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桜吹雪の風?

「ウチの組の若いモンが五人がかりで押し入った。もちろん、消防隊みたいな道具持って。志水組の若いモンもいたが、ヤツらは屋敷の中のものまでは把握しちゃいなかった。それで押し切ってまっしぐらに子供部屋さ。子供部屋まではやつらは調べてなかったし屋敷と言えば普通は壊してマンションを建てるとかだろ?内装はウチの物だってことは約束している。だが、ヤツらも屋敷ん中にある金目の物は漁ったらしい。しかし、子供部屋なんてぇ、盲点だ。『内装はウチのモンだっ!だれも文句はつけさせない』とエラい剣幕で怒鳴ったらしい。ヤツらは指をくわえて見ているだけさ。で、ごっそりとお宝が出て来たって寸法さ。ヤツらも、それに連絡を受けて出張ってきた頭衆も口をあんぐり開けたそうだぜ。何たってプラチナやらダイヤやらごっそり出て来たそうだ。見たら価値は大体分かる物だからな」
「すごい…どのくらいの価値があったんですか」
「聞くところによると、20億くらいにはなったらしいぜ」
「……」
「で、ウチの若いモンが『邪魔したなっ!これで寿司でも食いねぇっ』と万札を数枚ヒラヒラさせたらしい。」
 普段から部屋に閉じこもっている佳樹には想像もつかない世界の出来事だった。
「それが、噂ってのはデカくなる。実際ウチの組は20億のキリトリをしたんだが、それが回りまわって100億のキリトリをしたってことになったらしい」
「それで、佐々木若頭が渡辺組長を襲撃させようと岩崎さんを…?」
「さあな、佐々木一人の思いつきか、それとも志水の懐刀とも呼ばれている佐々木のことだ。組長のタマ狙うって筋書きはどっちが考えたんだかは分からねぇ…。」
「分かったらどうするんですか」
「当たり前だ。報復するのがスジってモンだ。抗争になったらお前くらいの若いモンが大勢、命を落とすかもしんねぇ。ここは一つ、この情報を知っているのは俺だけだ。俺が清水組長を締め付けて首謀者が佐々木かどうかを白状させる。それからケジメを付けさせる」
 単身志水組に乗り込んで行く決意を見せた三浦に佳樹は動揺した。
「そ…そんなことしたら命が、」ない。と震える唇で続けようとしたが、
「仕方ねぇ。これも極道の仁義ってヤツだ。ムショでも親父さんには差し入れだ何だって色々世話を掛けた。それに放免になったらこんな部屋まで用意してくれてよ。それに何てったって、石渡組長に掛け合っておめぇまで住まわせて貰えたんだ。病院のベッドで俺は一目惚れってヤツをしたんだぜ。それを親父さんに言っちまったら、放免後お前と暮らせた。まぁ、おめぇには気の毒だったかもしれねぇが」
 眩しいものを見詰めるような目で佳樹を見ながらそう言った。
「……気の毒なんかじゃない。言っただろ、幸せだって。僕はその幸せをもっと味わいたい……だから、行かないでっ」
 そう言って抱きしめた。両腕なんかじゃ足りない。足も巻きつけた。身体全体で引き止めたかった。このぬくもりを離したくないっ!痛切に願った。
「俺だっておめぇと居たい。でも、親父には恩義がある。だから」
 佳樹の身体を力いっぱい抱きしめて三浦は耳元で囁く。
「無事帰ってくる。必ずな」
「でもっ!」
「これは俺のスジってもんだ。」
「必ず帰ってくるから、絶対に…。そして帰ってきたら、おめぇを最後まで抱いていいか」最後は聞こえるか聞こえないかの声だった。決意したものは変えることが出来ない。そんな覚悟が抱き合った身体中から伝わってくる。知らず知らず涙が溢れていた。
「はい。必ず帰って来て。そうして僕を…抱いて…。約束だ…よ」
「ああ、約束だ。おめぇの桜みたいな身体、最後までまで抱く。絶対だ」
 涙を唇で優しく拭い、佳樹をソファに座らせると「見送りはいらねぇ。必ず帰ってくるから」そう言って名残惜しげに佳樹を見るとドアから出て行った。





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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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