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「がんじがらめの愛」第一章-13

 母の部屋を後にすると、渇いた喉に冷水を飲んだかのごとき安堵の思いが広がる。やはり母は公家出身のせいもあってか、三條と同じような思考をするのだなと思った。そして、片桐と園遊会に一緒に参加出来ることの純粋な歓喜。
 すぐに電話室に入り、片桐の家に電話する。勿論三條の名前を騙って。
 電話に出た片桐は、晃彦の話を聞いても淡々とした話し方をしている。
「よく、オレを招待していいというお許しが出たな」
「ああ、実は母上に泣きついた。母上は一度約束されれば必ず実行してくださる性格だ。だから大丈夫だ。それよりも、お前は大丈夫なのか」
「家のことか。今回の園遊会が加藤家主催なら絶対出席はさせて貰えないだろう。しかしそうでないから大丈夫だ」
「そうか、いささか安堵した。お前の気持ちが変わったらどうしようかと」
「そんな…それよりも、オレは社交界に出たことがないから失敗しないか不安だ。お前のように場慣れしていないからな」
「大丈夫だ。俺が責任を持ってお前の面倒をみるから」
 機械の雑音かも知れないが、かすかなため息が聞こえたような気がする。
「…そうか、有難う」
「では招待状を送るから一緒に行こう。家から自動車を出させる」
「いや、それは…。お前は父上や母上とご一緒の車だろう、そんなことは無理だ」
「いや、そうではなくて、父母とは別の自動車で行くつもりで…」
「それでも、一緒の車に同乗して参加したことは誰かが見ている。会場で落ち合おう」
「…お前がそう言うのなら・・・」
 確かに華族社会は狭い。片桐の言う通りだと思った。何故気づかなかったのか悔やまれたが、原因を考えているうちに分かった。
 三條の了解を取り付け、母上を説得出来て自分は浮かれていた。通常は自信を持っていた判断力が何故か鈍っていたということだ。
 どうして片桐と一緒に園遊会に出る事に嬉しさを感じるのだろう。話をしたいだけなら、学校の人目の無い場所で十分じゃないか…。そんなことを思っていると、心の奥に漠然とわいてきた思いがあった。
 掴み所のない思い。それが何かを考えるが自分でも分からない。分かるのはとにかく片桐と話しがしたい。一緒に居たいと思う自分の気持ちだけだった。




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テーマ : 自作BL連載小説
ジャンル : 小説・文学

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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