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「気分は、下克上。」医師編-9(15禁)

 耳元に流し込んだ言葉に彼の膝がかくりと力をなくす。慌てて支えるために最適な腕の位置を確保する。
「大丈夫ですか?今夜は随分と無理なことをさせてしまいましたから」
「何だか力が入らない。足の随所の筋肉疲労だろうが…」
 素肌の彼を抱き上げた。祐樹は職業上患者さんのベッド移動などで抱えるコツはつかめている。ウエストと肩に腕を掬うように回してそのままバスルームに向かう。もちろん手は自由なままだ。そうでないと仕事にならない。細身の彼なら楽に運べる。ちなみにこのコツは授業で習うので彼も知っているハズで、その気になれば彼も祐樹の身体を運べるだろう。俗に言う「お姫様だっこ」なので祐樹はして欲しくはこれっぽっちもなかったが。
 いつもよりも一回りは大きいバスタブにはお湯が程よく張っている。彼を薄茶色の大理石で出来たシャワーブースに運び込んで、壁に身体を凭せ掛ける。バスタブのお湯は止めてオレンジ色のバスソルトを注いだ。この独特な香りは二人のお気に入りのものだったので。
「中…気持ち悪いでしょう?先に洗ってあげる」
 いつもしているが何回しても楽しい作業だった。ウキウキと仕事にかかる。彼に後ろを向かせて肩甲骨の情痕をうっとりと眺める。彼も慣れているので壁に肩幅は標準なのに骨は細い尖った肩を預けて、自分の双丘を彼の手で開く。
 彼の白く長い指が偶然に彼が気にしていた場所に触れる。
「あ、本当に柔らかくなっている…それに少し腫れているような感触だ」
 当惑気味の声が大理石とガラスで出来たシャワーブースにこだました。
「痛みはありませんか?」
「ああ、それは大丈夫」
「では、何時ものように開いて下さい」
 片手にシャワーノズルを持ちながら彼の太ももの内側を凝視する。祐樹のモノが真珠の珠のように桜色の肌を飾っている艶姿にいつものことだが唾を飲み込んでしまう。
 彼の桜色した指が丘を割る。
「本当に少しぷっくりした感じになりましたね…もう少し左右の手の間隔を広げて下さい。でないと内部が洗えない」
 彼の肉厚で上質のシルクの様子もいつもと違っていたので具体的にどうなっているのかを目で確かめたいという思惑も少なからず存在したが。彼は従順に手を動かした。
 彼の内壁は緋桜色と言うよりも真紅の薔薇の色だった。ベルベットローズという名前の薔薇よりは赤みがわずかに薄いが。ただ、濡れたベルベットの艶やかさは薔薇以上に美しい。その花弁に祐樹の真珠が散っている眺めは絶品だった。もっと真珠の数を増やしたくなる強烈な願望を必死に堪えた。いくらでも湧き起こる情熱を持て余すが、これ以上彼に負担は掛けさせたくはない。それでなくとも今日は――彼の要望が有ったとはいえ――少し飛ばしすぎたという自覚はあったので。
「強くしてしまったので…とても綺麗な薔薇色に染まっています。そこに私の真珠が飛び散って…とても素敵で荘厳な眺めですよ」
 彼の耳元に熱っぽく囁く。祐樹も介助のために指をいれていたが、その指に薔薇色のシルクが絡みつく。彼も自分の内部の動作を自覚したのだろう。耳たぶの桜色が濃くなった。
 こんなに魅力的な場所に指をいれておくと理性が保てない。それでなくてもギリギリのところで踏みとどまっているのが現状なのに。
 指とシャワーの助けを借りて彼の中を綺麗にする。白い液体が彼の桜色の足を滴り落ちていく。それはそれで魅惑的な眺めではあったが。
「はい、もう大丈夫です。バスタブに行きましょう」
「うん」
 零れる吐息とも返事ともつかない言葉も薔薇色に染まっている。懸命に足を動かそうとしている彼だったが、まだ回復はしていないようだ。
「今日は…多分貴方の心と身体の両方が進歩したのでしょう。きっとこれからはもっと良くなるハズですよ。バスタブまで抱いて行きます」
 彼は祐樹の首に腕を回してくる。バスタブまではわずかな距離だ。
「祐樹…私がこうなった責任取ってくれる…か?」
 99%の期待と1%の不安を滲ませた声。そういえば彼と付き合い始めてから約1年だ。随分と心を開いてくれるようになったが、1%とはいえ不安を滲ませる彼が愛しい。愛しいが、祐樹に不安にさせる要因があったのかと思うと後悔の念が苦い薬にも似て脳内を巡る。
「もちろんです。私が心から愛した人は聡一人ですし、きっとこれが最後の愛になると思っています。聡が愛想を尽かさない限りは一緒に居たいです。心の底からそう思っていますよ」
 彼の睫毛が祐樹の目に入りそうな距離で、彼の切れ長な目を真率に凝視しながら言った。
「そうか…それなら…いい」
 彼の桜色をした目蓋のふちから小さな涙の雫が1滴零れた。唇で優しく吸い上げる。彼は気持ち良さそうに目を閉じていた。
「バスタブはいつもより広いですが、やはり男2人が入るには狭いので…聡が先に入って下さい。その身体の上に私を乗せて」
 彼が少し目を見張る。いつもは逆で祐樹が下だったからだろう。だが何も言わずバスタブに横になった。その上にぴったりと身体を重ねる。彼は何も言わずただ祐樹の肩に手を回してきた。その手をしっかりと握り締めた。
「今日はね、聡の方が疲れているでしょう?ここを押せばジャグジーになります。きっと疲れが取れますよ?」
 握り締めた手が動き、指の付け根まで絡み合った。
「有難う。今日は祐樹のお祝いなのに気を遣わせてしまった…な」
 あくまで律儀な彼の言葉に絡めた指の付け根を動かす。そこも敏感な場所の一つだ。
「いえ、筆舌に尽くしがたい程、聡を堪能させて頂きましたので…ところで今日の支払いは全部貴方持ちという約束は変わっていませんよね?」
 我ながら情けないことを確認してしまう。医師としての給料は来月からで、しかも今月は祐樹の祝賀会が多数行われた。主賓なので一次会こそ飲み題は免除だが、二次会以降は支払うのが暗黙の了解だ。そのため財布が少々厳しい。
「ああ、その積もりだが?ジャグジーがとても気持ちがいい」
「そうですか…実は心配していたのです。その様子では明日の朝にクラブラウンジまで行けそうにないでしょう?そうなればルームサービスなので…」
 クラブラウンジの食事は全て無料だが、ルームサービスを取ってしまうともちろん料金がかかる。それも関西でトップクラスのこのホテルは朝食代も軽くなった祐樹の財布には厳しい。
「そうしてくれと望んだのは私なのだから…当然だ。それに今回の宿泊は祐樹のお祝いなのだから…。ただ…一つだけ望みがある」
 お金がかからない希望だと良いなと思ってしまう祐樹だった。
「ええ………何なりと」
「1階ロビーの暖炉…もう季節的に火が点されなくなるだろう?今の時間だと暖炉の周りに人はまばらだと思うから…さり気なく横に座って欲しい」
「ええ、喜んで。しかし、大丈夫ですか?移動するの大変でしょう?」
 1階にある暖炉は本物の薪が燃えている。その周りに豪華でシックなソファーが点在しているがいつも通り過ぎていた。
 振り向いて彼の表情を窺うととても春の麗らかな日差しに似た微笑を浮かべている。どうやらあのソファーに座るのが夢だったらしい。
「大丈夫…精神力は強い方だと思うから…」
「ええ、貴方の精神力はとても強いです。私も見習わないといけないと思っています。もし、人が居なければ肩を貸しますからね。流石に手までは繋げないとは思いますが…酔いつぶれているフリをすれば、そのくらいは平気でしょう」
 これまで以上に妖艶な色香を宿すようになっても、些細なスキンシップが好きな彼の無垢さは変わらない。そのギャップが堪らないほど祐樹を惹き付けているのを彼はきっと無自覚だろうな…と思う。


この作品はヤフーブログで新規更新しようとすると、無情のエラーが(泣)なので途中で申し訳ないのですが、こちらで更新させて頂きます。本日は無事にヤフーさんに受理されましたが、こちらにも載せておきます。

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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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