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「がんじがらめの愛」第二章-3

「しかし、彼はまだ学生だぞ」
 必死に考えた。
「ああ、僕達と同じ年だからな。しかし、御婚約は可能だ。婚約者として数年を過ごし片桐君が大学を卒業すれば御降嫁という選択は充分に考えられる」
「……片桐家としては名誉な事だな」
「それはそうだ。片桐伯爵家としては比類の無い縁談だ。しかし、片桐君はこの件についてどう思っているか、そして僕が一番憂慮しているのはお前の気持ちだ」
「…諦めろ。そう…言いたいのか」
「いや、お前の気持ちは良く分かっている積もりだ。お前が彼を諦めるのなら、僕は何も言えない。しかし、お前はあれからもずっと彼を見て居た。それは知っている。僕が一番尊重したいのはお前の気持ちだ」
 公家華族の彼がここまで言うのは、一重に親友である自分を慮っての事だろう。三條家は御皇室との結び付きが強い。姻戚関係も有る。御皇室よりも自分の事を優先させてくれた心遣いが嬉しかった。
 片桐は絢子様の事を好きなのだろうか。学校での様子を見て居る限りでは彼が恋をしている様子は無かったが、彼は自分の感情を余り表に出す方では無い。全く分からなかった。彼女は美貌と素直なお心をお持ちの方だ。片桐が惚れたとしても不思議では無かった。熟慮の末、三條に告げた。
「…まずは彼の気持ちを確かめる。俺の気持ちを正直に話して。彼が絢子様を好きと言うのなら潔く諦めよう。もし、そうでないのなら、彼の事は俺が守る」
「そう言うだろうと思って居た。だから早く知らせたいと思った。手遅れに成らない内に」
 三條は莞爾と微笑んだ。
「有り難く思う。ただ、彼の立場から見ると絢子様と結婚した方が良いのだろうな」
「それは、片桐君次第だ。彼自身が幸せになる為にお前を振って絢子様との御縁談を進めるならそれはその時の事だ。お前には残酷な言い方だが、全てを明らかにした上で彼が絢子様を選ぶなら仕様の無い事だ。その時は自棄酒に付き合う事にする」
 冗談めかした口調で言ったが、目は笑っていなかった。自分の事を真剣に案じてくれているのが分かる。
「…そうだな。明日にでも俺の気持ちを伝えるだけは伝えようと思う」
「それが一番良いだろう。しかし、場所が問題だな」
「ああ、学校では…な。壁に耳有りだから」
 学校では絢子様の件を知っている学友が居そうだ。そうかと言って屋敷に呼ぶ事も出来ない。屋敷も違った意味で障子に目有りだ。
「良かったら僕の屋敷を使わないか。僕の家でなら自由に話せる筈だ。過去の柵など無いからな」
「…そうさせて貰って構わないのか」
「親友のお前の為だからな。信用出来る使用人しか僕の部屋には近付けさせないようにする。父母も別に誰を招待しても気になさらない。片桐君にも僕から伝える」
 何でも無い事の様に言った。
「…この恩は一生涯忘れない」
 心の底からの言葉だった。
「ああ、恩に着てくれ。高くつくから」
 愉快そうな口調だったが、心の中では自分を案じて言ってくれているのが分かった。


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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