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「がんじがらめの愛」第二章-10

「御両親は、ご不在とか」
 緊張を紛らわせる為に聞いてみる。片桐は立ったまま、右腕を動かし人差し指を唇に押し当てるようにしたが、ふと我に返った様な顔をしてその動作を止めた。
「ああ、一週間程、郷里の城に滞在される」
 自分達の様な武家華族はかつて領国の中で生きて来た。そのため今でもその領国に城がある場合も多い。自分の家もそうだった。そこには昔の家臣達が住んで居るため時々はそちらに赴く。
「三條君の屋敷でオレに言ってくれた言葉、今でも後悔して居ないのか。気持ちに変化は無かったのか」
 大きな瞳を見開き、少しばかり震える声で言った。
「後悔もして居ないし、気持ちも変わらない」
 立ったまま真摯な声で告げた。
「御家族や御親戚の事も考えた上で…か」
 茶色掛かった瞳が揺れる。
「それも充分考えた上で告白した」
 瞳に魅入られたまま答えた。片桐の人差し指が唇に当った。
「そう…か、ならば…良い。オレも、…お前に惚れている。多分、同じ気持ちだと思う」
 真率な声に言葉を失った。片桐の唇に中指も当てられる事に気付くまでは、無言だった。
「迷惑では、無かったのか。気味が悪いとは思わなかったの…か」
 掠れる声で質した。
「思わなかった。ただ、オレはお前に迷惑が掛かると、そう…思ったから…断った。しかし、本当は承諾したかった。…あれからずっと考え続けていて。もうお前とは話せなくなる、そう思うと…たまらない寂寥感が込み上げて来て…だから今日もしお前が屋敷に来たら正直な気持ちを言おうと…決意した。
 訪ねて来なかったら…この想いは封印しようと、そう思って待っていた」
 心の中を覗き込むような表情をしている。静かだが揺るぎの無い口調だった。淡い桜色の唇に絡みつく二本の指が艶かしい。衝動に駆られて訊ねてみた。
「接吻…しても良い…か」
 刹那、動揺したかのように瞳が大きく揺らぎ、唇が震えた。その唇が動いた。
「お前なら…構わない」
 その返答を聞くや否や、身体が動いた。足早に彼に近付くと、ゆっくりと抱き締める。躊躇がちに抱き締め返された。制服越しに身体が密着する。吐息が触れる距離で見つめ合った。潤んだ瞳が閉じられた。待ち兼ねたように唇を重ねた。一瞬身体を強張らせたが、片桐は力を抜いて身体を委ねてくる。ただ、触れるだけの接吻だった。彼の顔を見て居たくてずっと目を開いていた。すると不意に彼が瞳を開き、唇を少し離して微笑んだ。
「意外と睫毛も長いのだな」
「そうか。自分では分からなかった。この部屋に使用人は来ないのか」
 吐息が混じる距離でそう囁く。
「ああ、人払いをして有る」
 片桐はそう言って背中に回していた右手を動かした。何をするのかと思っていると左指に指を絡める。そして、片桐は瞳を閉じて自分から唇を重ねてきた。唇と指での密着。堪らなくなって舌をそっと出し、彼の唇を撫でた。絡みついた片桐の指の力が強くなり、そっと唇が緩められた。

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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