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「気分は、下克上。」医師編 春-31(厳18禁)

 出来るものなら絶頂を極めたままで朝を迎えさせてあげたいと思うが…現実はそう甘くはない。
 ベッドに伏した彼の内壁は情事の残り香を惜しむにも似た動きで祐樹自身をひたりと包み込んで放さない。とても惜しい気がしたが、彼の中の天国から祐樹をゆっくりと引き抜く。大量に彼の秘密の場所に注ぎ込んだ真珠色の液体の立てる淫らで妖艶な水音は、遥かな昔に読んだり見たりした「ビーナス誕生」の神話の時の貝が開いて泡と共に途方もなく美しいものが出て来る錯覚を覚える。
 先端部分を彼のベルベットの出口まで引き抜いた。一番太い部分が通過する時は彼の蕾も大きく開く。匂いは別にしてヨーグルトをかき混ぜた時と同じ音と共に熱い粘液が大輪の粒を作っているのを感じた。その大粒の真珠が彼の双丘の秘められた場所から祐樹自身に架かる白い虹に変化したのを敏感な先端部分で感じ取る。
 昨日の日曜日、祐樹が行為の後で墜落するように眠ってしまったことを思い出し、その時彼がしてくれた清拭を試みようかと一瞬思ったが、祐樹と彼とでは条件が違いすぎる。祐樹の場合は体表部分のみで済むが、彼は祐樹自身が思いっきり奥まで注ぎ込んだ白い粘液が問題だ。清拭では絶対に無理な処置になる。
 激しい行為と、そして恐らくは――元凶は祐樹のエラーだったが――後悔の証である涙の跡だけでも拭き取りたい。 彼は枕にうつ伏している。その枕は涙と飲み下せなかった唾液で驟雨の後の有様だ。
 枕を取り去ろうと、彼の首に腕を回す。途中で腕が軽くなった。
「大丈夫?キツくなかったですか?」
「ああ、どのくらい意識を手放していた?」
 彼の掠れて少し低くなった声は良い夢を見ている人が洩らす安らぎと、そして行為の激しさの余韻か老木に力なく、だが、健気に咲いている桜の色香を感じさせる。
 祐樹が出て行った際のことを覚えていないので意識が飛んだと自覚したに違いない。
「そんなに経ってないです。同時に極めた後に、私が自身を引き抜いて…そして聡が不快だろうと枕を変えようと首筋に腕を回したところですから…」
「なら…もう少しこのままで居ていいか?」
 僅かに混じる懇願の響きに彼の感情の振幅を感じる。肢体の内部のことも気になったが、一番の懸念は彼の精神状態だ。それに彼のベッドは広い上に、お互いの身体は貪りあったがアクロバティックに体位を変えたわけでもない。半分の面積は確かに粘液が零れて珠のように飛び散っているが、あとの半分は出勤後――といっても、日曜日に彼の手でベットパットまで洗濯済みだったが――家政婦さんがシーツをさらに新しく変えている。
「ええ、では、こちらに来て」
 泣き顔を見られたくないだろうから、灯りは点けずに彼の細い肩を両手で誘導して、清潔なシーツ部分に移る。ベッドヘッドに上半身を預けてから彼の肩から指までを優しく撫でた。彼の汗の雫が浮かんだ素肌が祐樹の素肌と密着する。その汗すら愛しさを感じる。肩に重みが掛かり彼の濡れた髪の感触がする。前髪を優しく梳きながら指を絡めた。 底に情事の熱さを秘めたひんやりとした指はもう震えていない。
 雨に濡れた薔薇を思わせる吐息を零した彼の唇を奪う。
「とてもとても良かったです」
「私もだ。あんなになったのは初めてだ」
 お互いの唇を呼吸で湿らせながら話す。絡めた指はどうしても離せない。
「普通は射精をすれば一段落だろう?それが今回は違った…達した後に頭に花火が上がった感じで…それは…実は今も余韻が続いている…頭の中を線香花火が弾けているし」
 ポツンと言葉を切った彼は、絡めた指を彼自身の先端部分に誘導した。
「ここも…」
 指で確かめてみると彼のソコからは真珠の粘液が後から後から珠となって滴っている。行為の際の涙では足りなかった水滴の代わりのように。
「そんなにも感じて下さって…とても嬉しいです。…でも…今日は不用意に触らない方が良いでしょうね?」
「ああ、触られたら…また祐樹の熱い飛沫を私の中で感じたくなるから…、今日は駄目だ。その代わりにこれが落ち着くまで祐樹の体温と素肌を感じていていいか。とても心が静謐になるから…」
 暗闇の中でひっそりと咲き誇る満開の桜の静けさを思わせる声だった。
「もちろんです。肩も腕も…私の身体は全て貴方のものですから。ただその状態が止まったら言って下さいね。バスルームに行って、貴方の秘められた花園の奥の奥に滴っている私の愛情の証である白い蜜を流してしまわなければなりませんから」
 彼の細い肩がひくりと震えた。
「その低い声で…そういうことを言うのは…逆効果だ。
 また…前からも後ろからも止め処なく零れてくる…。バスルームでは…仕事の時のように無機的に指を動かしてくれなければ」
 濡れた緋桜が凝った吐息を洩らした。是非とも彼の口から言葉の続きを聞きたいが、聞いてしまうと祐樹も理性の歯止めが効かなくなる。
 雄弁な濡れた吐息が空中に発せられることのない言葉を紡ぎ出す。
『もう一度、挿れてもらいたくなる』
 唇を離して、事務的な声で言った。
「貴方の仕事に差し障るようなことなどこれ以上は出来ません。それでなくても無理をさせているのに」
「有難う。多分、これだけの涙を流したのは生まれて初めてだ。泣くと気分がすっきりするという理論は、少なくとも私の実践によって確かめられた」
「論文に出来ないことがまた一つ増えましたね。といっても、論文にするにはサンプル数が少なすぎて…指導医からは却下をくらいそうですが」
「ああ、却下だ」
 彼が少しは湿っているものの小さく朗らかな声で言った。朝露に濡れた満開の桜を思わせる声だった。
 明日、彼の目が腫れていないことを願おう。そして胸の尖りも沈静化していることも。



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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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