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桜吹雪の風?

 その後、初めて他人の手に触れられたことにぼんやりとしていると、三浦は佳樹の額に手を置き、
「桜みたいな色になったな。そういえばおめぇは桜の花びらで俺にキスしたろ?」
「…どうしていいか…分からなくて、好きな人に…何と答えれば」とそっと言った。
「そう…か。俺が好きか?こんな人殺しでもか?」
「はい」万感の思いを込めて告げた。
 ―それに優しかったし―
 男同士のそれはもっと荒々しいものだと、部屋住みの頃、刑務所に入っていた兄貴分から聞いていた。両親を愛していたが、それ以上に…いや、比較する対象ではなく―愛している。
「もう寝ろ。今夜はもうなんにもしないから」額にかかる髪を撫でながら三浦は言った。さらさら、さらさら髪を梳くっては撫でる骨太の指を感じる。他人の肌のぬくもりがこんなにも安らげるものとは知らなかった。ほどなく佳樹は眠りの国に入って行こうとした。
「おめぇが桜みていだ…」そう呟く三浦の声が夢うつつで聞こえたのを最後に。

 携帯電話が鳴った。出所後に持たされていた三浦の携帯だった。着メロなんて設定していないのでごく普通の着信音が聞こえる。
「何?渡辺のおやっさんがハジかれた?それで容態は?」
 三浦の慌しい声に目が覚めた。佳樹に一度も向けたことがない怖い顔をしている。
「場合によっちゃ抗争が始まるな…」
 電話を終えると、佳樹の近くに寄って来てそう言った。
 組長がピストルで撃たれた。その後の抗争…それは部屋住みの頃からよく聞く言葉だが、三浦とこういう関係になってしまった今、その言葉が妙に重たく響く。
「俺は懲役ボケだが、渡辺のおやっさんには恩がある。何とかして犯人をトラないとな」
 ―トる…殺すということか。それがこの世界の掟―
「渡辺の親父は意識不明の重態だが命に別状はねぇ。とにかく見舞いに行って来るからここを動くんじゃねぇ」
 慌しく出て行った三浦に自分が出来ることはないかを考えてみる。
 ―パソコン…!ネットで調べることが出来る!!―
 ニュースサイトはもちろん、ハッキングも…。今までしたことはないが警察のコンピュータのセキュリティの脆弱さはこの世界では常識だ。自分でもやってやれないことはないはず。早速試みることにした。ハッキングはお手の物だ。お目当てのものを入手する。
「犯人は岩崎雄二…清水組の構成員か。でも特に渡辺組長とのトラブルなし」と。すると、身代わりの出頭か…。この世界にはありがちのことだ。
 ―じゃあ、命令したのは誰だ―。
 ありがたいことにこのパソコンはイントラで渡辺組の情報も引き出せるようになっている。調べることは可能だ。





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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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