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「気分は、下克上。」第十三章-16






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「外科の方で手術して下さる先生が急に辞めることになったらしくてね。それで、この病院は祐樹の勤めている大学病院の系列病院だそうで。院長先生が心臓外科医で執刀医って言ったっけ…とにかく手術の出来る先生を手術の有る日だけでも派遣してくれないかと、心臓外科教授の先生にお願いしたらしいんだけど…
 そしたら、とんでもないことにその教授の先生自らが調整の上来て下さっても良いという返事で…院長先生も唖然となさっていたそうでね。
 それで報酬はと恐る恐る聞いたら、私の名前が出て院長先生は二度びっくりして、本人が心臓発作を起こしそうな勢いだったと婦長さんが笑っていた。まぁ、それはそうとして、『田中さんに不自由なことが無いように取り計らって下されば、手術のある日はそちらに参ります。何でしたらその事前準備に優秀な内科医も派遣しますので。独立行政法人になったとはいえ、私は国家公務員に準ずる身分なので報酬などは戴けません』という有り難い御話しだと婦長さんが教えてくれた」
 正式名称が変わっても母の頭の中では昔ながらの婦長さんの方が通りはいいのだろう。
 心臓外科の教授は言うまでもなく彼1人だ。それに祐樹の母のことを気に掛けていたのは知っている。そして、救急救命の北教授に相談して異例の上申書を上げていたことも。
 それはもしかして、祐樹と母のために?
「もしもし?聞いていますか?」
 母の言葉の意外さに相槌を打つことすら忘れていた。慌てて床に落ちた煙草を拾い上げ灰皿に投げ入れた。
「聞いてる。しかし、母さん、この前俺が『不自由はないか』と聞いた時に無いって言ってたじゃないか?」
 反射的に言い返してしまった。祐樹自身内心では大混乱していたので。
「あの時はなかったんだよ…でもね、何しろ大部屋だろう?最近同室になった人が2人いて……その人達が大きなイビキをかいて……それが気になって気になって眠れないので、看護婦さんに『耳栓は有りませんか』ってお願いしていたのが、今回の件でどうやら院長先生の耳に入ってしまったらしいんだよ。だから部屋を替えて下さるという話しになったそうで。
 でも、祐樹も心臓外科だろう?上司に当たる方なんじゃないかい?大学病院の仕組みは知らないけど…教授の先生はどんな人なんだい?」
――祐樹に取って大切な人――とは言えるハズもなく。
「とても優秀な心臓外科医だよ。世界的にも名前が通っているほどの」
「そんな偉い先生が何故…こんな辺鄙なところに出張なさるのかね?それも、条件が私のことを心配して下さっているなんて…とても有り難すぎて勿体ない話しだ…」
「うん、そうだね。とても有り難い話だね。ただ、色々とこちらの世界でもややこしいんだ。だから、もし部屋を変わりたかったら俺が何とかするから…」
 まさか。もしや。という言葉が頭の中を駆け巡って返答も上の空だ。
「そんなの良いよ。毎月送ってくれる小遣いだけで十分さ。ドラマでしか知らないけど、祐樹の世界も大変そうだから、私のせいでこんがらがってしまう話なら母さんはこの部屋で耳栓をして寝るから大丈夫。そんな偉い先生に直接言えるほど、祐樹は出世していないだろ?こっちの病院でも祐樹くらいの年齢の先生は大変そうだ。だから、母さんのことは気にしないでいいからね。やっぱり断ることにしようか…部屋の話しは…。祐樹と話してその方がいいような気がしてきた。じゃあ、祐樹も身体にだけは気を付けて。医者の不養生だけにはならないでおくれ。テレフォンカードがそろそろ切れそうだから…」
「待って、母さん。その話しはもう少し断らないでいてください。こちらでも聞いてみるから」
「ああ、祐樹がそう言うのなら、そうする。じゃあ、また」
 通話が切れた後も祐樹は携帯電話を耳に当てたまま呆然としていた。
 我に返って、母との会話で自分が喋ったことを反芻してみる。盗聴者には母の声は拾えていないだろうから、祐樹の言葉だけを聞いた可能性は高い。
 病気の母が部屋を替わる話しと、香川教授のこちらの世界での一般的評価を言っただけだ。特に――興信所を頼んだのは、山本センセか木村センセだろう。少なくとも祐樹の縁談絡みでは無くなったことだけは確かだ――山本センセは祐樹の母が入院していることを知っている。特に問題はないなと胸を撫で下ろした。
 しかし、今の母の話…香川教授は今以上に手術数を…しかもこの大学病院でなく田舎にまで行って行う積りなのだろうか?
 それも、祐樹の母の病院での待遇改善が条件で…。
 彼の動機は1つしか考えられない。祐樹のためだろう。そういえば彼は「祐樹には母上がいて羨ましい」と言っていた。しかし、赤の他人の母親までに自分の仕事量を増やす――手術だけでなく、多分もう直ぐ帰国予定の病院長への根回しのために事務局へと書類を送り続けているらしいので、その書類作成も大変な作業のハズだ――そんなことは有り得ない。やはり祐樹に対して特別な感情を持ってくれているからだと思う。それも恩着せがましいことも言わず、普段通りにさらりと接してくれていた。
 もしかして、彼は祐樹が想うよりも深く祐樹のことを想ってくれているのではないだろうか?そうとしか考えられない。
 嬉しさよりも先に罪悪感に苛まれる。祐樹も彼を守ろうとした。それは天地神明に誓って確かだ。だが、彼の方がもっと祐樹のことを思って行動してくれている。
 それも彼が帰国して救急救命の仕事を与えられた時から――あの時は嫌がらせだと邪推したが、救急救命室での経験は祐樹のキャリアアップに確実に繋がった――思いつくままに考えてみると、彼は何も言わずに祐樹のことだけを考えて行動してくれた。祐樹の過去の遍歴を聞いた時の彼の返答も、祐樹が余計な気を回さないように優しい嘘を言ってくれたのだと。杉田弁護士の慧眼は的中していたのだから。
 しかし、帰国して初めて会った時から何故彼は祐樹のことをそんなにも特別扱いしてくれたのだろうか?そこのところだけは分からない。
 ただ、この3日間――もう寝るだけだから正しくは2日か――後に、彼には全てを告白し、そして赦しを得ようと決意した。
 木村センセの個人情報をプリントアウトして朝にでも見ようと、机の上に置く。今夜は彼の居ない冷たいベッドで寝なければならない。せめて夢の中だけでもいいから、彼の顔を見たかった。出来れば彼の極上の笑顔を。


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 気管支炎、熱はお医者様に行って、お薬を貰ってきたのでマシにはなりましたが、まだまだ体調が思わしくなく。とか言いながら更新している私です。なるべく毎日更新を目指したいのですが(TT)

 さて、「お礼小説」ですが、勢いで書きました。シンガポールに行くまでは健全路線で行きたいと思っておりますので、一般読者様もお読みいただければとても嬉しいです。














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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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