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「気分は、下克上。」医師編 春-14

「え?」
 目を覚ました祐樹は窓から入る明かりが黄昏の光であることに気づいて愕然となった。 隣には最愛の人の気配もなく、慌てて上半身を起こす。枕元の時計も5時を過ぎていた。朝から今まで熟睡していたらしい。行為の後に「5分間だけ眠ろう」と思ったのだが、5分どころではなかったらしい。
 しかも着衣を着けていないのは当たり前の話なのだが、長時間、腕枕をすると感じる手の痺れはない。それに両手は拭われたのかやけにさらさらとしている。眠る前は色々なモノでベトベトだった。それにシーツや枕やベットパットも交換したのか洗いたての香りがする。激しい行為の後はお互いの体液で濡れそぼっていたというのに…。枕まで交換されて目敏い祐樹が起きなかったのも不覚だった。上半身を起こしたついでに自分のモノが目に入る。ソコも綺麗になっていた。触ってみても皮膚の感触しかしない。
 枕元に新しい着衣がキチンと畳まれて置いてある。慌てて服を着ていると、気配を感じたのか、彼が寝室のドアを開けた。彼も、もちろん朝のワイシャツ姿ではなく、長袖のTシャツにスラックス、そして朝の行為の前に、祐樹が却下したエプロンを着けている。
「済みません。5分だけと思ったのですが、気が付いたらこんな時間でした」
 彼はふんわりと笑う。
「いや、祐樹が寝入る前の口調がとても眠そうで…呂律が回っていなかったから…随分疲れているのだろうなと思った。折角の休日だからゆっくり寝かせたいと……起こさなかったのだが」
 あ、キッチンの床!と思った。体力と精神力を使い果たした救急救命室での夜勤が終わり、情欲だけを溜めて帰宅した。朝食後、彼とキッチンで一回肌を重ねた。自分の体液は彼の肢体の中に弾けさせたが、彼の分は床に白い小さな池を作っていたハズで。
 ベッドが行為の痕跡を残していないということはキッチンも同じである蓋然性が高い。慌ててキッチンに行く。
 テーブルの上には夕食が並べられていた。どうやら鮭をメインにした散らし寿司と小芋の煮転がしと和風温サラダが今日の夕飯らしい。チラッと見て「とても美味しそうだな」と思う。そう言えば昼食は抜きだった。案の定、朝、祐樹が彼に狼藉を働いた場所は元通りになっていた。
「済みません」
 頭を下げると、彼は少し悲しげな瞳をする。自分の体液を自分で始末するというのは、――それも場所は健康的な雰囲気の漂うキッチンだ――惨めな気持ちになるに違いない。2人で後片付けをするのならともかく、1人でさせたことに罪悪感が募る。
「鮭と大葉とイクラの散らし寿司は嫌いだったか?」
「は?いえ、大好物ですが…」
 意外な言葉に驚いたが。言葉を紡ぐ。彼の顔が微笑を取り戻した。
「そうではなくて、キッチンの後片付けとか、ベッドのシーツ交換とか…ああ、貴方の中に私のモノも…今朝たっぷりと注ぎ込んだ」
 彼の頬が熟しきる前の桃の清楚ながらも瑞々しい紅に染まる。
「せっかく、祐樹が私にくれたモノだから…ずっと感じていたかったのだが…。身じろぎするたびに溢れ出てくるので…仕方なく起きてからバスルームに行って…。その……綺麗にはした」
「1人でさせて済みません。貴方の中を綺麗にするのは私の喜びでもあり義務でもあるのに…」
「これ、目覚まし代わりだ」
 白玉に黄粉が掛かったお菓子と温かいお茶が魔法のように盆の上に置かれた。
「有難うございます。こっちも美味しそうですね。ただ、5分しか寝ないつもりが…」
「祐樹が疲れているのは分かっているので全く気にしていない。それに・・・」
 彼の頬が紅みを増す。唇はどこか楽しそうな笑いを含んでいる。
「最初に祐樹とこういう関係になった後は、自分で始末したので…要領は分かっているし、別に苦でもない。そっとベッドから抜け出して…その気配で祐樹が起きたら――寝入る前の口調は、子供のようで可愛かった…な。とても眠そうだったので多分起きないとは予想していたが――2人でバスルームに行こうと思っていた。バスルームから戻っても、祐樹は熟睡していたので、ぬ、濡れたシーツなどは不快だろうとそっと替えても起きなかったので」
 そういえば、彼との関係は誤解から始まった。今思えば酷いことをしたものだと、苦い思いがこみ上げる。
 その思いとは別の気持ちも抑えることが出来なかった。
 今朝の行為は最も激しいものだったので、彼の極上の内壁もいつも以上に艶めかしい色艶を放っていただろう。それを見ることが出来なかったとは。自業自得とはいえ、後悔の念が後から後から湧いてくる。
「ええ、シーツを交換されたことも全く気付かずに熟睡していました。さすがはアメリカの病院で患者さんのシーツを替えて100ドルのチップを貰っただけのことはありますね。あ、この白玉、程良い甘みがとても美味しい」
 白玉の滑らかな光沢を見て、祐樹は自分が彼に放った白濁が彼の紅く染まった濡れた内壁やその入口に淫らに宿っている光景を連想した。見逃したのは返す返すも痛恨事だった。
「それに手や…祐樹のモノも…さぞかし不快だろうと清拭をしたのだが…」
「何から何まで本当に済みません。しかし、清拭の仕方までご存知だったのですか?」
 普通はナースの仕事なので、知らない医師が圧倒的だ。祐樹も大学の講義で聞いた覚えはあるが、実践したことはない。
「ああ、医師免許は総合資格なので…全てを知っておかなければならないとフト思って、学生の頃に教えて貰ったし、ベテランナースの指導の元で実際に行ったことも有る、2回だけだが」
 何でもなさそうに言う彼は、医師としての心構えからして違うのだと思った。 
「それにキッチンの床…本当に済みません」
 頭を下げると、彼は唇を弛めた。
「いや、別に…掃除は苦でもない。ただ…」
「ただ?」
「行為を思い出して切なかったが。今朝は私自身も戸惑うほど、祐樹が欲しかった。まだ身体が火照っている」
「そんなに感じて下さって光栄です。さらに敏感になりましたから、ね。具体的にはどこが?」
 彼の頬が熟した桃の色香を帯びる。滴るような清純な瑞々しさを伴って。
「ここと、ここが特に…」
 胸と臀部を白い指で指し示す。その白魚の指も色香が匂うようだった。
「ああ、いつもよりも強くしましたから…ね。見せて下さい」
 彼の顔が少し強張った。
「見るだけなら…構わないが…。絶対に触らないで欲しい。触られたら、歯止めが効かなくなる」
 明日は通常勤務だ。歯止めが効かなくなると、多分最後までしてしまう。それでなくても今朝は無理をさせた自覚があるので、断腸の思いで言った。
「絶対に触りません。それでなくても、今朝は無理をさせましたし…それに心ならずも後始末まで全部貴方に押し付けてしまう結果になって。何か、したいことはありますか?折角の休みですから貴方のリクエストを聞きたいです」
 彼はエプロンを外してTシャツを上へと捲り上げた。その指の動きも艶めかしい。
「ああ、まだ紅く尖っていますね。とても綺麗な紅い珠だ。触って、転がしたくなる」
 彼は切れ長の涼しげな目に僅かな威嚇の色を浮かべる。祐樹から警戒するように数歩離れた。
「絶対に駄目だ。足や腰だってまだガクガクしているのに…」
「それは…貴方が強くして良いって仰ったから」
 彼の頬が羞恥に染まる。唇も尖らせているが、こちらは2歳年上とは思えないほど頑是ない風情だ。自棄になったようにスラックスと下着を膝まで下ろすと後ろを向いた。
「ああ、とても綺麗な紅色の内出血ですね。普段は白い双丘が私の腰骨が当たって綺麗な色に染まっている。これ以上見ていたら私も理性は保たないですから…元通りにして上げたいのはやまやまですが…触ったらダメなんでしょう?」
 彼は慌てた仕草で着衣を整えた。
「リクエスト…聞いてくれると言っていたな?」
「ええ、何なりと」
 彼は桜の花が綻ぶよりも綺麗な微笑を祐樹に向けた。こんな笑顔を見せられたら何でもしてあげたくなる。財布の許す範囲でだが。


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Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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