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桜吹雪の風?

「どうしてこの男を見つめただけでドキリとするのだろう?そして誰にも話したくなかったことを話したいと思うのだろう…?」
自分でもよく分からなかった。男の独特な雰囲気のせいなのか…。ふと、自分の考えに没頭していたことに気づき、三浦を見た。三浦もこちらを見ている。
「俺は、いや…僕は数ヶ月前まで大学生でした。父親も会社が順調で何不自由なく育てられましたが、会社の業績が悪化し、取引先の銀行がもう融資をしないと言ってきました。あえなく倒産してしまいました。その心労で父が倒れ、そこで僕は就職しようと思いましたが、どこも雇ってはくれず、途方に暮れていたところを石渡組の組長が部屋住みになる代わりにヤミ金からの借金など全部チャラにしてくれるという話を持ってきていただいて。僕にはその選択肢しかなかったんです…。銀行からの融資がストップしてからはヤミ金やマチ金から父は借金を重ねていたようですから…」
「で、お袋さんは?」
「母は数年前病気で亡くなっています。兄弟もいませんし」
「そうだったのか。だからお前さんからはヤクザの匂いがしねぇんだな」と目を細めて言った。
「部屋住みはどうだ?」
「よく分かりませんが、任侠映画にあるような下働きのようなことはさせてもらっていません。僕も何故だか分かりませんが…でも、株取引や法律の勉強をするように仰せつかっています」
「株取引や先物取引は最近のヤクザのシノギの主流だそうだ…。法律もヤクザには必要なモンだぜ」
 少し卑下したように三浦は言った。
「勉強は面白いか?」
「はい、もともと法学部だったので法律の勉強は苦になりませんし、株の勉強も面白いです」
クイっと唇の端を上げて皮肉そうに言う。「これからはヤクザにも企業舎弟が増える時代だそうだ。昔ながらのヤクザは居なくなっちまうだろう」
…そんな話は部屋住みの時に耳に挟んだことがある。おそらくは事実だろう。ヤクザも生き残るために色々と知恵をつけなければいけない時代だ。そのためにも自分は株や先物取引のルールそしてパソコンの扱い方などを色々マスターしてきた。ヤクザの世界に身を置くのは不本意だが、今のままでは仕方がない。いずれ力がついた時に考えればいいと、ヤケではなく冷静に考えている。
 ふと気づくと、三浦はリビングを出ていってしまったようだ。どこに行ったのか?探すことにする。玄関のドアが開く音は聞こえなかったので、室内にはいるだろう。中央のドアを開けるとダブルベッドの寝室があった。20畳はあるだろう。その横にはパソコンが数台設置された部屋。これも同じくらいの大きさだ。もう一つの部屋は空室だ。こちらは若干狭いがそれでも16畳はあるだろう。そしてバスルームと、トイレが別々になっている部屋。自分は空室に毛布か何かを持って寝るしかない。それが目下の役目だ。
 そう考えていると、ベランダに面したガラスのドアが開き、三浦が入ってきた。
「そろそろ、寝るか?」
「はい、ではお風呂をおたてします」
「シャバの空気の中の風呂は格別だろうな」と嬉しそうに呟いている。
風呂場にも生活用品が必要な分用意されていた。操作も何となく分かる。すぐに用意が出来、三浦を呼びに行く。ぼんやりとソファーの上で煙草をくゆらせていた三浦は、「お前も入るか?一緒に?」と何でもなさそうに声をかけてきた。
 聞いた瞬間、冗談だろうと三浦の顔を見たがいたって真面目な顔をしている。その顔を見た瞬間、何故か顔が赤くなった。


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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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