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「気分は、下克上。」第七章-13


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 どの薬でも経口よりも注射の方が効き目は早い。教授も祐樹がシャワーから出る前に眠っていてもおかしくはなかったが、気合いで起きていたのだろう…な。と思う。
 ちなみに入眠剤はまず意識が朦朧として来る。嘘などは吐けない状況になる。効果が持続している間に言ったことは本心だ。
 彼が眠りに落ちる前に言った言葉、それは彼の一番気になっていたことだろうと思うと、過去の恋愛遍歴をした誰よりも愛しく思えた。
 4月の半ばとはいえ、彼の体調を気遣って暖房を入れているので、正直暑い。下半身はパジャマ代わりのジャージを穿き、上半身は裸でベッドに横たわった。横には毛布にくるまった香川教授の整った顔が間近に見える。まだ明かりは点けていたので。
 手術室の星川ナースの件もまだカタが着いてない上に、教授の「吊るし上げ」が教授会で行われるというのも気掛かりだった。
 もともと、教授の招聘は佐々木前教授からの推薦があったからだったが、表向きは斉藤医学部長がしたことになっている。
 医学部長は、近来稀にみる大学内の権力者だし、東京にあるライバル国立大学の同じ研究をしている教授よりも論文の評価は高い。医学部を管轄している厚生労働省のトップである事務次官とは親友と言っていいほどの付き合いだと聞いている。
 そんな彼に表立って逆らう人間はこの大学には居ない。居ないが、ライバル視している教授は存在する。その上香川教授はまだ29歳だ。29歳だと柏木先生のように一介の医局員なのが普通だ。それなのに彼は教授の座を射止めた。
 40代で教授になるのが「出世が速い」と言われる世界で、しかも教授になれずに退官を迎える人間も多い。そういう人間は恨みを呑んでどこかの私立の大病院に院長として収まるか、あまり聞いたことのない私大の教授に収まるか…だ。
 大学病院に残っていて、しかもずっと残り続けるのは教授の口が空くのを待っている人たちだ。もっとも、祐樹は特に大学病院に残って「何が何でも退官前は教授になりたい」と思ってはいない。心臓外科を極めたかっただけなので余り出世には興味がない。腕を磨いてどこか心臓外科を専門とする私立の病院にでも勤務出来ればいいな…と考えているくらいなので。
 教授になった人間は「自分があんなに長年に亘り苦労してやっとここまで上り詰めたのに、アメリカ帰りの苦労知らずの若造が同じ地位に居るとは許しがたい」と苦々しく思っているに違いない。50代でやっと教授になれた人からすれば香川教授は嫉妬の余りどうにかしてやりたいと思っても仕方のない存在なのは確かだ。特に教授になろうという人間は良い意味では向上心があり、悪い意味では権威や権力が大好きな人種なのだから。
 しかもバックは斉藤医学部長。
 医学部長が海外学会に出席するため、日本を離れている今、教授会で香川教授をネチネリと皮肉や当てこすりで攻撃されることはほぼ間違いはない。
 こんなに精神的に弱っている時に大丈夫なのか?との不安が絶えない。
 それに手術の緊張は、一時よりかはマシになったとはいえ星川ナースの道具出しの巧妙な道具出しのタイミング外しや妨害…これで術死が起こったら…とぞっとする。
 早く全てが解決して欲しい…と思うが教授会には当然祐樹は出席出来ない。気を揉みながら待つしかない。教授は大丈夫…と言っていたが、本当だろうか?
 隣の彼が身動きしたので寝返りを打つのかと思ったらそうではなかった。目を閉じたままでこちらに密着しようとしてきた。抱き締めたかったが、ヘンに触ると起きてしまう可能性があるので好きにさせておく。
 祐樹の裸の左胸に耳を付けたところで身動きを止めた。そこを寝場所と無意識ながら決めたらしい。
「心臓が動いている…良かった…」
 そう小さい寝言が聞こえる。一日目のような悪夢は見ていないのだろうが、やはり「心臓停止」の恐怖が彼の神経を苛んでいることには間違いはない。
 杉田弁護士も動いてくれているが、柏木先生ルートか、他の医師のルートを使って速く星川ナースにお金を渡した人間を探し出す手伝いをしようと決意した。なかなかこれが難しいのではあるが…。
 心臓の辺りを枕にしている教授に遠慮して、明かりを消さずに寝ようと思った。身じろいだので毛布から身体が出ている。そっと毛布を掛ける。
 この仕事は――特に救命医や産婦人科医、小児科医には顕著だが、当直ともなると寝ている暇がないほど忙しい。香川教授がアメリカから帰国してからは救急救命室での当直が毎日のように有ったし、それまでは外科の当直をかなりの間こなしてきた。どんな状態でも眠りに入れる自信はある。多分、煌々と明かりの点いた病院待合室でも毛布さえあれば眠れるだろう。
 しかもここは自分の家のベッドで隣には香川教授が居て規則正しい寝息を立てている。別の意味で心の平安を乱されることは確かだが、その下心は今夜に限って封印しておこうと自分に厳かに言い聞かせる。
 
 次に意識が浮上したのは唇に温かくて湿ったモノを感じた時だった。一瞬、何か分からなかったがこれは間違いなく唇の感触だと思い至った瞬間、教授からのキスだと判断した。
 が、ここで目を開けてしまうと間違いなく自分から彼の身体に手を回してしまうだろう。そうなると、歯止めをかける自信がない。特に今は多分朝だ。教授に注射した薬の効き目から逆算すると。
 特に朝は、男性の生理からすると感情…いや本能が理性を凌駕する可能性が高い。
 これは狸寝入りをするしかないな…と思った。彼からのキスは五分程度続いただろうか?
 唇だけを触れ合わせたかと思うと、舌で唇の輪郭を辿られる。幽かな水音が本能に火をつけそうになる。自分でも褒めてやりたいほどの忍耐力を発揮する。心底彼を抱きたいと切実に思う。
 名残惜しげに唇が離された。きっかり一分数えて目を開く。
「あ、お早うございます」
 何も知らないフリをして朝の挨拶をする。
「おはよう。今日も祐樹が一緒に寝てくれたせいか、それとも薬のせいかか良く眠れた」
「それは良かったです。朝食を済ませたら、救急救命室に行って検査してもらいましょう。そして、そのデーターを内田講師に見せて、大丈夫だという診断を貰ったら、Rホテルに招待したいのですが…」
 彼の顔が一気に紅くなった。
「別に、私は…」
「多分、薬剤のせいで覚えていらっしゃらないと思いますが、昨夜『どうして抱いてくれない』と仰っていましたので」
 白皙の顔を真っ赤にして俯く。その様子があまりにも初心なことに驚いた。経験値は少ないものの、絶無というわけではなく何人かの男性とそういうコトをしてきたのなら少しは洒落た会話が返ってくるハズだ。やはり彼はナゾが多い。
 何でもないように起き上がって、彼の柔らかな髪を梳いた。その感触が心地良いらしく、彼は身じろぎせずに目を閉じている。
「前髪を下ろしていると、雰囲気が違いますね。そちらだと同い年くらいに見えて新鮮ですよ。では、朝食を作ります」
 髪から手を離し、台所スペースに行った。

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このお話は、




から始まっています。興味の有る方、読んで戴ければ嬉しいです。

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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