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「がんじがらめの愛」第二章-4

 三條が帰り、自室で一晩まんじりともせず考えた。本当に自分の心情を伝えても良いものかと。彼を困惑させたり、迷惑に思われたりするのも、本意では全くない。しかし、伝えずにはいられなかった。今までひたすらに忍んで来たのは、彼の立場を慮ってのことだった。しかし、事が大きくなる前に彼の気持ちを確かめずには居られない。
 まずは片桐の縁談がどの程度進んでいるのかを確かめる。もし、本人が絢子様の事を好きなら、自分の気持ちは告げない。
『しかし、自分以外の人間が片桐の隣に立つと考えただけで、胸が焦げる。』
 独占欲で狂いそうだった。片桐家の事は勿論、自分の家さえもどうでも良くなって来た。今まで、教室で眺めているだけで我慢出来たのは、彼が他の誰かと特別に親しくなって居ないと確信していたからだと思い知らされた。
 片桐が絢子様の事を何とも思っていないのなら、自分の気持ちを素直に告げよう。確かに自分の家は片桐家の敵だ。 それは分かっている、痛い程。それで今まで告白に躊躇が有った。しかし、どうせ駄目な事なら告白をしないで後悔するよりも、告白をして玉砕する方が、まだ増しであるように思える。
『しかし、拒絶は不可避だな』
 そう自嘲した。しかし、一縷以下でも望みを託して決行するしかない。そう思った。
 三條が自分の屋敷に片桐を呼び出してくれる。そう約束してくれた。明日、彼は三條の屋敷に来るだろうか…。三條の呼び出しが自分絡みで有る事位、彼には分かる直ぐに察する事が出来るだろう。来てくれればいい、そう切実に思った。
 
 翌朝、登校した。片桐はまだ学校には来ていないようだ。すでに教室に居た三條は快活に朝の挨拶をし、
「僕に任せてみろ」
 肩を叩いた。
 片桐が登校して来た。早速三條が教室の隅に呼び出している。二言三言、何か言っていた。それを全身で感じ取ろうとした。片桐は、平静な様子でただ頷いていた。
 三條がこちらにやって来た。
「どうだった」
 急いで尋ねた。三條は微笑を浮かべながら、
「片桐君は今日、特に用事が無いそうだ。帰宅途中に家に寄ってもいいと。勿論、お前も来ると言っておいた」
 授業に身が全く入らないまま、放課後を迎えた。三條は自動車通学をしている。それに便乗させて貰った。片桐も誘ったのだが、「一人で行く」とそう言っていた。
 三條邸に着くと、加藤は三條の部屋に落ち着いた。
「どうだ、気持ちは固まったのか」
 女中の入れた紅茶を飲みながら三條は聞いた。
「ああ、とにかく片桐が絢子様との未来を考えているのならそれ以上は踏み込まない。しかし、そうでないのなら気持ちは伝える。そう決めた。しかし、多分振られる…な…」
「それはしてみなければ分からないことだ」
 そんな事を話していると扉の向こうで「片桐様がいらっしゃいました」と女中の声がした。掌が汗ばんでくるのを感じた。


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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