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「気分は、下克上。」第十章-22



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「田中君、そこにいるのか?」
 いつもは落ち着いている黒木准教授が慌てた声でドアをノックしているようだった。しかも、黒木准教授は普段、半人前の祐樹のことも「先生」と呼んでくれているというのに「君」付けで呼ぶというのは相当慌てているのだろう。まぁ、時々気分によって「君」と呼ばれることは有ったが、祐樹も自分の未熟さは痛いほど分かっているから気にならない。
「はい、居ます」
 折角、何かを彼女から聞けそうだったのだが、黒木准教授の声を聞いた途端、また彼女の顔は強気な表情の仮面を付けた。内心溜め息をつきながら鍵を開ける。
「手…は…大丈夫な…の…か?」
 ずっと走って来たらしく、荒い息の下ようやく声を絞り出しているといった感じで黒木准教授は言った。
 何だか途方もない怪我をしたかのような慌てぶりだ。
 祐樹の怪我はジツはかすり傷に毛が生えたようなものであることを知っているので、――後で後悔をしたが――星川ナースと目を合わせて驚きを共有した。
 手当てをしてくれた彼女も当然のことながら祐樹の怪我の程度は知っているので。
「大丈夫ですよ…縫合の必要もないくらいの傷です」
 一応、包帯が巻かれている手を動かした。
「えっ…?」
 准教授が絶句し、床に膝を付いた。どうやら走ったのが祟ったらしい。しかしどれだけ全力疾走してきたのか?と思う。確かにマラソンには不向きなウエストラインだが。それに脚の長さも太さも運動選手向きではない。
「しかし、どうしてこちらにいらっしゃったのですか?先生は今、学部の講義の時間ではないですか?」
 今日、柏木先生と祐樹が助手を務めることになったのは黒木准教授が香川教授の名代として担当している講義の予定が有ったからだ。
「それが…講義の途中に…今回の手術スタッフ…の一員の…友永先生が院内PHS電話で…私の携帯に非常時用のコールがあって…」
 まだ息が荒いせいか、一旦言葉を切る。
「ああ、麻酔医の…。しかし何故そんな電話を友永先生は掛けられたのでしょう?」
 麻酔医は手術の時は一番暇だ。特に香川教授の手術のような心臓を一旦取り出し、人工心肺を動かす時はモニター表示を定期的にチェックすればいいだけの仕事となる。救急救命室のような緊急手術の時は麻酔薬の量をこまめにチェックしないといけないので忙しいが。ちなみに、麻酔医はどこも人手不足で1人の麻酔医で、何件かの手術を回すこともある。そうなれば麻酔医は地獄なのだが…。ちなみに祐樹の大学病院では最高6件の手術が同時進行出来るので、最悪の場合は6件の手術を掛け持ちしなければならない。コマネズミのように各手術室の麻酔の状況を見て回るために走り回るハメになる。
 が、香川教授の手術の時は――何しろこの病院の看板の手術なので――齋藤医学部長直々の指示で、友永先生は香川教授の手術だけを手掛ける。そう以前にちらっと医局で聞いた。そのため、友永先生はいたく香川教授に感謝していると、麻酔医をこき使っている救急救命室のナースの誰かに聞いたことがあった。
 現在は、携帯電話の電磁波が与える医療機器への弊害は少ないという学会報告があり、病院内でも携帯電話の使用は許可されている。が、手術室は様々な機械があるので、手術室に携帯電話は持って入れない。PHS電話は携帯電話よりも影響は軽微なので辛うじて許可されている。普通は持っては入らないものだが。友永先生は、麻酔医として緊急報告を受けた時のために持っていたのだろうか?
 友永先生はベテランの麻酔医なので――だからこそ、齋藤医学部長も香川教授の手術に付けたのだが――他の麻酔医からの相談や緊急呼び出しに対応しているのだろう。
 咽喉が渇いたのか唾を飲み込みながら黒木准教授が言った。
「田中君が手術中にメスで怪我をした。その怪我のせいで執刀医を始めとして現場は少しパニックになっているから、後で補講なりレポートなりの代わりが出来る講義よりも怪我の程度を確かめて現場に報告するようにということだった。また、香川教授からは星川ナースと田中君との話し合いがもし有ったら、立会いなり助言なりをして欲しいという別口の依頼も有ったと友永先生は言って来た」
「では、直ぐに電話をお願いします」
 あの手術中は冷徹なまでに冷静な教授が祐樹の怪我くらいで…しかも、そんなに酷いモノではないことは彼にも分かっただろうに。パニックになったというのは大袈裟ではないかと思ったが。それに香川教授は黒木先生に指示が出せるくらいは落ち着いているのだから。
 ただ、自分のせいで手術が失敗するというのだけは絶対に避けたい。
「腱も切れていませんし、動脈を少しかすっただけで…縫う必要もないくらいの傷だとお伝え下さい」
 走ったせいで手が震えている黒木准教授に代わって、ワザと健在ぶりを証明するために怪我をした右手を動かして着信履歴に電話をリダイアルする。
 その様子を開き直った様子で星川ナースが見詰めていた。
 黒木准教授が通話を終えた。そして祐樹に向かって厳しい表情を浮かべる。
「何が有った?」

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このお話は、






の章立てで出来ております。読んで戴ければ嬉しいです~♪


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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