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「気分は、下克上」医師編 春-2

 着替えの場所に乱入したいのはやまやまだったが、物事は我慢した方が楽しいことが多い。ちなみに祐樹は――滅多に食べないが――ケーキの苺(苺自体は大好物だ)は最後に食べるタイプだった。
 祐樹も室内着に着替えてキッチンに行く。室内着は長袖のTシャツとジャージのズボンだ。
 彼は先にキッチンに居て、朝食の支度にかかろうとしているところだった。祐樹のリクエスト通り夏用の薄く白いワイシャツとエプロン姿だった。その姿にクラリとする。前髪が下りているのでより一層。
「良くお似合いです。でも…もう一つ、下心付きのお願いを聞いて貰っていい?」
 彼の前髪を掻き上げては手を離す。すると、彼の髪は少し逆立ったかと思うとハラリと白い額に落ちかかる様子が煽情的だ。
「ああ?祐樹の要望通りにはした積りだったが…?」
「ええ、ワイシャツから覗くすんなりと長い脚はとても素敵です…だた、そのエプロンよりも、この前一緒に買い物に行った時に購入した物の方が…それと、ワイシャツは第3ボタンまでは外して」
 今彼が見に付けているエプロンは、青一色の何の変哲もないエプロンだった。
「どう違う?本当に分からない」
 リクエストに応えきれなかったもどかしさと、何が悪いのかが分からない困惑を眼差しに乗せて祐樹に送ってくれた。彼がとことん鈍い――その鈍さも祐樹は大変気に入っていたが――ことも分かっている。長い指が几帳面に一番上まで留められたボタンを外していく。
「そのエプロンの結び目は全部布地ですよね?でもあっちは、結び目が縄なんですよ。縄の方が色っぽく感じます」
 鎖骨上の情痕を満足げに見ていると彼はそんな祐樹の内心にも気づかずに無情にも身を翻した。
「…そういうものか…では、着替えてくる」
 透明な眼差しがとても艶めいていた。数分とかからずに軽やかな動作で戻って来た。動作が速くなければこの仕事は務まらない。
「これで…いいのか?」
 祐樹はにっこりと笑った。
「やはり、そちらの方がいいです。縄で戒められているようで…とても素敵で…今すぐにでも押し倒したいくらいです…よ。それに鎖骨の紅い花が見えてとてもイイ」
「今でも別にいいが、昨日の夜食以降は何も食べていないのだろう?先に朝食を作るから、その後にしよう」
 艶やかな眼差しだったが祐樹の身を案じる色も含まれている。
「そうですね…昨日貴方の部屋で夜食をご馳走になったきりで、その後は飲まず食わずでしたから」
「朝食は和食がいいか?それとも洋食が?」
 彼の作る料理はどちらも美味しい。一瞬迷ったが、動きは和食の方が大きい。祐樹もキッチンに立つので、味噌汁用の鍋が上の棚に保管されてあることは知っている。あれを取るためには――このマンションが外人にも対応しているために上の棚は彼の日本人としては平均を超えている身長でも――爪先立たないと無理だろう。そうなればワイシャツは自然と肌をより広範囲にさらけ出す、
「和食がいいですね」
「分かった。時間がかかるがいいか?」
「ええ、貴方の料理姿を食前酒代わりに拝見する…という条件だけ許して下されば」
 いつもは彼が作る時も手伝ってきた。ただ、横に立つと彼の艶姿が観賞出来ない。
「祐樹…昨日は救急救命室だろう?疲れているだろうし、座っていてくれ。手伝わなくていいから」
 いつものように信じられない早さで祐樹の前にコーヒーが置かれる。それを飲みながら彼の姿を目で追う。
 本格的に朝食の準備にかかった彼は、無防備な背中を祐樹にさらしている。朝の光がさんさんと降り注ぐキッチンで白いワイシャツと背中に回されたエプロンの縄目が夜勤明けの目には眩しい。しかも肝心な部分を隠しているワイシャツはなにぶんにも薄いので彼の動きのたびに悩ましく太ももがチラッと見える。全身に何も纏っていない肌というのもとても悩ましいが、チラリと覗く素肌というのも煽情的だ。
エプロンの縄目からは彼の肩甲骨の動きが艶めかしい。
 彼が味噌汁用の鍋を取ろうと背伸びをする瞬間を息を殺して待つ。彼は己の姿がどんな意味を持つのかまだ分かってはいないのだろう。何気ない動きで背筋を伸ばして上の棚の扉に手を掛けた。
 白い太ももからその上数センチの双丘がチラリと覗く。思わず生唾を飲み込んでしまった。白い練絹のように清らかで艶めく素肌だ。そのもう少し上は祐樹だけに許された特別な場所ではあるが、背伸びしたくらいではそこまでは拝めない。見たいとは思うものの見てしまうと自制心に自信がなくなる。
 大根と人参と油揚げを細く切った味噌汁と、サワラの焼き魚と卵焼き――関西人らしく砂糖やミリンは使わず塩味だけだ――に添えられた大根おろしとホウレン草の煮びたしに炊きたてのご飯と漬物が瞬く間に食卓に並べられた。もちろんお茶も。
「出来た。召し上がれ」
 向かいに座ろうとする彼を制止した。喉が渇くのでお茶を一口飲んだ後におもむろに口を開く。怪訝そうな顔で中腰になったままで律儀に動作を中止している彼に微笑んだ。
「とても煽情的な眺めでしたよ…特に肩甲骨を戒めているエプロンの縄とか…爪先立った時に覗いた白い双丘は特に下半身を直撃しました。あのまま押し倒そうかと思ったくらいです」
 そう言うと、彼の頬がさっと桜色に上気する。それまでは無心で朝食の準備に集中していたに違いない。
「そう…か?私は普段通りに用意をしただけだが…」
 彼の食器の位置を直す指先の動きまで瑞々しくて色っぽいものに変化している。
「ええ、それで…エプロンを脱いで下さい。脱いで、こっちへ来て」
 するりとエプロンの紐を外した彼は祐樹の方に静かに歩み寄る。紅の頬がますます煙るように色っぽい。
「貴方の胸の尖り…ツンと布地を押し上げていますよ?さっきまでは存在を主張していませんでしたよね?もしかして…感じている?」
 薄く白い布地に両胸の尖りが飾りのように突き出ている。本能を直撃する眺めだった。
「祐樹が…そういうことを言うからっ」
 先ほどとは微妙に口調も変化している。薫る吐息と口調は明らかに欲情の兆しだった。
「胸をもっと育てましょうか?もっと熱くそして硬くなりますよ…ね。アルコールが入っていないので、薄い桜色でしょうが…桜色の尖りも清楚で色っぽい」
 彼は絡めた祐樹との視線を外す。少し桜色の唇を尖らせた。しばらく躊躇っていたが、桜色の薄い唇を開いた。
「それをされると…全部されたくなる。私はそれでもいいが…」
「胸だけでは済まないと…それはいいことを聞きました。全部と言うと?」
 朝の光にはそぐわないもわりとした濡れた空気がキッチンに立ちこめるのを感じる。
 彼の唇がますます尖る。が、怒っているというわけではなさそうだ。ピロートークめいた会話で祐樹自身もすっかりその気になっている。
「祐樹を私の中で感じて、祐樹の熱い白濁のほとばしりを感じたいと思うようになってしまう」
 彼の正直で色っぽい返事は想定外だっただけにどうしようかと迷ってしまう。性欲か食欲かの楽しい二者選択だ。
「聡はどちらを優先させたい?」
 耳元で囁くと彼の背中がヒクっと跳ねた。


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テーマ : 自作BL連載小説
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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
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