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桜吹雪の風?

 目尻に皺を寄せた健二の兄貴は妙な吸引力がある。思わず凝視したいほどの…。
「おめぇ。いくつだ?」革張りのソファーに座って煙草をくゆらす健二の兄貴に、座っていいか分からず、立ったままで答える。
「二十歳です」
「そうかぁ。二十歳か…。じゃあ知らないかもしれないなぁ。8年前の大阪のY組とウチの組の抗争を…」
「……」
どこかで聞いたことはあったが、よく分からない。
「話、長くなる。横に座れ」
唇の両端をくいっと上げて、三浦は言った。
「その前に何かお飲みになりやすかい?」と聞いてみた。自分は世話係として同じ部屋にいるのだ。高価な洋酒がぎっしりと入った家具を見て、今更ながら気がついた。
「酒か…。何しろ7年間も呑めなかったんだ。今呑んだら酔っ払っちまう」
「何か必要なものはあります…いやありやすかい?」と聞いてみる。微笑が深くなった。
「いや。構わないでくれろ。続き、聞きたくねぇかい?」
「はい、聞きたいです」
「あん時の抗争は凄まじくてな…。何しろY組組長までが前線の指揮を執るために新宿まで出てきた。シマ争いの中でも最も壮絶な戦いだった。俺は組長のタマよけとして組長の傍にいた。Pホテルのラウンジで会合中、Y組長の鉄砲玉がチャカ持って襲ってきやがった。タマよけと同時に、俺は鉄砲玉を返り討ちにした。もちろん逮捕さ。正当防衛なんざ認められず7年もの実刑を食らっちまった」
苦笑する三浦は別に何でもないような顔をして微笑んだ。
「おめぇ…。妙に言葉がヤクザっぽくねぇな…、ま、顔もヤクザには見えねぇが」独り言を言うように呟いた。
その口調は佳樹のことを心の底から思いやっているような感じがした。
「この人には打ち明けたい」と心の中で叫び声がする。石渡組に入って以来、初めての衝動だった。この男は他の男と違う。相手が殺人犯でも何故か怖いとも、自分の心をガードしようとも思わなかった。不思議な情動。
「水を戴いていいですか」とキッチンに入り、冷蔵庫からミネラルウオーターを取り出す。冷蔵庫は組の人間が手配したのか沢山のものが入っていた。
ミネラルウオーターとグラス二つを盆に盛りリビングに戻った。
自分のことを話すのは苦手だ。未だに自分の置かれた状況がよく理解出来てないというか、納得できていないのだ。
 二つのグラスに氷を入れ、水を注ぐ。そうして三浦にグラスを渡す。嬉しそうに三浦はグラスを受け取った。ふと、手が触れた。わけもなくドキリとする。

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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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