテランの医師の役目だ。研修医ごときが指名された前例はない。
「それは、難しいのでは有りませんか」
「何だ、自信も自尊心もない医師のセリフだな。医師としての誇りがないのなら、医師免許を返上するか、看護士業務に携わったらどうだ。向上心のない医師は私に取って唾棄すべき人間だ」
 ――要は、祐樹が「唾棄すべき医師だ」と言いたいのだろう。――
 フト手元の小倉さんの電子カルテをプリントアウトした(らしき)書類を持っている手が小刻みに震えている。まただ・・・と思った。だが、今はそんなことを考えている場合ではない。香川教授の第一助手を務め、彼の手技を間近で見られるのはこれが最初で最後かも知れない。
 彼の挑発に乗ってみよう。そう思った。
「了承しました。宜しくお願い致します」
「そうか、なら空いている時間で指導するので頻繁に連絡をくれ給え。これが携帯の番号だ」
 相変わらず冷たい表情で紙片を渡してくれた。相変わらず手は神経質に震えていたが。そこには番号のみが記されている。
「用件は以上だ」
 凍てつくような顔つきと平坦な口調で宣言されると退室するしかない。礼儀正しく教授室を出てから不思議に思った。
 あらかじめ印刷されている名刺に携帯電話の番号が書かれているのは良くあるが、これはメモ用紙だ。しかも自分の目の前で書いたわけではない。すると前もって携帯番号をわざわざ書いていたことになる。多分祐樹以上に忙しい香川教授が何故そんな手間をかけたのだろうか。

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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