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「気分は、下克上。」医師編-3(18禁)

「その前に…汗を流したい」
「ダメです。手術の後でシャワーを浴びたでしょう?こんなにシトラスのいい匂いがしているのだから、そのままで…終わってからゆっくり二人で入りましょう。ジャグジーも付いているバスルームというのも新鮮ですね?」
 彼は唇を僅かに尖らせる。その子供じみた表情は最近になって彼が浮かべるようになったものだ。これも二人の関係が以前以上に安定してきて祐樹に心を開いてくれた証のようでいたく気に入っている。
 いつも以上に豪華な部屋は一通り観察した後だった。
「そういう顔もそそられる…。今日は私のリクエストは…正式な医師となったお祝いに全部聞いてくれるのですよね?」
 言質を取るようにもう一度確認する。彼はワインで上気した頬をさらに紅く染めて唇を紅い舌でチラリと舐めてから口を開いた。
「ああ、祐樹が医局に残ってくれたこともあるし、正式に右腕に出来る。公私共にパートナーになれるお祝いなので…」
 一度口を閉ざしたがまだ何か言いたそうだった。
「それで?」
「いや、医局人事については順送りが妥当だし、今開空いていているポストはないので…」
 彼は言いにくそうに唇を噛んだ。
「綺麗な唇を噛まないで下さい。そんなことは分かっています。今医局の役職に就いている先生はそれぞれ実力と人望を兼ね揃えた人ばかりです。柏木先生を筆頭にして。私は一介の医局員で充分です」
 祐樹はもともと出世欲はそれほどない。そもそも彼に出会う前に大学病院に研修医として残ったのも心臓外科の専門医として修行を積めば、どこぞの私立病院に高い報酬で雇って貰えるかもとの下心からだった。それに彼が凱旋帰国して初めての挨拶の言葉が気に入らなくて――今となっては赤面の至りだが――クビ覚悟で異議を唱えたことも有ったくらいだ。プライベートな関係を盾にして彼を後ろから操るつもりも全くない。
 それよりも、彼が魑魅魍魎の権謀術数が渦巻く大学病院の教授達やその取り巻きから庇う方が祐樹の性には合っている。それでなくとも最年少で教授のポジションに上り詰めた彼はいわれのない嫉妬の対象になっている。黒木准教授は確かに天才的なメスの冴えはないが信頼に足る人間だし、専門は違うものの外科の悪性新生物(いわゆる癌だ)の桜木先生や内科の内田講師――確実な噂によると准教授も目前らしい――や救急救命の北教授など彼に味方してくれそうな人間は確かに存在するが、目障りに思っている教授も内科の今居教授を筆頭として、たくさん居るのが現状だ。今居教授の弱みを握れないかと密かに画策はしているが。
 気分を変えようと頭を一振りする。せっかく最愛の彼が豪華な部屋で祝ってくれるのだから、高揚した気分のままで彼との一夜を楽しみたい。
「そうか…。祐樹がそう思ってくれるだけで救われる気がする…」
 彼は桜色の唇にほんのりと笑いを浮かべる。涼しげな目元がワインのせいで薄紅色に染まっているのも扇情的だ。この部屋はプライベートな感じのする他の客室と比べて他の客をゲストとして迎えることが出来るようにとのコンセプトも含まれているのだろう。たとえば政治家が密談をする時に使えるようにとか。シンガポールのラッフルズホテルもスイートルームだったが、あちらはモロに「ホテルの密室」だった。この部屋とは趣きを異にする。
「本当に、何でも聞いてくれる?」
「ああ、何でも」
「では、この部屋で、服を、全部、脱いで。私の目の前で」
 彼の頬がワイン色に染まる。大きく見開いた瞳は幽かに情欲の色を滲ませているが。それ以上に困惑の色が強い。
「この部屋で?あちらの寝室では駄目か?」
 彼もこの部屋を見回して裸身がそぐわないことを確認している。しかし、男の性でミスマッチほど燃えるのは仕方のないことだ。
「ダメです。今日は何でも聞いてくれると約束しましたよね?」
 強い口調で畳み掛けると律儀な彼は諦めた吐息を一つ零した。
「分かった。しかし、こういうのは一回きりだからな…」
「ええ。一回でも聡のストリップを拝めるのは幸せです」
 わざと口角を上げて笑うと彼の頬が更に紅く染まる。恥じらいながらも大胆に振舞うようになった彼は肩幅と身長のある人間しか着こなせないキッパリとした紺色のジャケットを脱いで椅子に置いた。青色のネクタイのノットを白い指で器用に解いている。彼御用達のブランド特有の絹が放つ光沢と彼の白い指のコントラストが綺麗だった。几帳面に短く切り揃えた桜色の爪も清純な色香を放っている。ネクタイをジャケットの上に置くと白に近い水色のワイシャツのボタンを上から外していく。
 直ぐに滑らかな鎖骨が覗く。その上には祐樹が付けた紅い情痕が色鮮やかに咲き誇っている。
 思わず唾液を飲み込んで彼の艶姿を鑑賞してしまう。彼も祐樹の瞳を凝視したままだ。 情欲の薄桜色に染まった彼の瞳に祐樹の視線は惹きこまれてしまう。
 ワイシャツのボタンを全て外すと、彼のワイン色に染まった胸の尖りが思わせぶりに姿を見せたり隠したりしていた。といっても薄いワイシャツ越しにツンと尖った様子ははっきりと見て取れたが。ワイシャツも肩から滑り落とした。ベルトを外すと紺色のスラックスは封印が解けたように床に落ちる。
 彼の形は良いが細い脚はベルトがないとスラックスがずり落ちてしまうので。靴を脱いでから靴下も脱ぎ、最後の下着に手をかけて祐樹の瞳を確認する。
 凝視していたのが効いたのか、彼のモノも兆していた。僅かに頷くと、思い切り良く最後の布地を取り去った。
 日常的な空間と、前髪を上げたオフィシャルな彼の頭髪と、一糸纏わずに立つ彼の姿のギャップがとても淫靡な雰囲気を醸し出す。
「とても素敵だ…このまま繋がっても良い?」
 彼の瞳も緋桜色に揺れている。
「ああ、そのつもりだ…。けれど」
「ええ、分かっています。ちゃんと挿れる時に聡が痛くないようにするから…」
 祐樹の歓迎会やその他もろもろの仕事の事情で情事までは至らなかった日が続いている。同じベッドで寝入る前にお休みのキスや鎖骨上の情痕を咲かせることはしていたが。浴室から乳液のボトルを持って来た。一滴人差し指に落とすと彼の細い鼻梁の近くで振る。
「聡の大好きな香りでしょう?その机に手をついて、両脚を広げて。その方が指で解しやすいから」
 彼は白い肢体を惜しげもなく晒して、濃い茶色のデスクに近づいた。首筋は期待の桜色に染まっている。
「もう少し腰を突き出して…その方が聡の極上の内部が良く見える」
 彼の薫る肩甲骨に口付けをしてから、乳液を手にたっぷりと落とし、彼の祐樹を迎え入れる場所を両手で開いた。
 緋桜色に染まった内壁が祐樹を待ち構えていたかのようにひくりと動く。 





この話はヤフーブログで終了した「気分は、下克上。」の続きです。
29歳にしてアメリカで天才心臓外科医として世界的名声を欲しいままにした香川聡が、母校であるK大学病院に教授として招聘されることになったことに反発を持った研修医田中祐樹(27歳)が色々あった上に恋人同士になったその後の話しです。
すっかりラブラブになった祐樹と香川聡の二人を楽しんで戴ければ幸いです~!



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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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