スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

桜吹雪の風?

「今はサツがうるさいのでロクな放免祝いも出来ねぇ…。悪いな、お前の功績は皆が知っていることだぞ。」
「有難うごぜいやす」
石渡組の上部団体である香取組の組長が親しげに声を掛ける。日本一の構成員を誇る実力派だ。おそらくはアルマーニと思しき三つ揃えを着用し、金のロレックスを嵌めているが、顔や物腰が明らかにスジ者であることを物語っている。しかし、どんな高級な身なりをしていても三浦の兄貴(と言っても杯を交わしたわけではないが)のくしゃくしゃのシャツと短髪の方が勝って見える…。などと佳樹が考えていた時に、「おい、タバコ持ってないか?」と三浦に声を掛けられた。
 放免になった暁にはしかるべき人間がタバコを差し出すのが習慣になっているので佳樹もうっかりしていたのだ。
うろたえ気味に「はい」と言ってタバコと100円ライターを胸ポケットから取り出す。三浦は、「かたじけねぇ」と言い、一本取り出し、唇にタバコをくわえた。佳樹はすかさずライターの火を向けた。「ありがとよ」と言った三浦の微笑に不覚にもドキリとする。
 三浦がタバコの煙を深く吸い込んで、心底嬉しそうな顔をした。
「兄貴、7年のお勤めご苦労様でした。香取組が今こうしていられるのも全て兄貴のお陰です。と言って、いきなり以前のシノギに戻るのも気の毒だ。だから、しばらくは組が用意したマンションで暮らしておくんなせえ。もちろん女はつけます。極上のオンナです。銀座のナンバーワンホステスです。」と香取が言い出した。
「懲役ボケに社会復帰のリハビリをさせるつもりか…」
タバコの煙に目を細めながら何かを思案する表情で三浦は黙り込んだ。
「ありがたくマンションの方は使わせてもらうことにする。しかし、オンナはいらねぇ。ここのこいつを貰っていく」グイと腕をつかまれて驚愕した。相手はこの世界では知らない者がいない有名人だ。しかも、男前。そんな男と同居生活をするとは…。
石渡とボソボソ話をしていた「それでよござんすか?」と香取は言った。「もちろんだ。」
急転直下の出来事に心がついていかない。マンションで男と2人暮らし??
「あ、俺、いや私は掃除が苦手で…」と一応辞退をしようとした。石渡の部屋住みなので掃除の特訓も受けてはいるが、どうも人よりも時間がかかってしまい、しかも見た目が綺麗に整ったことはないのだ。
「そんなこたぁ分かっている。掃除はマンションの管理人に特別料金を支払えば大丈夫だお前は兄貴に今のことを教えることと、退屈させないようにするのが仕事だ。さぁ、行け」と強引に香取のシルバーメタリックのベンツ600に乗せられた。運転手以外では自分が末席であることは分かっていたので助手席に乗り込み、背後をそっと窺う。香取も有名な極道だし、三浦もそうだ。そんな2人と同じ車内に乗っていることが信じられない。二人は小声で話しをしている。残念ながらその声は佳樹の耳には届かなかった。





スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

FC2ブログランキング
ランキングに参加させて戴いております。ご訪問の際ポチっと。とっても喜びます!!

FC2Blog Ranking

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。