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「がんじがらめの愛」第二章-2

 屋敷で大勢の使用人に囲まれながら夕食を食べて居た時だった。父母は社交に出かけて不在だった。弟と二人で会話をしながらナイフとフォークを動かして居た。その時、屋敷に入って来た車の音が微かに聞こえた。父母の帰邸だろうと思っていると、年配の使用人が告げる。
「三條様がいらっしゃいました。こちらにお通しいたしますか」
 三條が夕食時に訪れる事は無い。そもそもがマナァ違反だ。何かが有ったに違いない。
「いや、部屋に通してくれ」
 そう言って、食事を中断し自分の部屋に急ぐ。父上達が不在なのは有難かった。もし、両親が屋敷に居れば夕食の席を中座することは好まれないだろう。
「この様な時間に訪ねて申し訳無い」
 三條の顔が強張っている。
「それは構わないが、お前、夕食は」
「屋敷で軽く済ませてきた。それよりも、先程母上から聞き捨てならない話を伺った。それですぐにお前に知らせたいと思って来た」
 女中がお茶の支度をしたのだろう、扉の向こうで控えめな声がした。三條は口をつぐむ。晃彦の許可を得た女中が入って来る。
「この宿題が全く分からない。それでお前に頼みがあって…」
 三條はノォトを広げた。わざとそうしているのが分かる。
「ああ、これか、これは厄介な問題だから、こうやって」
 ペンを走らせた。そうしている内に女中が姿を消す。こうして置けば、使用人達は遠慮して入室はしない。三條は真顔に戻った。
「片桐君の事なのだが…言うべきかかなり迷ったが、お前に知らせた方が良いと思ってな」
 ノォトを彼らしくなく乱暴に閉じて言った。
「彼がどうした。」
「最初に確認したいのだが、お前の気持ちにその後変化は有ったのか」
「変化…。それは彼に対しての恋情か」
「ああ、そうだ」
「いや、矢張り片桐に対しては欲望を感じている。父上達の思惑とは逆に、な。だが秘めてきた」
 そう言うと、益々三條の顔が悩ましげになっていた。彼がこの様な顔をする事は珍しい。余程の事だと身構えた。
「絢子様の事は何か知って居るか」
「あの園遊会でお目にかかったきりだが」
 唐突に出た名前に驚いた。自由闊達な内親王殿下だ。それだけしか知らない。
「…そうか…実は、園遊会で片桐君を見初められたらしい。恋文も送られたとか。そしてそれを周囲に仰った、とか」
 周囲に漏らす…それは御内意として直ぐに公の物となる。
「……今上陛下のお耳には……入ったのか」
 驚愕が顔に出た。上手く言葉が紡ぎ出せない。
「それはまだのようだ。ごく周囲の者達だけが知っている。ただ、絢子様のこれからの御言動次第では、御降嫁の話も出て来る可能性も有る。知っての通り片桐家はかつての賊軍だ。そういう家に降嫁された方も沢山いらっしゃる、過去のわだかまりを無くす為にもな」
「…それは、そうだな。」
「もし、この話が片桐家まで行ってしまうと取り返しの付かない事態になる。今上陛下の絡んだ縁談だと、片桐家は諸手を挙げて歓迎するだろう。片桐君の意思など関係は無くなる」
 血の気が引いた。


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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