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「気分は、下克上。」第十章-23



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「手術中に、星川さんが故意にメスを逆向きにして香川教授に渡そうとしていることに気付きまして…教授の手を守るために私がメスを手で受け止めたという次第です」
 黒木准教授に報告していると、強気な瞳をした星川ナースが祐樹を憎憎しげに見詰めて言い切った。
「田中先生はそう仰りますが、ワザとではありません。無意識にしてしまったミスです」
「無意識ねぇ…手術室で一番期待されている貴女がそんなミスをするなんて信じられませんが」
 祐樹も負けずに睨み付けた。
「激務に疲れていて…フッと意識が遠のいたので…」
 祐樹の視線に臆することなく彼女は言い張った。祐樹のキツい目つきは――普段はしないが――かなり怖いとかつての元カレに言われたことがあるほどなのだが。星川ナースはよほど根性が据わっているのかビクともしない。
「激務ねぇ…手術室のナースは、緊急手術が有る時以外は、定時に上がれるハズですが?」
 言葉に詰った星川ナースを見て、緊急手術などなかったのではないかと直感した。
 黙って2人のやり取りを聞いていた黒木准教授は――もしかしたら、走ったせいで疲れていたのかもしれないだけかもしれなかったが――やっと口を開いた。
「問題になるのは1つだけだと思うのだが…。星川君が『故意』に渡したかどうかだろう。もし故意に渡したとなると、リスクマネンジメント委員会に報告するほどの大事になるが…それでもいいかね?」
「結果的に田中先生を怪我させてしまった点は私のミスです。しかし、断じて故意ではありません」
 ミスか故意かを証明するのは難しい。もし、故意だと証明出来れば明日杉田弁護士に報告されるハズの星川ナースの口座開示請求を待つまでもなく香川教授の手術から彼女を遠ざける良い口実になるのだが。
「田中先生は故意だと主張しているが、星川君は否定している…さて、どうしたものか」
 黒木准教授も星川ナースの道具出しのタイミングがおかしいということは知っている。内心では祐樹の言葉こそ正しいと思っているようだが、如何せん証拠がない。
 手術中、ビデオカメラが回っているが、あくまでも手術を撮影するためで術野にレンズは固定されている。周辺のスタッフの動きまでは捕捉していないだろう。
「星川君は、道具出しのために教授の隣に居た。それは間違いないね?」
 黒木准教授は確認するように言った。祐樹はどうしてそんな当たり前のことを聞くのか正直分からなかったが。
「間違いありません」
 ミスか故意かというデリケートな問題は断固として自分の主張を通すべきだと思ったのだろうが、手術中にどこに立っていたかなどは手術のスタッフなら全員知っている。そんんなことで嘘を吐くと他の主張も信用されなくなると踏んだのか星川ナースが反省したかのように答えた。
「田中先生、このケースは極めてデリケートな問題なので、可及的速やかに手術室の清瀬士長を准教授権限で呼んで下さい」
 黒木准教授はそう言って自分の携帯を祐樹に渡す。その時、彼は祐樹に意味ありげな目配せをした。何か考えがあるようだ。
 清瀬士長を黒木准教授の携帯で呼び出す。手術室スタッフだった祐樹は手術着のままで、当然携帯電話は持っていない。
 手術室でのナースのアクシデントは当然、士長にまで伝わるが、それは手術が終わって執刀医のクレームが有るか、またはそのナースが業務報告の一環として「事故報告書」として書面で報告するかのどちらかでしかない。だからまだ手術室のナースの責任者まで報告は行っていないだろう。
 清瀬士長に電話を掛けて事情を説明すると案の定彼女も驚いたように息を飲んだ様子だった。直ぐにこちらに来るという返事を取り付けた。
「心臓外科の准教授がわざわざ駆けつけての問題提起と、怪我をさせたのは悪いとは思っていますが…それ以上に…医師の立場を利用して私を詰る田中先生に、ナースとしては怒りを感じます。やはり医師の傲慢だわ」
 彼女はあくまで強気な姿勢を崩さない。彼女の言葉に反応せず時計をちらりと見た黒木准教授は、祐樹を部屋の片隅に寄るようにと目配せをした。
 部屋の片隅に寄ると、黒木准教授は彼女に聞こえないように小声で祐樹に囁いた。
「手術を見学していた人間は居なかったかね?」
 看板教授の手術なだけに――当初よりは数は減ったとはいえ――院生や熱心な学部生が見学に来ている。今日も多分見学に来ている人間は居ただろう。
「それは…私も見ていませんでした」
「では、私がここにいるから、手術が終わる前に見学室に行って一部始終を見ていた人間が居ないかどうかを確かめてくれ」
 香川教授の手技は早い。急がなければ手術が終り、見学者が居たとしても手術が終わると当然見学室を後にするだろう。
「分かりました。では」
 そう言って、控え室を飛び出した。走っているうちに黒木准教授の真意が分かった。見学者が居た場合は、当然教授を見ていたに決まっている。となると、その視野には星川ナースも入っていたわけで、彼女の行動も無意識に目で追っていた可能性がある。見学者は客観的に手術室を俯瞰していただろうから誰かが星川ナースを――しかも教授の横に立っていたのだからその行動や表情までも――見ていた可能性は高い。
 祐樹は息も乱さずに見学室の扉を開けた。どうか、見学者がまだ居ますようにと祈りながら。
 数人の人影が見えた。と同時に、手術が終盤にかかっている様子も目に入る。チラリと見たが、教授のメス捌きはいつものように華麗だった。手術が成功してくれることを祈りつつ、見学者に向かって声を掛けた。 

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このお話は、






の章立てで出来ております。読んで戴ければ嬉しいです~♪


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 管理人の気分で一章は24話と根拠もなく決めてしまい…明日(パソの前で意識が空白になってさえいなければ)24話と区切りを迎えます。が、内容の上では区切りが付くかどうか…。頑張って何かしらの区切りは付けたいと思っていますが、「ついつい長くなる」という管理人の悪癖から、もしかして全く区切りが付かない可能性も捨て切れません…
 呆れずに見守って下されば嬉しいです。
 やふーIDをお持ちでない方からもコメを戴いて、(内緒コメ大歓迎です~!)携帯からでも、コメント投稿欄の下に「内緒」という箇所にチェックを入れると私と投稿者様しか読めませんので、お暇な方は「読んだ」の一言でも嬉しいので、是非是非コメント下さいませ。感想コメではなくても、その一言が、投稿者様の予想以上に私には嬉しく感じますので~!リコメが出来ないので本当に心苦しいのですがorz


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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