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「がんじがらめの愛」第二章-18

「晃彦の覚悟が分からなかったから…だ。いい加減な気持ちで言っていない事くらいは分かったが、オレが気持ちを言ってしまう事で、晃彦が加藤家の嫡男としての権利を剥奪されないかと、そう考えた。しかし、本心ではとても嬉しかった。
 その後屋敷に戻って考えた。やはりこの関係には危険が多い。晃彦の未来を滅茶苦茶にする事は出来ないと、そう思った。本当に晃彦がそこまで考えて告白をしてくれているのなら、返事をしようと、そう思った」
 ふと疑問点が浮かんだ。
「お前が俺の事ばかりを案じていてくれた事は分かった。お前自身の事はどうなのだ。お前だって、片桐伯爵家の嫡男だろう」
「それはそうだが、元々オレは、義務として伯爵家を継ごうと思っていた。しかし、本心は、先祖代々からの柵や、徳川様の御世が終わった時からの経緯などで、いろいろとがんじがらめになって居る。
 出来るなら、弟に爵位を譲って片桐家の事など誰も知らない英国にでも行ってしまいたい。そう思って生きてきた。父上も母上も良いお方だが、片桐家嫡男としてあの閉じた空間の中で一生涯を終える事を考えると憂鬱だった。
 …それであの時の晃彦の言葉を思い出していた…『お前自身はどうなのだ』と言う言葉。断ってしまっては、もう話すことは勿論、目を向ける事もそして触れる事など論外だ。それで堪らなくなった。晃彦が家の事よりもオレの事を考えて呉れるのなら…あの拒絶に立腹していないのなら、オレの気持ちを打ち明けよう。そう決意して三條に頼んだ」
 しばらく沈黙が続いた。片桐は少し不安そうな目をしていた。
「俺も、家の事では散々悩んだ。それでもお前が欲しかった。お前のためなら家を捨てる覚悟で居た。勿論今もだ」
 握った手の力が強くなった。
「後悔は、本当にしないと、誓えるか」
 瞳に強い光を込めて片桐が言った。
「誓える」
 強い口調で断言した。
「それなら、いい。しかし、オレのせいでお前が不幸になるのかと思うと今でも気が狂いそうだ」
「いや、お前がここに居ることこそが俺の幸福だ」
 そう言って抱き締めた。
「お前、だからあのように英語のレッスンを熱心に受けていたのか?」
「英語?」
「三條の英語の家庭教師はお前と同じ先生だ。俺は違う先生にレッスンを受けていたが、その先生が帰国する事になり、お前と同じ先生に習いたくなって三條に紹介して貰った。その先生がお前の事を褒めていた」
「そうなのか…それは知らなかった。欧米に行く計画は無いが、出来れば英国に住みたいと、まあ、夢の話のようなものだが…それで困らないように勉強はしている」
 その時、寝室からは少し遠く聞こえたが、片桐を呼ぶ女性の声がした。耳を澄ませた。
「お兄様、お夕食の時間まで一時間ですわ。お友達も召し上がっていらっしゃるのかしら?」
 色々と有りすぎて、時間の感覚が無かった。もうそんな時間なのか…と思った。屋敷に帰るべきだが、片桐と過ごせる時間は、出来るだけ長い方が良い。
「夕食を召し上がっていっても構わないだろうか」
「大丈夫なのか」
「ああ、何とかする」
「オレも晃彦と一緒に居たい」
 そう呟くと、大きな声で、「一緒に食べていくそうだ。用意を頼む」と言った。


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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