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「がんじがらめの愛」第一章-19

 園遊会も終わりに近づいた時、三條が片桐を伴って近づいて来た。片桐は丁重な辞去の挨拶を流れるような滑らかさと爽やかかつ上品に祖父に告げている。次に、自分の両親にも。同じように流麗な挨拶だったが、父も母も言葉と表情は丁重だが、氷を思わせる目つきで挨拶を返す。それでも片桐はその事に気づいた素振りは全く見せずにいた。気付いているに違いなかったが。
 片桐と一緒に帰りたかったが、とてもこの場では言い出せない。三條にも礼を言いたかったので三條の自動車に同乗させて貰う事にした。両親のあの様子だと、人目のない所では叱責が待ち構えているだろうと覚悟は出来ていた。なるべくならお叱りは後にして欲しかった。片桐は自分の家の自動車で帰って行った。見送った加藤に向かって柔らかな微笑みを浮かべ、唇に人差し指を当て輪郭をなぞるようにしていた。
 三條家の自動車に乗り込むと、早速感謝の言葉を述べた。
「僕は全く気にしていない。それに親友のお前の頼みでは断れない。お前には親愛の情を持っているから」
「片桐君とはどのような話しをしたのだ?」
 一番気になっていた事を聞く。
「ああ、他愛の無い話だったよ。彼は僕が想像していた以上に良い人間だった」
「そうか…それは良かった」
 片桐を褒められると自分の事のように歓喜の思いが込み上げてきた。真顔に返った三條は言った。
「片桐君の話なのだが、人の耳の無い所で話しがしたい」
 運転手を憚るように小声で囁く。
「では、お前の屋敷に寄っても構わないか」
「勿論だ」
 運転手に三條はその旨を伝える。晃彦は三條の自動車に乗り込んで二人で祖父の屋敷を出た手前、家族には三條邸の電話室で電話を掛ければ家族は問題にしないだろうと思った。
 三條の勉強室兼書斎に落ち着く。三條が使用人を遠ざけた時、晃彦は開口一番尋ねた。
「話というのは、何だ」
「お前、片桐に惚れているな」
 断定口調で言った。
「……何故分かった」
 親友でもあり、今日は随分と世話になった相手でもある三條には嘘は吐けない。
「お前は、しがらみを振り切ってまで彼を園遊会に無理に誘った。しかも、今日のお前は様子がおかしかった。ずっと片桐の姿を目で追っていた。それでピンと来た」
「今日、はっきりと自覚した。彼に惚れていると」
 毅然と言い切った。驚かれるかと思ったが三條はあくまで真剣な眼差しのままで晃彦の視線を静かに受け止めている。
「そうか。では言わせて貰うが、片桐君もお前の事は意識している」
 意外な言葉に加藤は目を見開いた。




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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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